フィンランドの首都ヘルシンキ市内交通には「電車」「地下鉄」「バス」「トラム」「自転車」「フェリー」「電動スクーター(キックボード)」の7種類があり、市内移動は非常に便利です。
しかし、初めて来た方々にはやはり迷いやすい環境です。
標記があってもフィンランド語がメイン、スウェーデン語がサブで、運が良ければ英語があるという感じなので読めるとは限りません。
グーグルマップをうまく使えば何とかなるかもしれませんが、そもそも標記がない場合も少なくありません。
そういう時に運賃はいくら?どう支払うの?など、結構不安を感じるでしょうね。
今回はあなたの不安を徹底的に解消するため、ヘルシンキ都市圏の交通手段と乗り方をまとめてご紹介します!
※キートスショップ主催ヘルシンキ現地ツアー
ヘルシンキ都市圏内の交通経路検索
グーグルマップで検索
日本の都市圏に住んでいれば専用の乗換案内アプリを使ったりしますが、ヘルシンキでしたら「グーグルマップ」を使えば90%問題ありません。
場所も時刻も距離も90%正確に出ます。
グーグルマップに慣れている方はそのまま使えますので便利です!
ただし、ヘルシンキの金曜日と土曜日は深夜間も運転する終日運転ルートが多くありますので、「最終電車・バス」で調べると正確な案内が出ないかもしれません。
また、ヘルシンキ交通の運航ダイヤは夏季ダイヤと冬季ダイヤで毎年2回変わります。
ちょうどダイヤが変わる時期でグーグルマップがまだアップデートされていない場合、精度が下がる可能性があります。
直接マップを見る方は下記マップをご利用ください。
ヘルシンキ市交通局の公式アプリまたはウェブサイトで検索
英語表記でも大丈夫な方はヘルシンキ交通局の経路検索ウェブサイトをご利用頂けます。
公式ウェブサイトなので、これ以上高い精度を持つ経路検索サービスはありません。(しかもGPS情報などもかなり正確!)
使い勝手はグーグルマップに及びませんが、最近ではアプリが画期的です。
アプリで経路検索ができ、乗車券購入もできますのでとても便利です。(アプリのストアで「HSL」で検索すると簡単に出てきます。登録にSMSを使用するので出発前の登録がお勧めです。)
運賃システム:移動で跨ぐ「ゾーン」で決まる
下記の情報は全てヘルシンキ交通局運送会社(HSL)のウェブサイトによるものです。
2019年4月27日より価格とエリアが改定され、現在ヘルシンキ都市圏内はA・B・C・Dの4つのゾーンが設定されています。
ヘルシンキ市中心地がAゾーンで、外側の郊外に行けばBゾーン、Cゾーンなどがあります。
ヘルシンキヴァンター空港はCゾーンにあります。
運賃は「どのエリアを跨いで移動するか」によって運賃が変わります。
ややこしいので下記の二つの購入プランをご紹介します。
ヘルシンキ短期滞在のチケット購入お薦めプラン
ヘルシンキヴァンター空港はCゾーンにあります。
ヘルシンキ市中心はAゾーンになります。
Bゾーンには観光地がほとんどありません(マリメッコのアウトレットはBゾーンにあります)。
そのため、下記のチケット購入プランをご参考ください。
プラン1:ABCゾーンのデーチケットだけですべて解決
お薦め:ヘルシンキの滞在時間が2日間まで
ABCゾーンのデーチケット(乗り放題チケット)は空港もヘルシンキ市中心全体を含みますので、1回の購入ですべてを片付けられます。
しかし、ヘルシンキ市の観光地がほとんどABゾーン内にあり、Cゾーンにはほとんど行かないので、ヘルシンキ3日間以上の滞在であれば、ABCゾーンのデーチケットは割高になります。
ABCのデーチケット(ABCゾーンの乗り放題チケット)
- 1日券11ユーロ
- 2日券16.5ユーロ
