フィンランドの美味しい料理の一つにサーモンスープがあります。
しかし、ひとことに「サーモン」と言っても実はフィンランドでも幅は広く、フィンランド人でもその種類が曖昧である人も少なくはありません。
今回は、フィンランドのサーモンの種類、そしてフィンランドで流通している魚のことやフィンランド国内の魚事情について書いていきます。
フィンランドの代表するサーモン、ニジマス、アトランティックサーモン、これらの違いがあなたは分かりますか?
フィンランドの魚のほとんどは輸入されたものだった!
フィンランド人が消費する魚の大部分はフィンランド国外からのものです。
Pro Kala ryからの情報では、フィンランドで食べられている魚の80%が輸入されていると言います。
価格にすると、フィンランドから輸出される魚よりも、平均100万ユーロ(日本円で1億4000万円!)多い魚が毎日フィンランドに輸入されているのです。
※1ユーロ=140円で計算
しかし、フィンランドの多くの消費者は国内産の魚の購入を望んでいます。
が、実際のところは自分の財布と相談しながら魚の価格を見て買い物カゴに入れられるのでそれら全ての人々が国産の魚を購入するわけではない、というのが現状です。
消費者は店でどんなものが提供されているかに従って行動します。
例えば、ノルウェー産の魚が国内産の魚より安いなら、安い方を買うのも不思議ではありません。
このことについては、2020年5月にKalaneuvos Oyが調査した結果からも明らかでした。
1200人以上のフィンランド人からの回答では、価格が購入決定の最大の要素ということだったのです。
フィンランドのサーモンはノルウェー産がかなり多く出回っている
2020年のコロナ危機、フィンランドでは食品料店での魚の販売を増加させました。
その最大の理由の1つは、春に発生したノルウェー産サーモンの過剰供給で価格が暴落したことです。
ノルウェーのサーモンに加えて、今年のノルウェーのニジマスは通常よりも明らかに大量に市場に出回っています。
これは金利危機により世界の売上高が減少したためです。
フィンランド産!いやノルウェー産だ!!と目くじら立てる必要はない
フィンランド国産の魚は常に同じような過程での流通、数や品質での入手はできません。
時期によって価格が大きく変わってくることはよくある話。
なぜならフィンランド国産の魚は、特に野生魚が不足している可能性があるためです。更には漁師の数も減少しています。
それに比べ、ノルウェーの魚だと均等に入手でき安価であるため「消費者へ提供する・消費者が購入する」というプロセスに至りやすいということ。
「でも、フィンランド国内でも養殖だとそんなに大差ないのでは?」と、思われるでしょう?
しかしこれもまた、フィンランドで養殖される魚の数は過去30年間で
2000万kgから1200〜1400万kgにまで減少しています。
その中でも特にひどいのがニジマスです。
結果、やっぱり養殖のものであってもノルウェーの魚の方が安いため、ノルウェー産の魚の消費量は増加します。
だからと言って、フィンランド国産の魚市場がギスギスし始めているのかというとそうでもありませんでした。
むしろ、輸入魚があるからこそ広い意味で魚に関わる全てをサポートしていると言います。
それは、国産魚の生産や生息する魚の数のことだけではありません。
もっと大事なのは人が摂取する魚の栄養面です。
人々が魚を口にする機会が増えれば国産でも輸入でもいい
日本は島国なので魚は豊富にあり、食卓で目にすることはなんら日常的です。
しかし、北欧フィンランドは塩分のとても低いバルト海と淡水の湖ぐらいで、日本と比べると魚の数はびっくりするほどの差で種類も少ないのです。
参考:バルト海の塩分濃度・フィンランド人はマットを海で洗う?!
最近になってやっとのことで日本の世間で有名になってきた「オメガ3脂肪酸」という栄養素。
これは青魚の脂肪分に多く含まれる身体に良い要素ですが、
フィンランドではこのオメガ3脂肪酸のサプリメントの種類がとても多く、昔からスーパーや薬局で売られているものです。
それほどまでに魚を口にするという機会が日本と比べると非常に少ない国。
非常に安いノルウェーのニジマスは、もちろん、フィンランドの養魚場にとって問題です。
しかし、国産であろうが、近所のノルウェー産であろうが、フィンランドでの魚の消費量を増加させることの方が重要視されています。
フィンランド国内の魚消費量、まだまだもっと増えれば良いと改善する方法の一つとして、
職場や学校、幼稚園などの食事提供メニューでの使用を増やすことが挙げられています。
最近ではフィンランドでも若い人からお年寄りまでタンパク質の重要性が再度注目されてくるようになりました。
しかし一般的に「タンパク質=肉」と考え思いつく人はまだ多く、魚の役割はしばしば見過ごされているのが現状です。
Pro Kala ryのアンケート調査では、消費者調査によると70%以上の消費者が健康のために魚を食べると答えていますが、、、
これが本当なのか一部だけの回答なのかは定かではありません。
サーモン、ニジマス、アトランティックサーモン?フィンランド語では??
