5分で読むムーミン小説:ムーミン谷の仲間たち(5)

公開日:2018年3月20日  更新日: 2019年12月28日 関連分類:

静かなのが大好きなヘムレンさんの話の次は「目に見えない子」の話です。

果たしてそれはどのような話でしょう。

 

(6)目に見えない子のニンニ

ある雨が少し降っている暗い日の夕方にムーミン一家はベランダのテーブルを囲んで森から採ったキノコについている土を落としていました。

 

その時、おしゃまさん(トゥーティッキ)がある女の子を連れてムーミン屋敷を訪ねました。

 

ムーミン一家がどう見ても女の子の姿が見えず、おしゃまさんが説明しました。

「この子は『ニンニ』というの。おばさんからひどくいじめられて毎日皮肉を言われ、徐々に自分の姿が見えなくなりました。見えないから世話できないとの言い訳で、そのおばさんはこの子を私へよこしたの」

 

※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

ニンニは姿が見えないだけではなく、口もきかないです。

彼女を確認する唯一の方法はおばさんが彼女の首につけた鈴とそこから発した音だけでした。

 

おしゃまさんは、ニンニがムーミン一家と一緒に生活したら、ニンニも元の姿を取り戻せるのではないかと思い、彼女をムーミン屋敷に連れてきたわけです。

 

これでニンニが暫くムーミン屋敷で生活することになりました。

 

ムーミン屋敷で新しい生活を始めるニンニ

ムーミン一家は姿が見えず、話もしない子には興味津々でしたが、気を使って普段通りの雰囲気で生活していました。

ムーミンママはニンニの部屋や食べ物を準備し、自分のおばあさんが残してくれたお薬手帳を確認し、姿が見えなくなった時に飲む薬の処方箋を見つけ出し、ニンニのためにお薬まで準備しました。

 

このようにやさしくされているうちに、ニンニの足が見えるようになりました

しかし、リトルミイのストレートにきつい言葉を言ったことによってニンニの足の色がまた薄くなってしまいました。

 

※商品ページ:ムーミンエコバッグ:ムーミン谷の彗星(ブラック) / Blue House / フィンランド 北欧

 

その後、ムーミンママは自分の昔の服を取り出し、小さい服に作り替え、余ったきりで大きいなリボンもこしらえました。

翌日その服を着たニンニは首まで見えるようになり、初めて話しました。

「みなさん、いろいろとありがとう」

 

ムーミンとリトルミイはニンニに遊びを教えようとしたが、ニンニはあまり慣れず、うまくいきませんでした。

 

それから時間がたち、ニンニはずっと顔が見えないままでした。

 

※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

ムーミン一家と海辺に行ったニンニに何か起こった!?

ある日ムーミン一家は海辺に出ることになり、ニンニもついていきました。

海辺で色んなことをやったら、ムーミンママは桟橋に腰を掛け、最近面白い事件が何も起こらなかったなと言いました。

 

それを聞いたムーミンパパはちょっといたずらでもやろうと思い、ムーミンママの背後に忍び寄りました。

その瞬間、ニンニが走ってきてムーミンパパのしっぽに噛みついて言い出しました。

「おばさんをこんなに大きくて怖い海に突き落とそうとしたらきかないから!」

 

ムーミンパパは海に転び落ち、足が底について立ち上がったら両耳は泥だらけになりました。

 

見えたよ。見えたよ。とてもかわいい子だよ!」とムーミンが言いました。

 

 

今まで笑ったことがないニンニはムーミンパパの姿を見て笑い出しました。

おしゃまさんはムーミンママに言いました。

あんたがたはあの子をすっかり作り替えちまったようね。ニンニの性格がリトルミイよりも悪くなったわね。でも、肝心なのは、もちろん、あの子が見えるようになったってことだわ

 

「それはみんな、おばあちゃんのおかげですよ」とムーミンママは言いました。

 

※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

 

(7)ニョロニョロの秘密(ムーミンパパと)

ある日、ムーミンパパは突然家を出ていきました。何の前兆もなしに。

ムーミンママはムーミンパパが必ず帰ってくると信じて家で待っていました。

 

その日よりも少し前のことだが、ムーミン一家はある海辺にピックニックに行きました。

帰りに岬のほうから白い船が出てくるのが見え、ヘムレンさんがそれはニョロニョロだよと言っていました。

その日からどうしようもない憧れと憂鬱がムーミンパパを襲ったのでした。

 