- 3日券22ユーロ
- 4日券27.5ユーロ
- 5日券33ユーロ
(13日券まで購入可能)
プラン2:空港⇔ヘルシンキ市中心はABCゾーン片道チケットで往復し、ヘルシンキ市中心はABゾーンデーチケットを利用
お薦め:ヘルシンキ滞在が3日間以上
空港はCゾーンにあり、ヘルシンキ市中心はAゾーンです。
そのため、初日空港→ヘルシンキ市中心はABCゾーン片道チケットを使用し、最終日ヘルシンキ市中心→空港もABCゾーン片道チケットを使用し、他の日はヘルシンキ市内を含むABゾーンのデーチケット(乗り放題チケット)を利用するプランです。
ヘルシンキに3日間以上に滞在する方にお薦めするプランです。
ABCゾーンの片道チケットは4.1ユーロです。
※HSLアプリ、HSLカード(Suicaのヘルシンキ市内版)、自動券売機から購入する場合は4.1ユーロ。
ABゾーンのデーチケット(ABゾーンの乗り放題チケット)
- 1日券8ユーロ
- 2日券12ユーロ
- 3日券16ユーロ
- 4日券20ユーロ
- 5日券24ユーロ
- 6日券28ユーロ
- 7日券32ユーロ
(13日券まで購入可能)
つまり……
1日内もしくは2日内に空港とヘルシンキ市中心を往復する方はABCゾーンの1日券や2日券を買ったほうが便利ですが、ヘルシンキに3日間以上滞在する方は、ABCゾーンの片道チケットとABゾーンの一日券を買ったほうがお得です。
注意:Aゾーン・Bゾーン・Cゾーンそれぞれのみ、というチケットは購入はできません(そのゾーンだけのチケットという設定がありません)
※ヘルシンキ交通局運送会社(HSL)より引用
【重要!】チケットの購入方法
チケットの購入はHSLアプリ、HSLカード(トラベルカード、関東のSuicaカードのようなもの)、自動券売機、現金など様々な方法がありますが、下記それぞれのメリットと注意事項をまとめております。
また、ヘルシンキ市都市圏を走る電車、地下鉄、バス、トラム、スオメンリンナへのフェリーはすべて同じ運賃システムとなります。
一番お薦めするのはHSLアプリ
なぜチケットの購入にHSLアプリをお薦めするかというと
- ヘルシンキに自動券売機はとても少ない!
- R-Kioski(コンビニ)でもチケット購入できるが、コミュニケーションに不安が残る!
- 携帯とネット通信があればどこでもいつでもすぐにチケット購入できる!
- 運転手からチケットを購入するより料金が安い!
もちろんアプリのダウンロードは無料で、ダウンロードはHSLアプリから。
登録にSMSが届くので、日本を出る前に登録しておきましょう!
電車、地下鉄、バス、トラム、スオメンリンナへのフェリーを乗車する前にアプリでチケットを購入し、そのまま乗車する形で利用します。
- 電車、地下鉄、トラム:改札がないため、そのまま乗車、降車します。
- バス:運転手さんにアプリのチケット画面(輪が回っている画面)を見せて乗車します。降車は何もせず。
【注意!】
- HSLアプリ上でのチケットの購入はVisa/Masterカードのみ使用可能(JCBは使用不可)。
- 購入時はインターネットに接続している必要があります。
- 携帯の電源が切れると購入したチケットを検査員に見せることができなくなるため、携帯の電源を確保する必要があります。
- 電話番号を入力し、SMSを受け取って認証する必要があるため、日本を出る前に設定しておく必要があります。
HSLアプリについて、詳しい情報はこちらの記事をご覧下さい
何回もヘルシンキを訪ねる方、長期滞在の方は「HSLカード」(トラベルカード)を活用
良く来られる方はヘルシンキ版の「Suica/Icoca」である「HSLカード」を入手しましょう!
