5分で読むムーミン小説:ムーミン谷の冬(1)

公開日:2018年2月15日  更新日: 2020年01月02日 関連分類:

夏が終わったムーミン谷は新しい世界に変貌しました。

果たしてムーミンたちは新しい世界でどのような冒険を経験し、どのように人に出会うのでしょうか。

 

真っ冬のムーミン谷に突如起こった不思議なこと

空がほとんど真っ黒で、月の光を浴びた雪はきれいな青い色に光っていました。

小動物たちは深く眠り、周りはすごく静かでした。

春がまだ遠く、新年を過ぎたばかりの頃でした。

 

谷間には雪に埋まった一軒家が立ち、とても寂しそうな姿をしていました。

家の中は暖かくてとても気持ちよさそうでした。

ムーミン一家のみんなは11月から4月まで冬眠するのです。

 

静まり切ったムーミン屋敷で突然今まで起こったことのないことが起こりました。

ムーミンが目を覚まし、それっきり眠れなくなってしまったのです。

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

しょうがなく起き上がったムーミンはムーミンママのベッドのところに行き、ムーミンママの耳を引っ張ったりしてもママは目を覚ましません。

 

青白い月の光に照らされた暗闇の中でムーミンはとても寂しくなったのです。

「世界中がどこかへ行っちゃったよ」

とムーミンはムーミンママの布団を引っ張って言いました。

 

ムーミンはスナフキンが残した手紙を探して何回も読みました。

「チェーリオ。よく眠って元気をなくさないこと。春がやってきた最初の日にぼくは戻てくるよ。それまでにダム作りを始めないでね」

 

※商品ページ:幻の ムーミン シート: スナフキン / ヴィンテージ品 / フィンランド 北欧

 

お腹が空いたムーミンはキッチンに行ったが、調理台の下に動物がいることに気づき、寂しいから何度も呼びました。

しかし、いくら呼んでも出てきませんでした。

 

あきらめたムーミンは南へ行ってスナフキンに会いに行きたいと思ったが、ドアも窓もすべて凍り付いて空きませんでした。

最後に煙突掃除用の引き戸を開けて屋根の上に這い出しました。

 

新しい冬のムーミン谷と綺麗なしっぽを持つ子リス

冷たい空気の波が彼を包み、ムーミンは思わず息が詰まって足を滑らせ、屋根の上を転がり出し、耳まで雪の中に埋まったのです。

 

谷間は、一種の灰色の薄明かりに包まれ、緑というものはどこにもありません。白一色です。

生き物の音は一つもしません。

 

歩き出したムーミンはこの世界は死んだんだと思い込んでいました。

 

 

ずっと西のほうの海の近くに一匹の「素晴らしい尻尾を持ったリス」だとうぬぼれていた子リスがいました。

 

子リスは自分の敷布団を探しに海辺の洞窟に入りました。

中で一つの段ボール箱を見つけ、中に頭を突っ込んでみたらふわふわした暖かいものが入っていたので、自分の敷布団にしたいと噛みついて引っ張り出そうとしました。

 

やっているうちに、箱から怒ったような顔つきが出てきて子リスを睨んで言いました。

「こんなことをしたのはお前なの?」

「そうかな、僕よく知らないんだ。」

と子リスは答えたが、リトルミイはそれを見抜き、怒って小さな雪玉を作って子リスの頭に投げました。

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

起こされたリトルミイは洞窟から出ていき、冬のがけ、山とスロープを見て調べ、考えたら「そうだ、いいことを思いついたわ。」と言い出しました。

氷の上で6回も滑ってリトルミイは今度洞窟に戻り、おねえさんを箱から追い出し、段ボール箱で滑ろうとしました。

 

 

ムーミンは南に向かって歩き出したが、深く積もった雪で足がうまく前に進みませんでした。

森に入り、目の前には山々が聳えています。

「山の向こうにスナフキンがいるだろう」と思いました。

 

ムーミン谷の冬の住人:おしゃまさん(トゥーティッキ)が初登場!

しかし、日が暮れて暗闇が降りてきて寒くなりました。

その時、小さな足跡を見つけ、胸が熱くなったムーミンは足跡に沿って歩きました。

 

そしたらとても小さな明かりを見つけました。

1本のろうそくが森の地面に立ち、周りは雪玉に囲まれています。

まるで小さな家みたいな感じです。(雪のランプですね)

 

その雪のランプの向こうには人がいました……

 

続く。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

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