5分で読むムーミン小説:ムーミン谷の十一月(7)

公開日:2018年4月27日  関連分類:  

一日中雪が降りました。

 

ご先祖様としゃべりたくてスクルッタおじいさんは腰を掛けて話し始めました。

「こんにちは。雪ですね。どうしてちっぽけなことしか起きなくなったんだね。どうしてみんなちっぽけになっちまったんだね。」

しかし、スクルッタおじいさんが何を話しても、ご先祖様から返事がありませんでした。

 

「どうなんだい。おい、何か言えよ。あんなのたんすから出て来いよ!」

スクルッタおじいさんはきつい声で言って、杖でご先祖様のお腹をうんと強くつつきました

 

ガチャンと、音がしました。

その古鏡は細かに割れてドアから外れ、すごい勢いで下に落ちました。

細長いかけらが一つだけドアに残って、ご先祖様の困った顔を見せていました。

そのかけらも落ちると、スクルッタおじいさんはむっつり黙りこくっている茶色壁紙と顔を突き合わせることになりました。

 

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ヘムレンさんは木の小屋を天井も壁もなく、床だけの小屋にすることにしました。

スクルッタおじいさんは冬ごもりすると言いました。

ホムサは何も映らない青色の水晶玉を見ていました。

 

 

スクルッタおじいさんが冬ごもりをしてしまうと谷間は一層しんとなりました。

 

ヘムレンさん、ホムサスナフキンは楓の木の下にいました。

「ムーミンパパは初めのまんまの木の上にいるほうが好きかもしれないよ。」とホムサは言いました。

「君の言うことにも一理あるな」とヘムレンさんは認めました。

 

「12時過ぎると風が出てくるぞ」とスナフキンが言いました。

「ヘムレンさんと二人でちょっとヨットに乗れる」と続けて言いました。

 

二人は桟橋からヨットに乗って海に出ました。

ヘムレンさんが震え声で叫び、鼻が青白くなり、怯え切ってヨットのヘリを見つめていました。

 

「さあ、今度は気味が舵をとれよ」とスナフキンが言いました。

ヘムレンさんは夢中で舵をあっちこっちへ動かしました。

 

ふいにちゃんと舵が取れるようになりました。

ヨットは沖へ沖へと出ていきました。

 

家に帰ってきたヘムレンさんはホムサと家でコーヒーを飲んでいました。

「僕がヨットの舵をとったんだよ。」

「だけど、僕は今になってわかったよ。ぼくはもうヨットに乗らなくていいんだ。おかしいだろう。もう二度と乗る必要がなくなったってことがわかったんだ」とヘムレンさんは言って、心の底から楽しそうに大声を出して笑いました

 

 

「さあ、また体が温まってきた。靴下と長靴が乾いたら、僕は早速家へ帰るよ。家にはおいしいソースがたっぷりあるんだ。片づけなくてはならないことも山ほどあるし」とヘムレンさんは言いました。

 

ヘムレンさんは橋でスナフキンホムサに別れる時、ヘムレンさんは言いました。

「私のヨットはちょうどいい人にあげるよ。ヨットが入りようなだけの人が見つかるまで待っているよ」

 

ムーミン一家のヨットが見えた

スナフキンはテントの外に立っていました。

辺りがしんみりしてきました。

もう何時でも旅に出かけられる用意ができていました。

 

谷間はじきに雪に閉ざされてしまいます。

ゆっくりと静かにスナフキンはテントの杭を引き抜き、荷物をまとめました。

スナフキンはムーミンに手紙を書き、郵便箱に入れました。

 

夜明けのころ、スナフキンは自分の五つの音色を捕まえに海辺へ出かけていきました。

音色はすぐに近づいてきて、思っていたよりもさわやかで美しい音色でした。

 

※写真出典書籍:『ムーミン谷の十一月』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、鈴木徹郎/訳、1984年発行

 

スナフキンは引き返してリュックを肩に引っ掛け、森へ入っていきました。

 

その夜、水晶玉の中にかすかな、でもいつまでも消えない光が灯っていました。

ムーミン一家のみんなが冬ごもりをするためにヨットの帆柱の先にカンテラを掲げて家に向かい始めたのです。

 

 

テントを張ってあったところが空っぽになったことにホムサはびっくりしませんでした。

ムーミン谷はすでに影絵のような世界になりました。

 

ホムサは山を登り、山頂に着いたら海が一面広がっていました。

 

※写真出典書籍:『ムーミン谷の十一月』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、鈴木徹郎/訳、1984年発行

 

ムーミン一家は追い風に乗り、岸に向かって一直線に船を進めていました。

ムーミンたちは、ホムサが一度も行ったことのない、そして、岸からも見えないどこかの島へ行ってきた帰りなのです。

 

太陽は沈み切ろうとしていました。

ヨットはまだずっと遠くのほうにいました。

 

ホムサが森を抜けて岸に降り、岸伝いに桟橋に行って、ヨットのもやい綱を受け取るのに、ちょうど間に合うくらいの時間は、まだたっぷりありました。

 

終わり。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の十一月』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、鈴木徹郎/訳、1984年発行

 

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ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.フィンランド・北欧のデザイン

北欧にあるフィンランドは毎年冬が寒くて暗いです。家の中で生活する時間が非常に長いフィンランド人はちゃんと室内の生活を楽しもうと発展してきたのは生活製品のデザインです。そんなフィンランドデザインの特徴は「シンプル」「スタイリッシュ」「温もり」「ナチュラル」「鮮やか」。デザイン性の高さに加え、機能性にも優れているのが更なる魅力です。また、フィンランド出身の原作者トーベ・ヤンソンが作り出した「ムーミン」の背後にある原作者の思いや哲学もフィンランド代表の一つです。

3.「隠れ」デザインの魅力

人気ブランドのマリメッコやイッタラ、アラビアなどは知られており、キートスショップは日本の方々に届かない製品を届けるサービスを提供しております。また、優れたものを作りながら知られていない小さなメーカーやデザイナーがフィンランドもしくは北欧に多数存在しています。良い製品・作品が埋もれてしまうのは、とてももったいないこと。

キートスショップは、そのようなメーカーやデザイナーの製品・作品を発掘しながら応援活動も行っております。まだ知られていない北欧雑貨を日本の方々へ届け、より幸せな生活を送って頂きたいという思いです。

4.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop。

5.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

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