旅行中にインターネットにアクセスできない場合、もしくは携帯の電源に不安がある場合は、HSLカードを使うほうが一番便利です。運賃はHSLアプリを使うときと同じです。
ABゾーンの運賃は2.8ユーロ(7~17歳のお子さんは 1.4ユーロ)
ABCゾーンの片道チケットは4.1ユーロです。
初回のカード入手にカード自体5ユーロかかります。
乗車する前に一定の金額をチャージしておいて(プリペード)から乗車してチケット購入する形になります。
HSLカードの購入はR-Kioski(コンビニ)や他の提携施設で買えます。
ヘルシンキ中央駅地下一階のHSL窓口でもHSLカードの購入やチャージができます。
HSLの券売機でもHSLカードへのチャージができます。
電車、地下鉄、バス、トラム、スオメンリンナへのフェリーなどすべての乗り物に必ずカードリーダーが設置されています。
そのカードリーダーとHSLカードでチケットを購入して乗車する形になります。
改札はございません。
HSLカードとカードリーダーの使い方について
HSLカードを使って地下鉄、電車、バス、スオメンリンナへのフェリーに乗るとき「カードリーダー」の使い方を説明します。
- 地下鉄:カードリーダーは駅のエスカレーターの前にあります。
- 電車、トラム:カードリーダーは各車両内にドアの近くにあります。
- バス:前のドアから乗車し、ドアの横にあります。
使い方は3ステップ:
(1)エリアを選択:ヘルシンキ内であれば「AB」、ヴァンター空港からヘルシンキ市内であれば「ABC」を押す。
(2)もし複数人のチケットをまとめて購入したい場合、「+人」を押す。
(3)人数を設定する
(4)「OK」ボタンを押す
(5)HSLカードを下のセンサーに当ててチケットを購入します。
HSLカードの残額が一瞬表示されますので、残額が気になる方は確認してください。
どのボタンも押さずにHSLカードをカードリーダーのセンサーに当てると残額を確認できます。また、HSL券売機でも残額を確認できます。
※HSL公式ウェブサイトより引用
現金でチケット購入するのは難しいので要注意!
ご注意ください!
チケットの購入に現金を使うのは非常に不便です。
現金でチケットを購入する方法は下記3種類しかありません。
- 自動券売機から購入(券売機の数が少ない!)
バスの運転手さんから購入(バスは基本的に乗らない!料金が割高!しかも最大20ユーロの札しか受け取らない)※バスで現金を使って乗車券を購入することができなくなりました。- R-Kioski(コンビニ)で購入
※注意!R-Kioskiで購入した片道チケットやデーチケットはカードリーダーにかざすと有効化されます。有効化しないとチケットを買っていないことにみなされます。
有効化された時点から乗り放題の時間が開始します。1日券であれば、有効化した時点から24時間使用可能です。片道チケットでも乗り放題です。詳細は下記をご確認ください。
電車、地下鉄、トラム、バス、スオメンリンナへのフェリーでは現金でチケットの購入ができません!必ず乗車前に購入しておきましょう。乗車後に購入できる方法はありません。
地下鉄と電車は一部の駅に券売機が設置されているので、券売機から購入できます。
券売機はユーロ現金とクレジットカードやデビットカードが使えます。
下記写真の右はヘルシンキ都市圏エリアの券売機で、中央にある緑色のVR券売機は長距離列車のチケットもヘルシンキ都市圏エリアのチケットも買えます。(券売機は英語の表示ができます)
片道チケットは「決まった時間内に乗り放題」のシステム!
デーチケットはもちろん乗り放題システムですが、片道チケット(Single Ticket)も一定時間内に乗り放題というシステムです!
