ムーミンパパ、ニョロニョロと旅をする(その3)

公開日:2018年4月13日  更新日:2020年1月1日  関連分類:

さてこれまで、『ムーミンパパ、ニョロニョロと旅をする』をテーマに、ニョロニョロたちの旅と、それを経験したムーミンパパのことをお話してきました。今回は、このお話を通じて、ニョロニョロたちについてもう一度考えてみようと思います。

 

まだご覧になっていない方は、(その1)と(その2)を読んでいただくと、これからのお話が分かりやすいと思います。

不思議な生き物として知られているニョロニョロ。退屈していたムーミンパパは、そんなニョロニョロたちについて行って旅をしてみようと決めました。ムーミンパパは退屈から抜け出…...続きを読む

退屈していたムーミンパパはある日ニョロニョロたちの旅について行ってみることにしたのですが、その旅でムーミンパパはどんな経験をしたのでしょうか?また、ニョロニョロたちの…...続きを読む

 

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ニョロニョロたちの旅は、冒険ではなく、生活だった

ニョロニョロは、まるで生きるために生きている、かのような印象を与えます。

 

彼らは雷を求めてさまよいますが、それだって自分たちのエネルギー源である電気を摂取するため。

 

 

嵐が来るとテンションが上がってしまうスナフキンムーミンパパとは、違うものです。

 

楽しいから、ではなくて、必要だから。ニョロニョロたちが雷を求めて旅をするのは、それだけの理由なのです。

 

それは、ムーミンパパが夢見るような『冒険』ではなく、『生活』に近いものであるといえるでしょう。

 

そんな旅は、たのしいのでしょうか。

 

いえ、そもそも、彼らに「たのしい」なんて感情はあるのでしょうか。

 

私たちがこんな風にどんな疑問や興味を抱こうが、彼らが答えてくれることはありません。

 

 

だからこそ、私たちはあくまで想像するしかないのです。

 

 

 

 

その2)でご紹介したように、ニョロニョロたちと旅をしたことがあるムーミンパパは、「ニョロニョロたちはなにかを感じることも、考えることもない」という結論を出していました。

 

とはいえそれだって、ニョロニョロたちを間近で観察したムーミンパパの感想であって、本当のところはわからないのですが。

 

 

ニョロニョロたちのことを考える私たちとしては、「もしかしたらニョロニョロたちにとっては雷ってものすごく美味しいごちそうだったりするのかもしれない」とか、「雷に打たれた後のニョロニョロがぴかぴか光るのも、彼らなりの喜びの表現だったりするのかもしれない」といった風に、お気楽な想像をしているだけの方が、楽しいかもしれません。

 

(ニョロニョロたちのことをより深く知ろうとして彼らの旅に同行することが、精神的にとても危険であるということは、ムーミンパパが証明してくれましたからね。)

 

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誰からも理解されないニョロニョロたち

ニョロニョロたちは、何も語りません。

 

だから、ムーミン谷住人からは、いつだって、不気味でろくでもないやつらだ、と思われるばかりです。

 

そこにはいつも大した根拠はなくて、どれも住人たちの決めつけや思い込みであったりするようですが、長い間旅路を共にしたムーミンパパですらニョロニョロを理解できない(というより、したくない)と思ったのですから、ニョロニョロはきっとこれからも変わらず、誰からも理解されない存在としてあり続けるのでしょう。

 

ムーミン谷の住人たちが考えるニョロニョロ像については、こちらの記事でお話ししていますので、興味のある方はご覧になってみてくださいね!

 

 

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