フィンランドの大型スーパーにはお魚がカウンター越しに売られていることが多く、「サーモンを300gくださいな」なんて注文したりするようなやりとりが交わされます。
しかし、時々このお魚カウンターでは売り手と買い手の間で混乱を引き起こす場面があるそう。
そう、何がサーモンで何がニジマス?こんな知識の違いが元であることがほとんど。
日本人旅行者に好まれるフィンランド料理「サーモンスープ」だって、どのサーモンなのか分からずに口にしている人も多いかと思いますので、曖昧な知識を一旦整理してみましょう。
大きく分けるとフィンランドではこの3つの種類が主流になってきます。
- Lohi(ロヒ):サーモン(日本ではタイセイヨウサケと同じにされることが多い)
- Merilohi(メリロヒ):タイセイヨウサケ/アトランティックサーモン
- Kirjolohi(キルヨロヒ):ニジマス/レインボートラウト(レインボーサーモン)
では次にこれら3つの魚の違いをみていくことにしましょう。
- Kirjolohi(キルヨロヒ)とLohi(ロヒ)は二つの異なる魚種です。
- Kirjolohi(キルヨロヒ)は太平洋に生息し、Lohi(ロヒ)は北大西洋に生息します。
- Kirjolohi(キルヨロヒ)は小さく、Lohi(ロヒ)は大きいです。
- Kirjolohi(キルヨロヒ)は特に側面がカラフルです。
- Lohi(ロヒ)の身はKirjolohi(キルヨロヒ)より脂がのっています。
- Kirjolohi(キルヨロヒ)はLohi(ロヒ)よりも多くのタンパク質を持っています。
- Kirjolohi(キルヨロヒ)の身は少し固めのことが多いです。
- Kirjolohi(キルヨロヒ)はフィンランドで最も重要な養殖魚であり、フィンランドで群を抜いて最も食べられている魚です。
- 一方、養殖のLohi(ロヒ)は、特にノルウェーからフィンランドに大量に輸入されています。
- 養殖のLohi(ロヒ)は一般にMerilohi(メリロヒ)と呼ばれ、養殖ものにもかかわらず天然のLohi(ロヒ)のように聞こえ感じます。
- Merilohi(メリロヒ)の名前で販売されている魚は、ほとんど常にノルウェーの輸入Lohi(ロヒ)です。
フィンランドのお魚屋さんで表示されている魚の名前やレストランのメニューに書かれてある説明書きをよく目を凝らして見てみてください。
それが、どんな魚なのか?脂がのっている方はどちらの魚なのかなどが分かりますよ。
日本ではサーモンという種類の仲間にニジマスがいますが、フィンランドではまた別ということです。
日本での鮭やサーモンなどの違いとフィンランドの違いの認識はちょっと違うかもしれません。
国が違うと主に流通する魚の種類も違ってくるので、微妙な違いが生じるのはしょうがないことです。
日本ではどのように種類が異なるのかご存知ですか?もし、よく分からないならばこの際、知っておくと良いですよ。
参考:サーモンとシャケ(鮭)とニジマス(鱒)の違いと北欧のサーモン
フィンランドの魚事情、いかがでしたか?
フィンランド語はやっぱり難しい??
日本の「シャケ(鮭)」はフィンランドではKoiralohi(コイラロヒ)と言われ、直訳すると「犬サーモン」というちょっぴり面白い名前でしょう?
ちなみに、サーモンスープはフィンランド語で「ロヒケイット」と言いますので旅行の際には覚えておいてくださいね。とっても美味しいですよ。
情報・引用:Ilta-Sanomat -Lohi, merilohi vai kirjolohi? Nämä ovat kalatiskin nimitysten selkeimmät erot
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