ムーミン小説『ムーミン谷の冬』が教えてくれたこととは?

公開日:2018年2月18日  更新日: 2020年01月01日 関連分類:

ムーミン小説/童話の『ムーミン谷の冬』を読んだことがありますでしょうか?

 

もしなかったらぜひ読んでみてほしいですね。

書籍情報:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

もし約200ページの小説を読む時間があまりなければ、ぜひ下記のダイジェスト版をご覧ください。

 

独自の、一人での冒険から生まれる貴重な経験

いつも冬に冬眠するムーミンはなぜか冬の真ん中に目が覚めてしまいました。

彼にとって住んでいるいつものムーミン谷は何でもかんでも自分の知っているムーミン谷ではなくなっています。

 

その「新しい」ムーミン谷を歩いて見て触って感じていく中で孤独、恐怖、不安、イライラなどの感情を強く感じていました。

しかし、彼が頼りにしてきたムーミンパパムーミンママも眠りから目が覚めません。

 

彼の大好きな親友スナフキンは遠く南の世界を旅しています。

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

自分を助けてくれる人も一緒に未知な世界を探検する人は一人もいませんでした。

 

起きている人の中で最も関係が深いリトルミイは自分の遊びにしか興味関心がなく、ムーミンの感情なんかに気をかける暇もありませんでした。

 

最も信頼できそうなおしゃまさん(トゥーティッキ)必要最低限のことしか教えてくれなかったし、必要最低限のことしか助けてくれませんでした。

 

そのため、ムーミンは自分一人でたくさんの辛いこと、迷うこと、悩むこと、悲しいことを経験してきました。

自分一人で経験してきたからこその成長があり、誇りもあります。

 

 

危険がたくさん潜め、変化が速い社会だからこそ過保護は子供に悪い影響をもたらす

親が自分の子供を危険から守り、順調に成長してもらいたいのが本能であり、親心であり、ごく自然なことです。

しかし、現代社会において、少子化が進み、様々な危険因子が生活環境に存在しているため、親が子供を過保護してしまう傾向があります。

 

ちょっとしたチャレンジになることは禁止され、小さなリスクを過大視され、「安全」のために子供の自由が多く犠牲にされてしまいます。

しかし、それは本当に子供のためになることでしょうか。

 

子供が小さいときは安全に生活して成長できても、その後も一生安全に社会に生きていける保証はどこにもありません。

 

※商品ページ:ムーミンエコバッグ:ムーミン原画(ブラック) / Blue House / フィンランド 北欧

 

危険から自分で自分の身を守る能力を身に着けてもらうことが最も有効な保護策

自転車を運転すること、車を運転すること、遠い大学に行くこと、海外に行ってみること、要求の多い上司に対応すること、様々な人々と一緒に働くことなどなどのことには必ず様々なリスクはつきます。

 

もちろん、子供にやらせなければ、短期間中にリスクを最低限に抑えられるかもしれません。

しかし、様々な経験をしないことで、日々変わる社会、様々な危険が潜めている社会を一生に渡って安全に過ごすには逆にリスクが想像以上に膨らむかもしれません。

 

親として子供に最低限の保護措置を取り、最低限のサポート「だけ」をするのはとても大事です。

 

それが『ムーミン谷の冬』を通じて原作者のトーベ・ヤンソンから伝えられた最も重要なメッセージと考えてもいいでしょう。

 

もしムーミンパパやムーミンママも目が覚めていたら、おそらく息子のムーミン一人に雪の世界に行ってもらい、様々な冒険を自由にしてもらうことはないかもしれません。(もしくは一部だけかもしれません)

 

しかし、親からの保護もアドバイスがないからこそ、ムーミンは自分で悩み、迷い、不安を感じながら成長していくことができます。

 

今度ムーミンがまた未知の世界や状況に出会ってもすぐに家族の助けを求める必要がなく、自分で不安を感じながらも考え、悩み、迷いながら生き抜くことができるようになるのです。(無事生き残り、生き抜ける確率が上がります)

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

適切な保護と過保護の線引きはとても難しい

子供を守りたい本能が働く中で「適切な保護」と「過保護」の線引きはとても難しいです。

 

自分が適切だと思っていても周りから見るとすでに過保護になっているかもしれません。

 

この記事もしくは『ムーミン谷の冬』からのメッセージは適切な保護と過保護の線引きをどう完璧に引くことについて書いたわけではありません。

あくまでも子供に対するやり取りの中で、もしくは子供に対して制限を設けるときに「過保護していないか?」と意識して頂きたいだけです。

 

意識するだけで過保護を避ける可能性が上がり、子供に対してよりいい影響を与える可能性も増えます。

 

是非ご参考にしてみてくださいね。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

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