5分で読むムーミン小説:ムーミン谷の冬(2)

公開日:2018年2月16日  更新日: 2019年12月28日 関連分類:

雪のランプの向こうにいたのは赤と白のセーターを着たおしゃまさん(トゥーティッキ)でした。

彼女は歌っていました。

ムーミンは彼女が何かを歌っているのかを聞いてみました。

 

冷たい言葉を通じて愛を伝えるおしゃまさん(トゥーティッキ)

おしゃまさんは言いました。

「あなたにはわからないことよ。だってオーロラとか見たことあるの?」

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

※上記原画関連アラビアムーミンマグカップ:アラビアムーミン マグ カップ2007年限定品紹介(2007年冬スノーランタン)

 

知らない間にモランに踏み潰されないよう、おしゃまさんはろうそくを取り出し、家に持って帰ろうとしました。

ムーミンはずっと前にモランに会ったことを思い出しました。もしかしたらモランが1万匹土に座り込むことで冬が作り出されたのかなと思いました。

 

ある場所を通る途中にムーミンは言いました。

「去年の秋にここはたくさんのリンゴが実ったよ」

「でも今は雪だね」

とおしゃまさんが返しました。

 

最後に海辺の水浴び小屋に着き、ムーミンは夏の思い出をおしゃまさんに話したが、何も返事してもらえませんでした。

 

 

 

 

恥ずかしがり屋で不思議なとんがりネズミ

おしゃまさんと一緒に水浴び小屋に入ったムーミンは不思議なことに気づきました。

笛を吹いている音が出るのに吹いている人が誰もいませんでした。

 

「みんなとても恥ずかしがり屋なものでとうとう自分を見えなくしてしまったのよ。とても小さなとんがりネズミが8匹一緒に暮らしているよ」

とおしゃまさん(トゥーティッキ)が説明しました。

 

ムーミンは興味津々でいろいろなことを聞こうとしていました。

「雪のことを教えてくれない?何も知らないから」

「とんがりネズミはどこから来たの?」

 

おしゃまさんは答えました。

「なんでも聞くもんじゃないよ。とんがりネズミたちも自分の秘密を守りたいかもしれないし。雪のこともあまり気にかけないことね」

 

 

「しかし、あの戸棚(ムーミンの水着が入っている)を開けてはいけないよ。約束するわね」とおしゃまさんは続けました。

「ぼくはどんな約束もしませんよ」とムーミンは答えました。

ムーミンは家に帰って寝ました。

 

真冬のムーミン谷へリトルミイも冒険を始める!

寝袋が壊れたリトルミイはどうしてもうまく寝れません。

おまけに段ボール箱も壊れて風が吹き込んでいます。

ミムラ姉さんを呼んでも起きないので、諦めて外に出ていきました。

 

強い北風の中でリトルミイは水浴び小屋への道を見つけ、もしかしたら布団や新しい寝袋があるんじゃないかと水小屋に向かって浜辺に向かいました。

 

※商品ページ:ムーミンエコバッグ:オン・ザ・アイス(ブルー) / Blue House / フィンランド 北欧

 

寒くて暗くて知らないことばかりの冬のムーミン谷

朝を迎え、家にいるムーミンは明日恐ろしいことに気づいました。

お日様はこれきりでもう上らないだろうか。

 

朝が来ると灰色の薄い光がさしてきます。

しかし、それがたちまちまた長い長い冬の夜に吸い込まれてしまいます。

 

お日様は宇宙の端から転がり落ちてしまったのでしょうか。

ムーミンは様々な冬の不思議なことを考えながらも答えを見つけられず、考えれば考えるほどがっかりするだけでした。

 

ムーミンは屋根裏部屋で花やお日様の昇る絵、素晴らしい車のついた小さい馬車の絵などを見つけました。

ムーミンは様々な夏景色が描かれた絵を家中の壁に貼り付け始めました。

 

その途中に、ママがいつも大事にしている銀のお盆がなくなったことに気づきました。

他にも枕と布団、メリケン粉とお砂糖、お鍋と卵入れの袋などいろいろなものがなくなっていました。

 

ムーミン屋敷の前に突然やってきた巨大で不思議な白馬

ムーミンは犯人を捜すためにおしゃまさんに聞きたくて家を出ました。

しかし、薄暗い外に出ると見たこともない真っ白い馬がベランダの横に立っていました。

馬に声をかけても返事がなく、ちゃんと見ると、馬は雪でできているものでした。

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

※上記原画関連アラビアムーミンマグカップ:アラビア ムーミンマグカップ 2016年 限定品紹介(2016冬:スノーホース)

 

 

橋のほうから歌声が伝わってきて、おしゃまさんでした。

おしゃまさんに歌の意味を聞くと、「今夜馬に水をかけ、氷姫が来て馬を乗っていき、戻ってこなくなるよ」だそうでした。

ムーミンは家のものが盗まれていると伝えたら、おしゃまさんから「すばらしい!君たちはものを持ちすぎだよ」と言われました。

(なんだか皮肉ですね)

 

知り合いはだれ一人もいなく、寒くて暗くてつらい冬、知らないものばかり、自分のことを同感してくれないおしゃまさん、何一つうまくいかないムーミンは腹が立ちました。

愚痴の歌を歌ったら、今度は夏の歌を歌いましたが、何一つ音のしない世界で気持ちがさらに沈みました。

 

歩いているムーミンに突然声が!

「よけろ!そこをどけっ!」

 

続く。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

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