5分で読むムーミン小説:ムーミン谷の仲間たち(2)

公開日:2018年3月2日  更新日: 2020年01月01日 関連分類:

家を出たホムサは敵も泥蛇も幽霊馬車もすべて本当だと信じていました。

彼は南極を発見した沼地に戻り、沼地のずっと向こうに明かりが一つともっていることに気づきました。

 

それは丸い家でした。

ホムサはドアを何回も叩いたが誰も出てこなかったので、ドアを開けて中に入りました。

 

大きいな洋服クロゼットの上からリトルミイがこちらをじっと見降ろしていました。

 

※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

ホムサは言い出しました。

「危機一髪だぜ!僕は泥蛇と生きるキノコから助かったぜ!」

 

「その生きるキノコはドアの前まで来てるぜ!高いクロゼットの上にいるのが唯一助かる方法だ」とリトルミイが言いました。

 

「そんなのウソだ!生きろキノコなんて僕が今朝に考え出したものだ」とホムサが言ったが、リトルミイは返しました。

「早く絨毯を丸めてドアの下の隙間を塞げて!それで生きるキノコが入るのを防げるわ。たぶん」

 

ホムサは泣き出してクロゼットの上に上がろうとしたが、登れませんでした。

泣きながら絨毯を丸め始めました。

 

その時家の奥からリトルミイのおばさんが出てきました。

「ドアの前に誰が来てるよ。あら、あなたたちはどうしても静かに眠らせてくれないのね」

 

ホムサは怖がって椅子の下に潜りました。

 

 

ドアからホムサのお父さんが入ってきました。

ホムサのお父さんは謝りながらホムサを連れて帰りました。

 

ホムサはリトルミイの顔もおばさんの顔も見ずに出ていきました。

帰り道にお父さんに言いました。

「あの女の子はひどいよ。私を騙したよ!いっぱいウソを並べてさ」

 

 

(3)この世の終わりに怯えるフィリフヨンカ

ある天気がとてもいい日にフィリフヨンカは浜で大きいな絨毯を洗っていました。

 

あまりにもいい天気で穏やかすぎで、どうにも変でした。

彼女はそれを知っていました。水平線の下のほうに黒々とした恐ろしいものがこちらへ近づいて来るのでした。

 

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5時にガフサ夫人との約束があるので、彼女は家に走って帰りました。

 

フィリフヨンカの家は自分のおばあさんが若い時に住んでいたあるヘムルが持っている家です。

しかし、あとから分かったが、おばあさんは実に別の家に住んでいました。しかし、引っ越しが決まっていたので変えられなかったです。

 

家はどうにも自分に合いません。

周りに森も花もなく、灌木しかありません。

 

ガフサ夫人が来るので、家にある家具を並び替えてみたが、どうにも格好がつきませんでした。

テーブルに茶道具を並んだが、花瓶に似合う花が家の周りからなかなか見つけられませんでした。

 

と、その時、ガフサ夫人が来ました。

フィリフヨンカは今日のいい天気、周りの綺麗な大自然の話をしながらガフサ夫人を迎え入れました。

 

二人はお世辞の言葉を暫く交わしたら沈黙に沈みました。

 

※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

フィリフヨンカは言い出しました。

「この穏やかさは普通じゃないわね。何か恐ろしいことが起こるよ。我々はとても小さくて取るに足りない生き物ですわ」

「そのものに対しては、許しを求めることもできないし、議論するわけにもいかないのよ。ずっと遠くの道の上や遠くの海のほうに。そしてだんだん大きくなってくるけど、目に見えるようになった時にはもう手遅れなの」と続けました。

 

ガフサ夫人は来たことを後悔し、帰ろうとしました。

「お茶有難うございます。楽しかったわ。あまり時間がなくて残念でしたけど、そろそろおいとましなくては」

 

フィリフヨンカは災難のことをたくさん言いましたが、ガフサ夫人が関係なさそうな言葉で返して家に帰りました。

「奥様は、酢をお使いになったことがありまして?すすぐ時の水にほんの少し酢をお入れになると色がとてもよく持ちますわよ」

 

その後、外が徐々に暗くなり、煙突から風がうなりはじめ、ヘムルさんが外壁にかけた魚獲る網が壁にぶつかり初めました。

 

ごく僅かですが、家が揺れていました。風がビュービューと吹き付けてきました。

屋根の瓦が一枚ずるずると滑って落ちました。

 

寝室があまりにも広すぎで安全と思えないので物置に隠れました。

彼女の想像では、波が真っ白い大きいな竜になり、吠えている竜巻となって彼女を目掛けて突進してくるのでした。

 

 

怖い思いのほか、フィリフヨンカには少し誇りも感じました。

こんな災難は私以外の誰も経験したことないでしょうと。

 

夜中に煙突が吹き倒され、台所に砕け落ちました。

風が家の中に吹き込まれ、家にある全てのものは命が吹き込まれたようにバタバタ、ガチャガチャ動きました。

 

彼女は部屋の真ん中に立ってぼーっとしました。

その時、窓が吹き飛ばされ、ガラスが小さい破片になって床一面に飛び散りました

 

フィリフヨンカは窓のところに走って外に飛び出しました。

 

続く。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

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