5分で読むムーミン小説:ムーミン谷の冬(3)

公開日:2018年2月16日  更新日:2019年11月30日  関連分類:

突然の声「よけろ!そこをどけっ!」に反応できず、何かのものがムーミンにぶつかりました。

ムーミンは雪に埋まり、笑い声を聞こえました。

 

冬のムーミン谷で再開するリトルミイとムーミン

それはおしゃまさんの笑う声でしたが、もう一つの笑う声が聞こえました。

リトルミイだ!

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

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銀のお盆が横にあり、リトルミイが雪の中に座っていました。卵入れの袋に頭を差し込み、両手を突き出し穴をあけて、卵入れの袋をセーター代わりにしました。

(ムーミン屋敷から消えた銀のお盆と卵入れの袋はリトルミイに取られたのですね)

 

ムーミンは興奮してこの冬で出会ったことをリトルミイに伝えようとしました。

しかし、リトルミイは冬の遊びや橇にしか興味なく、お盆にろうを塗ったり、帆をつけたりするなどどうやってもっと雪の上で楽しく滑れるかを考えていました。

 

ムーミン谷に氷姫の来訪

おしゃまさんが横まで来て言いました。

「今晩は家にいてね。氷姫様が来るから。」

理解したリトルミイは銀のお盆に乗って滑っていきました。

 

おしゃまさんはムーミン谷に道を取り、途中で「素晴らしい尻尾を持った子リス」に出会い、彼にも警告しました。

その後、ムーミン屋敷に行ってムーミンにも同じ警告を伝えました。

 

 

「氷姫ってどんな人?」とムーミンが聞きました。

「とてもきれいな女の人だが、顔を見ると凍り付いてしまうよ。そのため夜は外に出たらだめよ」と説明を加えました。

 

ムーミンは地下室のストーブに泥炭を詰め込み、眠っている家族に毛布を掛け、外に出ました。

水浴び小屋に着いたときにすでに空は緑色に近づいていました。

 

「もうじきね。でも心配しなくてもいいわ」とおしゃまさん(トゥーティッキ)が言いました。

もう少ししたらリトルミイもお盆に乗ってきました。

 

外はすっかり緑色になり、世界中がまるでガラスでできているように見えました。

 

凍った海の遠くのほうから氷姫が近づいてきました。

みんながストーブを囲んで座っていました。

「外を見ちゃダメ」とおしゃまさんが言いました。

 

氷姫は水浴び小屋のそばを通りかかり、氷のように冷たいものが部屋を通り抜けて真っ赤に燃えているストーブまで一瞬さあっと暗くなりました。

 

※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

氷姫は足を止め、雪の上にかがみこんでいました。

「あれ、リスくんだわ。あの人、家にいるのを忘れてしまったのね」とおしゃまさんが言いました。

氷姫の顔を見た子リスは凍り付いて四本の手足を空に上げたままそこに転がりました。

 

子リスの死とムーミン、リトルミイ、トゥーティッキによって開催した悲しい葬式

氷姫がさらに進んだ後に、おしゃまさんは気を付けて子リスを拾い戻し、ムーミンは子リスを自分の水着で包み、子リスの葬式をやろうとしました。

 

3人はムーミン屋敷に行き、ムーミンは家から黒いリボンを探し出し、白い馬の前に置いた子リスのしっぽに付けました。

地面に穴を掘ってお墓を作ろうと思ったが、凍り付いた地面が硬くて1センチも掘れませんでした。

 

 

 

 

ムーミンががっかりして悲しんでいるときに白い馬は動き出しました。

白い馬は子リスを嗅ぎまわし、背中に乗せて走り出しました。

気が付いたら地平線の向こうまで行きました。

「お葬式はこれでよかったんだろうか?」とムーミンが言いました。

「これ以上何もできないわ」とおしゃまさんが言いました。

 

リトルミイには楽しい感情と怒る感情しかないので、ちっとも悲しみを感じませんでした。

 

静かなムーミン谷に開かれた賑やかな冬祭り

ある日、ムーミンは家の泥炭が盗まれていることに気づき、足跡についていくと山のところに泥炭が山のように積み重ねられていて、その上にムーミン屋敷の古いベンチも載せられています。

後ろからおしゃまさんが姿を現し、冬の歌を歌いました。

 

ムーミンは寒くて寂しい冬の歌を聞きたくなかったです。その気持ちをおしゃまさんに伝えると、こういわれました。

「だからこそ、今晩冬の大かがり火を燃やすんじゃないの?」

「あなたのお日様は明日帰ってくるはずよ」と。

 

 

リトルミイも破れた段ボールを引きずってきました。

ムーミンが燃やし始める時間を聞いたら、おしゃまさんが答えました。

「お月様が昇ったらよ」

 

ムーミンが家に戻って待つ間にムーミン谷はオーロラの光でほんのりと照らされていました。

(ムーミン谷はかなり北の高緯度エリアにあるのですね)

 

ムーミンは石油ランプを持って山へ向かいました。

庭も森もぼんやりした光とざわざわいう話声であふれています。

足跡という足跡は山のほうへ山のほうへと続いていました。

 

山に着いたその時……

 

続く。

 

※参考書籍:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

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