片道チケット(Single Ticket)を買えば、制限時間内であれば電車、地下鉄、バス、トラム、スオメンリンナへのフェリーは乗り放題なのです。
乗車が一度きりのチケットではないので一度目の乗車後に紛失しないよう気をつけましょう。
最後の乗り入れがチケットを買ってから制限時間以内であればOKです。
例えば、制限時間80分の場合、チケットを買ってから50分経った時点でバスに乗って、乗っている間に80分を過ぎてしまっても乗り続けて大丈夫です。
片道チケット(One-way ticket)の乗り放題制限時間
- ABゾーン:80分乗り放題
- ABCゾーン:90分乗り放題
券売機で買ったチケットの乗り放題時間は上記時間プラス10分間です。
乗り放題の残り時間の確認方法
- HSLカード:カードをカードリーダーにかざすと残り時間が表示されます(駅、バス、トラムにはカードリーダーが設置されています)
- HSLアプリ:アプリの画面に残り時間が表示されます。
- 紙チケット:チケットに印字された時間を確認。
補足:ヘルシンキ市交通運賃料金詳細一覧
大人料金(7歳から17歳の子供料金) の順番で表示しています。
空港からヘルシンキ市内までは「ABCゾーン」をまたぐので運賃は4.1(2.1)ユーロです。
ヘルシンキ市内である「ABゾーン」でしたら運賃は2.8(1.4)ユーロです。
※Aゾーンだけのチケットはありません。
補足:歩きたくない人、いっぱい乗りたい人には「デーチケット」(24時間乗り放題チケット)を活用
歩きたくない人には「デーチケット」をお薦めします!
日本のデーチケットは「日付」を単位にしますが、ヘルシンキのデーチケットは24時間を単位にしています。
なので、今日の午前11時に買った1日券は今日だけではなく、明日の午前11時まで使用できます。
デーチケットの料金について、一日目は少し高めですが、二日目以降はただの4ユーロで一日中乗り放題なので非常にお得です。
ABゾーンデーチケットの運賃:
- 1日 8ユーロ(4ユーロ)
- 2日間 12ユーロ(6ユーロ)
- 3日間 16ユーロ(8ユーロ)
- 4日間 20ユーロ(10ユーロ)
- 5日間 24ユーロ(12ユーロ)
- 6日間 28ユーロ(14ユーロ)
- 7日間 32ユーロ(16ユーロ)
別途下記のスオメンリンナ用チケットもあります。
- スオメンリンナ12時間チケット:5ユーロ(2.5ユーロ)
デーチケットは電車の駅や地下鉄駅の券売機、R-Kioski、HSLアプリで購入できます。
- 券売機:購入した時点から有効(紙チケット)。
- R-Kioski:チケット(ICチップ入りの紙チケット)をカードリーダーにかざして有効化してから使用します。
- HSLアプリ:有効のタイミングを「今すぐ」や「時間予約」で設定可能。
使い方
- バス:紙チケットやHSLアプリのチケット画面(輪が回っている画面)を運転手さんに見せましょう!
- トラム、地下鉄や電車は改札がないので、チケットを持ったまま乗車でOKです。
シティーバイク(共有自転車)
ヘルシンキ市のシティーバイクは2016年に始まり、2017年に更に拡大しています。
また2019年には自転車のスタンドの数も更に増えています。
今では夏になると多くの人々の大事な交通手段になっています。
詳細はこちらをご覧ください:
電動スクーター(キックボード)
2019年からヘルシンキ市には電動スクーターも導入されました。
少し割高ですが、1~2キロ程度の短距離移動には非常に便利です。
その他、注意事項など
ヘルシンキの金曜日と土曜日は深夜でも主要路線は深夜運行しています。
2018年より深夜運転(2:00AM~4:30AM)も通常のチケット料金と同じ値段に変更されました。
ランダムでチケットの抜き打ちチェックがあり、検査員が交通機関に乗車して、乗客ひとりひとりのチケットを確認します。
有効なチケットを持っていない場合、80ユーロの罰金を取られるのでチケットは無くさないよう注意してくだい(モバイルアプリの場合はケータイ画面を表示)。
ヘルシンキカード
ヘルシンキ市内または空港までを含んだ交通が使い放題+博物館、美術館など様々な施設が無料または割引になるヘルシンキカードもあります。詳細はこちらの記事を参考にしてください!
是非自分にとってベストのチケットの買い方を探ってみてください~!!
*フィンランド旅行に便利なまとめ情報はこちらで!
参考:【便利まとめ】フィンランド旅行の基本情報〜サウナ情報〜オーロラ情報
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ショップコンセプト
1.フィンランド 北欧というと?
フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。
2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい
「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。
「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。
3.運営に「誠実」と「感謝」
「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop
4.キートスショップの名前
「Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。
キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。
キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら)