ホムサの想像とウソ、フィリフヨンカの災難と新しい自分 ムーミンの物語を考える

公開日:2018年3月4日  更新日: 2020年01月01日 関連分類:

9個の物語で構成されたムーミンの小説『ムーミン谷の仲間たち』の中で、ホムサの話とフィリフヨンカの話は第2個と第3個の物語です。

 

ホムサの豊かな想像力から生まれる嘘

ホムサは豊富な想像力を持ち、弟を連れて家の周りのごく普通な場所にもかかわらず、人生一大きい大冒険のように過ごすことができるなんて、日々をとても楽しく過ごしているでしょう。

 

しかし、その豊富な想像力に陥り、現実の世界から離れすぎる且つ現実世界に混同してしまうと、大きいな問題に繋がります。

想像した世界を一般生活の中で人に話すとただの幻想になり、うそになります。

 

一般生活の中で冗談のようなウソは聞いてちょっと楽しい時もあるかもしれませんが、多くの場合は人々の不快を招いてしまうことが多いです。

 

※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

物語の中のホムサはまさに自分が想像した世界を現実の世界をはっきり分けることができず、混同してしまい、結果的に自分が想像したことをそのまま事実のように人に伝え、自分がウソをつくことになってしまいました。

たとえ彼は嘘をつく意思がなくてもです。

 

リトルミイはホムサの話を聞いてすぐに見破りました。

彼女はすぐさまホムサの言ったウソの世界をそのまま生かし、もっと膨らんだウソを逆にホムサに言いました。

 

その結果、ホムサは自分が最初に付いたウソに苦しまれ、自業自得という結果となりました。

 

 

フィリフヨンカが見つけた新しい自分

この物語にいるフィリフヨンカは性格がとても繊細で、自信なさそうでいろいろなことを細かく考える人です。

 

自分の家のこと、家具のこと、家の周りの環境のことなど色々自分に合わないと思いながらもずっと同じ場所に住み続けていました。

ガフサ夫人との付き合いも「ガフサ夫人へ見せること」を考えてアレンジしたり話したりしています。自分の言いたいことも言ってみたが、なかなかうまく伝わらなかったです。

 

その後、猛烈な嵐や竜巻に出会い、家は倒壊し、家具は飛んで行ったり壊れたりしていました。

このような出来事があったからこそ、彼女は家のこと、家具のこと、周りのこと、ガフサ夫人との付き合いのことを全てリセットすることができました。

 

それで自分の新しい人生を迎えることができるようになりました。

 

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繊細でやさしい人こそ自分を失いやすい

実に我々も知らないうちに、彼女のような人生や生活を過ごしていませんか?

今のやっていることや存在している状態に不満不平がありながらも心に押し込み、我慢しながら生活を続けています。

何か大きいなきっかけがない限り、自分から動き出して自分の人生や生活をリセットできません。

 

そういう時だからこそ、何か自分の泥沼に陥った人生や生活が変わるようなことやきっかけが必要でしょう。

フィリフヨンカのようにそのタイミングを待って、偶然に大きいな変化に出会うのも可能ですが、自分からそのきっかけを作り出すことも一つの方法です。

 

何かを変えてみることでしょう。場所であったり、人であったり、やることであったり。

 

それで、もうものに囚われることも、住む場所に囚われることも、人との付き合いに囚われることもなくなるのです。

 

自分から動き出し、自分から踏み出し、自分から変えようとしてみるのです。

 

物語の最後にフィリフヨンカが残したあの言葉にはまさにこのようなメッセージが隠されているかもしれません。

「だけど、本当のことを言うと、もしご心配でしたら、すすぎ水の中にちょっぴり酢を入れるのが一番よくてよ。そうしたら色がさめませんの!」

 

 

いつも海水で絨毯を洗っていて特に問題もなく、何か特別なことでもありません。

しかし、ちょっと酢を入れるというちょっとした変化をもたらすことで結果が大きく変わります。

 

なかなか難しいところもありますが、できる範囲内で変化をもたらしてみませんか?

きっとそれで変わることがあり、新しい気づきがあり、新しい人生の始まりますよ。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

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