※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

ムーミンパパはずっと西に歩き、海辺に着きました。

何もないと思ったら1そうの小さい白いボードがゆっくり岸に沿って進んできたのです。

ボードには3人のニョロニョロがいました。

 

ムーミンパパとニョロニョロ達の旅

ムーミンパパは話をかけてみたが、ニョロニョロは手を振るだけで何も返事しませんでした。

ムーミンパパは昔にニョロニョロはそんなに危険な生き物ではないと昔に聞いたことがあり、船に這い上がり、ニョロニョロと一緒に海に出ました。

 

ボードの上でムーミンパパはずっとニョロニョロに声をかけていたが、返事がないので途中でやめてニョロニョロと同じようにずっと遠い水平線を見ることにしました。

 

夜にとても小さくて険しい島に着きました……

 

続く。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

ムーミン童話小説全8巻もいよいよ6巻目になります。(別巻も入れると、7巻目になります)9つのミニストリーをご紹介していきます。和訳のタイトルはムーミン谷の様々な人々を…...続きを読む


9つのミニストリーをご紹介しているダイジェスト版ムーミン谷の仲間たち。2つめのストーリーの:ぞっとする話(ホムサの想像の世界とリトルミイ)の続きと3つめのストーリー:こ…...続きを読む


9つのミニストリーをご紹介しているダイジェスト版ムーミン谷の仲間たち。3つめのストーリー:この世の終わりに怯えるフィリフヨンカの続きと、4つめのストーリーである世界で一…...続きを読む


9つのミニストリーをご紹介しているダイジェスト版ムーミン谷の仲間たち。ムーミン小説/童話『ムーミン谷の仲間たち』の中にある9個の小物語の5個目の物語はあるヘムレンさん…...続きを読む


9つのミニストリーをご紹介しているダイジェスト版ムーミン谷の仲間たち。6つ目のストーリーは「目に見えない子」の話です。その子の名前はニンニで、ニンニは姿が見えないだけ…...続きを読む


ダイジェスト版、ムーミン谷の仲間たちも7つ目のストーリーに突入です。「ニョロニョロの秘密(ムーミンパパと)」の続きと8つ目のストーリーである「スニフとセドリックのこと…...続きを読む


ムーミン谷の仲間たち、ダイジェスト版もこれで最後となります。8つ目のストーリーである「スニフとセドリックのこと」の続きと、9つ目、最後になる「もみの木(とムーミン一家の…...続きを読む


全部9作あるムーミンの小説童話のダイジェスト版作成はいよいよ最後の2冊となりました。今回は『ムーミンパパ海へいく』のダイジェストバージョンをご紹介します。果たしてムー…...続きを読む

 

関連記事

ムーミン谷の十一月、ダイジェスト版もいよいよ最後になりました。ご先祖様としゃべりたくてスクルッタおじいさんなどみんなそれぞれ自分の思うような時を過ごしていました。スナ…...続きを読む
ムーミン小説・童話の第三作(別巻入れると第四作)は『ムーミンパパの思い出』です。この話は、ムーミン一家がムーミン谷に住み着いてから、ムーミンパパは自分の若い時の冒険を…...続きを読む
9つのミニストリーをご紹介しているダイジェスト版ムーミン谷の仲間たち。ムーミン小説/童話『ムーミン谷の仲間たち』の中にある9個の小物語の5個目の物語はあるヘムレンさん…...続きを読む
9つのミニストリーをご紹介しているダイジェスト版ムーミン谷の仲間たち。6つ目のストーリーは「目に見えない子」の話です。その子の名前はニンニで、ニンニは姿が見えないだけ…...続きを読む
ダイジェスト、ムーミンパパの思い出第二弾です。家を建てようとしたこと、あきらめたことを自分の最初の大きな経験として数えたムーミンパパは小川に沿って進みました。ムーミン…...続きを読む
たのしいムーミン一家ダイジェスト記事もこれで最後になります。ムーミン谷は夏の終わりを迎え、8月末になりました......トフスランとビフスランのスーツケースの中に何が入って…...続きを読む

お薦めムーミングッズ

かわいいムーミンが色々な形で登場します!是非参考にご覧ください。


記事が見つかりません


記事が見つかりません


記事が見つかりません




記事が見つかりません



ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら