5分で読むムーミン小説:ムーミン谷の冬(6)

公開日:2018年2月18日  更新日: 2019年12月28日 関連分類:

めそめそを囲んだのはまさに彼の兄弟の狼たちでした。

しかし、どうやら狼たちはめそめそを受け入れるために迎えに来たわけではないようです。

めそめそは毎晩待ちに来ることを後悔し始めました。

 

まさにその時、ラッパの音楽が大声で響き渡りました。

大きいなヘムレンさんはリュックの中に眠たそうなちょこちょこ走りのサロメちゃんと一緒に来ました。

 

「お寂しい山に着いたら私の魔法瓶から暖かいミルクを飲ませてやるよ」とヘムレンさんが言いました。

そして、めそめそはヘムレンさんについて一緒に行きました。

 

※結局本作ではスナフキンは登場しませんでした。

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

※上記原画関連アラビアムーミンマグカップ:アラビア ムーミンマグカップ2017年 限定品紹介(2017年冬限定スプリングウィンター)

 

暗闇で寒いムーミン谷が変貌し、春がようやくムーミン谷へ

初めての春の嵐が来てからムーミン谷は様子が変わりつつありました。

 

ムーミン屋敷に泊まるお客様たちは続々と自分の家に帰るようになりました。

遠く南のほうから風が吹きつけてきます。

木々はもうずっと前から雪を振るい落としていました。

雫がパラパラと黒ずんだ雪の上に雨のように落ちました。

 

ムーミンは家のドアを押し開きました。

夜と松林のにおいがへの中まで流れ込んできました。

ぼくは一年中を知ってるんだ。冬を知ってるムーミントロールなんだぞ!」とつぶやきました。

 

彼は考えていたのです。

春というものはよそよそしい、意地悪い世界から自分を救い出してくれるものだと。

今そこに来ているのは、彼が自分で手に入れて自分のものにした新しい経験の、ごく自然な続きだったではありませんか。

 

リトルミイは今でもスケートをしています。

しかも、足についていたブリキの蓋が台所のナイフにアップグレードされていました。

 

商品ページ:ムーミン マグ カップ : スプリングウィンター 2017年 冬限定 / Arabia / フィンランド 北欧

 

その時、おしゃまさん(トゥーティッキ)は水浴び小屋を大掃除していました。

おしゃまさんが水浴び小屋に来たムーミンに言いました。

「水浴び小屋はまた水浴び小屋になるよ。熱くなってお日様で温まった板の上に腹ばいになって浜辺に打ち寄せる波の音を聞きながら……」

「どうしてそれを冬の間に教えてくれなかったの?そうしたら僕はきっと元気になれたろうになあ」とムーミンが返しました。

 

おしゃまさんが伝えました。

「どんなことでも自分で見つけ出さなきゃいけないものよ。そうして自分一人でそれを乗り越えるんだわ」

 

 

アイススケート場が氷の島々に、リトルミイピンチ!

リトルミイはまた海辺でアイススケートをしていました。

しかし、海の上の氷は徐々に割れていきました。

リトルミイは全く危険を感じずにどんどん遠くまで滑っていきました。

 

氷が割れて行き、たくさんの氷の島が海の上でぶつかり合うことになりました。

それを見たムーミンは助けに行き、氷の島を走って飛び伝っていきました。

 

リトルミイのいる島に行って彼女を頭に乗せると戻ろうとしました。

だいぶ険しくなり、タイミングに合わせて飛び渡っていました。

 

その時、最後の一とびに失敗して海に落ち、耳まで水に浸かってしまいました。

リトルミイはポンと飛んで無事に陸地に着陸しました。

ムーミンは力を振り絞って這い上がりました。寒くてたまらなくてそのまま家に帰ることにしました。

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

途中に氷姫に会った子リスに出会いました。しかし、彼は氷姫に会ったことも覚えませんでした。

 

ムーミン屋敷に戻ったムーミンは風邪を引いてしまいました。

幸いなことにその時ムーミンママは目覚めました。

すぐに風邪薬を作ってムーミンに飲んで寝てもらいました。

 

いつもの懐かしいムーミン谷へ

ムーミンが起きたらもう風邪が治り、ムーミンママもスノークのお嬢さんも起きていました。

ムーミンはベランダに静かに立ってうちの人たちを見ていました。

みんなはいつもの春と同じくいかにも楽しそうに庭を歩き回っています。

 

ところで、スノークのお嬢さんは庭に元気のいいクロッカスの目を見つけ、言いました。

「この上にガラスを置いてあげましょう。夜中に寒くなっても大丈夫なように」

 

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「いや、そんな事だめさ。自分の力で伸びさせてやるのがいいんだよ。この芽も少しは苦しいことにあうほうがしっかりすると僕はお思うな」

とムーミンは言いました。

 

彼は急にとてもうれしくなって薪小屋のほうへ行きました。

彼が駆け出し、雪解けのぬかるみを走りに走りました。

幸福でいっぱいになって何も考えずに走ったのです。

 

海まで駆け下りて水浴び小屋のはしご段に腰かけて春の海を見下ろしました。

 

ムーミンはじっと見を閉じて氷がむこうの暗い水平線のほうまで続いていたころのことを思い出そうとしました。

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

※参考書籍:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

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