5分で読むムーミン小説:ムーミンパパ海へいく(4)

公開日:2018年4月17日  更新日: 2019年11月30日 関連分類:

落ち込んだムーミンパパを励ましたいムーミンママは窓にカンテラでも吊るしたいと言い出したが、モランが来てしまうと恐れたムーミンはそれを止めました。

 

何日経ってもしつこい東風は止みませんでした。

でも雨は止んだので、ムーミン一家は島を見回ることにしました。

 

※写真出典書籍:『ムーミンパパ海へいく』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、小野寺百合子/訳、1990年発行

 

なかなかうまくいかないムーミンパパの島での新生活

ムーミンパパが石を落として作った防波堤が消えてしまい、ムーミンママが海草を運んで土を作ろうとした場所にある海草も消えてしまいました。

全てが波に持っていかれたのでした。

 

ムーミンパパはひどく落ち込んでいました。

「道を作ろうとしても無理だね。ここの石が大きい過ぎてだめなんだ。桟橋を作るのも無理だろう。」

ムーミンママは灯台の中でも色んなことができ、物が作れると慰めたが……

 

現実を直視しようとしなかったムーミン

ムーミンパパとムーミンママが灯台に帰るのを見送り、ムーミンは茂みにある自分の空き地に行きました。

 

アリが一匹もいません!

雨に流されたのかなと思って草の中を見ると、灯油のにおいがしました。

 

ちゃんと見ると、大量なアリが灯油漬けになっていました。

ムーミンはリトルミイを思い出しました。

 

「だって、アリって蚊と同じようなものでしょう。だからアリをやっつけるのはいいことじゃないの。どっちにせよ、あなたは私がありに何をするか、ちゃんと知っていたはずよ。あなたは私がそれを口に出さないことを願ってただけだわ。あんたったら、本当に自分自身を騙すのが上手ね!

 

ムーミンは答えることができませんでした。

それから丸二日、ムーミンはムーミンママと網から海草を取り除いたのでした。

 

 

新しい環境でやる気を失いつつあるムーミン一家

雨がまた降り出しました。

灯台の中はあっちこっち雨漏りでした。

 

ムーミンパパはうんざりして釣りに出かけました。

黒い池で釣りしてもぜんぜん釣れず、海岸のほうに移り、漁師に出会いました。

 

漁師に灯台守りの話をしても相変わらずなんでも忘れちゃったとしか返事がきません。

ムーミンパパは1匹の魚を釣り上げ、持ち帰りました。

 

それからムーミンパパは毎日釣竿を持って釣りをしていました。

釣り以外には全く興味を失っていました。

 

ムーミンパパやムーミンママはいつも考え事があってムーミンが何をやっているに気づかなかったです。

リトルミイは何をしているか、何を考えているか誰も知りませんでした。たいていは漁師の後を追いまわしているのでした。

 

うみうまに夢中するムーミンとカンテラの明かりに夢中するモラン

ムーミンはよくカンテラを持って浜に降りていました。

ムーミンにとってモランは危険というより不思議だけでした。

モランはいつもカンテラの明かりを見つめていました。

 

※写真出典書籍:『ムーミンパパ海へいく』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、小野寺百合子/訳、1990年発行

 

ある夜、2匹のうみうまが来ました。

カンテラを蹴っ倒して月の光の邪魔だと言いました。

 

ムーミンは1匹のうみうまの足にかなぐつがないことに気づき、ママから取り戻して返してあげると言い出しました。

うみうみは(来るのを)「また別の夜にね」とだけ言って去っていきました。

 

その後の日々に、ムーミンはカンテラを持たずに海辺に行くようになりました。

モランは来ますが、うみうまは姿を現しませんでした。

 

ムーミンはモランに「あなたに構っている暇ないんだよ。ここはパパの島なんだ。もう来ないで!」と言って帰りました。

 

茂みのはずれですべてを見たリトルミイは言いました。

「あの子は、今度こそ、にっちもさっちもいかなくなったわ。モランとかかわりあったり、うみうまと友達になろうとするから、ああいう目にあうのさ。」

 

ムーミン一家がばらばらに送るようになった生活

灯台の家に魚が溢れ、ムーミンパパは釣りにうんざりになり、竿を置いて散歩に出かけました。

ムーミンパパは黒池まで行き、色々想像したら、興奮して黒池を調べることになりました。

 

ムーミンは自分の空き地で転がり、茂みに三つもの出入り口を作りました。

アリのことも、モランのことも気にしなくなり、うみうまのことばかり考えていました。

 

ムーミンママは家中を綺麗に片づけたが、ある日からたきぎを島中から集め始め、ずっとのこぎりを引いていました。

気が付けば、ムーミンママは薪の山に囲まれるようになりました。

ムーミンママは自分の仕事を見つけたようです。

 

ムーミンママは薪集めで砂浜で貝を見つけ、ムーミンパパに持って行って見せました。

しかし、ムーミンパパは池のことと海のことをもっと調べるべきのことにしか興味がありませんでした。

 

 

 

夜にムーミンはカンテラを灯さずに銀のかなぐつを持って砂浜に降りていきました。

ムーミンの目が暗さに慣れてくると、うみうまが1頭霧の中から出てきました。

 

うみうまは貴婦人がよくやるようなさりげない様子でかなぐつに足を突っ込みました。

ムーミンはうみうまに声をかけ、話しましたが、うみうまは聞いていませんでした。

 

ムーミンが話を続けているときにモランが現れ、うみうまは去っていきました。

モランはムーミン目掛けてやってきました。

ムーミンは家に戻るように走りました。

 

しかし、今回モランは海辺で止まらず、島の中に入って追いかけてきました

ムーミンは家の扉をバタンと閉め、ベッドに入り、想像の夜の遊びである「救助ごっこ」に逃げ込みました。

 

続く。

 

※参考書籍:『ムーミンパパ海へいく』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、小野寺百合子/訳、1990年発行

 

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