5分で読むムーミン小説:ムーミン谷の冬(4)

公開日:2018年2月17日  更新日: 2020年01月01日 関連分類:

ムーミンは山に着きました。

ただ木の山は下から上まで燃え盛ってライオンのようなうなり声を上げました。

雪が解けて暖かい水がムーミンの足の上を流れました。

 

とんがりネズミが歌い、小さなかげや大きいな影が踊り、しっぽで太鼓を叩いていました。

 

ムーミン谷の冬祭りと突然モランの到来

その後、ムーミンはようやく流しの下に住んでいる人に会えました。

ブラシのような眉毛をしたかなり小さな動物でした。

しかし、言葉が通じず、小さな動物は怒ったようでどこかに行きました。

 

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その時、とんがりネズミが歌をやめ、太鼓も鳴りやみました。

みんなが氷の上を眺めると、氷の精みたいなあのモランが座っていました。

 

そのモランが山へ登ってくるとかがり火のところに座りました。

火の山全体が湯気に包まれました。

 

夜のお日様が消されたと悲しんだムーミンに対し、おしゃまさんは言いました。

「あの人は火を消しに来たのではなく、温まりに来たのよ」

モランはムーミンが持ってきた石油ランプのところに行き、ランプもすぐに消えてしまいました。

 

モランはじっと動きません。山にはもう誰もいません。

ムーミンは家に帰り、寝ているママに言いました。

「お祭りはあんまり楽しくなかったよ」

 

 

初めて対面したムーミンのご先祖様

おしゃまさんは海の凍った海面の下で釣りをしていました。

ムーミンが来てお日様を待っていました。

 

ようやく太陽が姿を現し、ムーミンは大喜びでおしゃまさんが釣った4匹の魚を投げ上げ、逆立ちしました。

しかし、お日様はほんの一瞬でまた沈んでいきました。

 

「お日様は明日また来るよ。安心しなさい」とおしゃまさんが言いましたが、あまりにも正しいことを言われてかえってうんざりしてたまらなくなったムーミンは水浴び小屋の戸棚を開けてしまいました。

 

中に置いてあるものは夏の時のままでした。

ところが、床の上に何か小さいものがいました。

長い毛に覆われ、大きいな鼻をした灰色のものでした。

 

それを見たおしゃまさんが言いました。

「おやおや、結局開けたのね。あれはネズミでもなんでもなく、トロールなの。あなたの先祖ね」

 

何も言えないムーミンは家に戻って部屋で考え込みました。

ろうそくとお砂糖を借りに来たリトルミイは言いました。

「あんたのことで恐ろしいことを聞いたわ。あんな、自分のご先祖を戸棚から追い出したんだってね」

「えい、やかましい」とムーミンが返しました。

 

気が付いたら、ご先祖様は家のシャンデリアの上にいました。

ご先祖様は大ストーブに興味を示し、中に飛び込み、住み着きました。

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

冬が大好きな大きいなヘムレンさんとめそめそと大勢ムーミン谷に来た人々

毎日、少しずつお日様が高く昇ってきました。

ある日、小さな痩せ犬の「めそめそ」がやってきました。

 

氷姫が谷間に来たせいで食べ物がだいぶ減ってしまったようです。

それで大勢の動物たちが食べ物を求め、ムーミン谷にやってきました。

「あそこに行けばナナカマドの実もあるし、ジャムの倉庫もある」とうわさが広がっていました。

 

多くの動物がムーミン屋敷に押し寄せ、やさしいムーミンは困ったと思ったものの、みんなを家に入れました。

縄梯子を登れない人のために雪トンネルを掘り、一階の窓ガラスを1枚割って、入り口も作りました。

一瞬家中が動物だらけになりました。テーブルかけの下に、帽子の中、スリップの中にいました。

 

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しかし、めそめそは家に入りません。

遠くにいる狼の兄弟の吠え声を聞きながらも悲しそうで水浴び小屋のほうへ向かって歩きました。

 

翌朝、突然ラッパの音がムーミン谷に響き渡りました。

一匹の大きいなヘルムが金属製のラッパを持ちながらスキーで滑って来ました。

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

ムーミン屋敷にいるお客さんたちが好奇心で寄ってきて、ムーミンはヘムレンさんに言いました。

「あなたもうちに入りませんか?」

「家にいるより家を作って体を動きましょう」

とヘムレンさんが言ってムーミンとお客さんたちにイグルー(雪小屋)を作ってもらうことにしました。その間、ヘムレンさんは寒中水泳をしました。

 

初めてスキーを見たリトルミイは自分もスキー板を作ると言いました。

 

ムーミンは水浴び小屋に走って行ってヘムレンさんのことをおしゃまさんに伝えました。

おしゃまさんもムーミン屋敷の近くまで来てヘムレンさんと話しました。

ヘムレンさんのことがあまり好きじゃないようです。

 

寒中水泳を終え、ムーミンからのイチゴジャムを食べたら、一番険しい坂を上ってスキーで滑っておりました。

恐ろしい勢いです。キラキラする雪の粉が舞い上がりました。

 

次にリトルミイが……

 

続く。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

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