5分で読むムーミン小説:ムーミン谷の夏祭り(5)

公開日:2018年2月8日  更新日: 2019年11月30日 関連分類:

スナフキンが子供たちを劇場に連れて行く途中に、子供たちから何とスナフキンにプレゼントがありました!

 

子供たちみんなが頑張って刺繍した煙草入れでした。(ちなみに、それはフィリフヨンカの古い帽子の一つだったのです。そして、リトルミイのアイディアでした)

スナフキンは喜んで子供たちに一人一人に握手して礼を言いました。

 

※絵は原作書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の夏まつり』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、下村隆一/訳、1990年発行

 

開演!!

ボートが舞台の前に滑り込み、入場料を豆で払うと、幕が開けました。

岩山の風景が目に入り、舞台の右にミムラ姉さんが座っていました。

 

リトルミイが「あれが私の姉さんだよ」と言ってスナフキンがお互いに何らかの関係で繋がっていると感じました。

 

芝居が始まりました。

ムーミンパパがミムラ姉さんに怒ったり、ムーミンママが出てきたり、ライオンがミムラ姉さんを追いかけたりしていました。

 

リトルミイはライオンがお姉さんを追いかけているのを見て舞台に上ってライオンの後ろ脚を噛みつきました。

ミムラ姉さんがリトルミイに気づくとリトルミイの鼻にキスしました。

 

 

 

 

再会!!

最初は芝居でしたが、みんなの再会で芝居でなくなり、普通にコーヒーを入れようとしていました。

 

スナフキンが子供たちを舞台へ抱き上げ、ムーミンママにお世話を頼んでいました。

 

観客はちっともおかしく感じず、逆に芝居がうまくなったと思いました。

 

ムーミンパパは大成功を喜んで顔を輝かせていました。ミーサはミーサで仕上げの練習の時とそっくりに、幸せでした。

 

突然、ムーミンママがブダイの真ん中で足を止めたと思うと、コーヒー茶碗を床へ落として呟きました。

「あの子が、来るわ!」

「ママ!パパ!僕、帰ってきたよ!」とムーミンが叫びました。

 

 

危機と感動

その声に気づいた牢屋見張りのヘムルはムーミンを捕まえようとしました。

とその時、スナフキンはヘムルに向かって「立て札を引き抜いたのは私だ」と言い出しました。

 

ヘムルはスナフキンに近づき、取り押さえようとするときに、突然回り舞台がものすごいスピードで回りだしました。

舞台にいる人々は倒れ、小さな子供たちは振り落とされ、何人もがヘムルに飛びつき、ヘムルの服にしがみつきました。

 

スナフキンはすぐに隣の空いているボートに飛び移りましたが、その時ムーミンたちのボートは波のうねりを食らって転覆しました。

スノークのお嬢さん、フィリフヨンカと小さなヘムルは舞台に向かって泳ぎだしましたが、ムーミンはスナフキンの船に向かって泳ぎました。

 

観客たちはすべてが芝居と思い、大喜びでした。

ムーミンの手がスナフキンのボートに掴むと言いました。

 

「やあ!君に会えてうれしくてたまらないよ!」

「やあ!久しぶり!ボートの中へ、入れよ。どうやってあのお巡りさんをまいてしまうか、見せてやるぞ!」をスナフキンは返事しました。

 

※絵は原作書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の夏まつり』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、下村隆一/訳、1990年発行

 

脱出!!

ムーミンはボートに這い上がり、スナフキンはもみの木湾の入口へ漕ぎ始めました。

 

お巡りさんのヘムルはようやく森の子たちと喜んで花を投げかけてくる観客から離れ、スナフキンを追いかけました。

 

「お前も、やってきおったのか。けども、劇場がいつも気楽な稼業だと思うでないぞ!」とエンマがずぶぬれになったフィリフヨンカを見つけてゆっくりと言いました。

 

続く。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の夏まつり』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、下村隆一/訳、1990年発行

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