「変化」と「新しい経験」から新しい人生が生まれた! 『ムーミン谷の十一月』を考えてみよう!

公開日:2018年4月30日  更新日: 2019年11月30日 関連分類:

トーベ・ヤンソンの『ムーミン谷の十一月』一作は、初めてムーミン一家が登場しない作品で、ムーミンたちに関わりのありそうな、ムーミンたちに会いたい人々が集まることで生まれた物語です。

 

原作者トーベ・ヤンソンはこの物語から、このようなメッセージを伝えたいのではないかと筆者が思いました。

 

『「変化」と「新しい経験」から新しい人生は生まれる』

 

 

ヘムレンさんが経験したことと彼の生まれ変わった人生

毎日同じ生活を永遠と繰り返す生活に飽きたヘムレンさん

ヨットを持っているのに、操縦ができず、操縦の仕方を勉強する時間もないから、一回も自分のヨットに乗って海に出たことがないヘムレンさん。

 

ヘムレンさんは楽しい時間を求め、ムーミン谷にやってきました。

ムーミン谷にやって来ることで彼は「変化」を求めていたのでしょう。

 

ムーミンたちがいないムーミン谷で知らない人々と一緒に生活しました。

最初に意見が合わなくてフィリフヨンカとの関係は好ましくなかったが、最後に彼女を褒めるようになり、一度ケンカにもなったホムサに対しても、その後ホムサの意見を認めるほど変わりました。

そして、スナフキンが操縦してくれたことで、ヘムレンさんも初めてヨットに乗って海に出ることができました。

 

これらの新しい生活経験、人間関係の経験、初めてヨットに乗った経験によって、自分は何をすべきかがはっきりわかるようになりました

 

昔の繰り返しの生活ではなく、人のために人を助けるために生きる生活をしようと(他人のごとを片付けると言っていましたが、筆者が勝手に解釈しました)、ヨットに乗るのは実に自分に合わないから、ヨットを他人に譲ろうと言い出したヘムレンさんの人生が生まれ変わったのです。

 

※写真出典書籍:『ムーミン谷の十一月』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、鈴木徹郎/訳、1984年発行

 

フィリフヨンカはどのような経験をしてどのように変わったのか?

フィリフヨンカはいつも一人暮らしで、毎日掃除と整理整頓ばかりしていました。

仲のいい友たちも知り合いもいませんし、家を出ることも少なかったです。

 

毎日余計な細かいことばかり考え込んで色んなことが頭の中で回り、色々考えているうちに掃除もままならなくなってしまいました。

 

こんな神経質で几帳面なフィリフヨンカはムーミン谷にやってきました。

 

ムーミン谷にやってきたフィリフヨンカは変わらず色んな細かいことを考え込みますが、色んな人に会うため、考え方も行動も徐々に変わってきました。

 

料理ならフィリヨンカの右を出る人がいないとスナフキンは言いました。

素晴らしい芸術家だとヘムレンさんは言いました。

 

実に自分は人の役に立てることができるんだと気づいて(気づかせされ?)から、フィリヨンカはすごく生き生きになりました。

 

それでムーミン屋敷を大掃除することも楽しくできたし、自分の家もちゃんと掃除できる力が戻ってきました。

 

ムーミン谷で生活するという「変化」と「経験」によって、フィリフヨンカは自分を認めることができるようになったでしょうね。

 

 

ホムサに訪れた変化と経験とは?

ヘムレンさんのヨットに隠れて過ごす日々にはいつも自分一人で、いつも同じ環境で生活していました(本を読んでいました)。

 

ムーミン谷にやってきたホムサは様々な人と話すことができ、様々な質問に聞かれ、色々なことを考えるチャンスが得られました。

 

ヘムレンさんの手伝いに呼ばれたホムサは板のくぎ抜きをしていました。

その時にミムラ姉さんにくぎ抜きは好きなの?と聞かれました。

ホムサはその時に初めて考えたのです。

実に自分はくぎ抜きなんて特にすきではないこと。

 

パーティーの余興をやることで、自分には何ができるかを考えてみました。

スナフキンと話すことで、なんでスナフキンはみんなに尊敬されるのに、自分は尊敬されていないだろうかとも考えてみました。

 

このように、生活環境に「変化」がなく、様々な人と話す「経験」もなければ、色んなことについて考えるチャンスも得られなかったでしょう。

ホムサはいつもの自分の世界だけではなく、考える世界が広がりました。

 

※写真出典書籍:『ムーミン谷の十一月』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、鈴木徹郎/訳、1984年発行

 

ヘムレンさん、フィリフヨンカ、ホムサの話から考えてみる

我々の世界、我々の生活も同じではないでしょうか。

毎日同じ生活を繰り返している中で安定な暮らしを送っています。

 

そのままでも十分満足と感じている人はそれでいいです。

でも、そのままでは満足と感じていない人には何か新しい「変化」や新しい「経験」が必要かもしれません。

 

それで新しい気づきや新しい人生が始まるかもしれませんね!

 

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