コケモモ(苔桃)又の名をリンゴンベリー。
赤い実が可愛らしいちょっと甘酸っぱいこのベリーはフィンランドの夏〜秋にかけて森ではギッシリと実ります。
有名なのはフィンランドのベリー摘み世界選手権。テレビでもご覧になってご存知の方は多いことでしょう。
このベリー摘み世界選手権で対象となっているベリーがコケモモ/リンゴンベリーなのです。
今回はこのコケモモ/リンゴンベリーの健康効果、そしてフィンランドではどんな存在のベリーなのかをご紹介します。
フィンランドでコケモモ(リンゴンベリー)はどんな存在なの?
さてこのコケモモですが、フィンランドでは収穫期に森でたくさん採って冬にも食べれるように保存しておく家庭が非常に多いベリーです。
ジャムにして食べられることが非常に多く、
みなさんが想像するようなとっても甘いジャムの方ではなく、コケモモの酸っぱさを上手く活かしたジャムとして使用されます。
どちらかというとソースのように使用され、代表的な例ではトナカイのソテーとマッシュポテトの横に添えられることは必須です。
参考:フィンランドの料理・トナカイ肉のソテーもどきを日本の台所で作るレシピ!
コケモモのジャムソースの他にも、フィンランドではパイケーキやジュースであったり、更にはフレッシュな実を爽やかなドリンクに入れられることも多いコケモモ。
何かと食卓やレストラン、カフェなどで多く登場するフィンランドにはなくてはならない存在のベリーなのです。
コケモモ(リンゴンベリー)の健康効果4つ
北極圏の極寒の気温マイナス40℃でも耐えれる強さがあり、そんな環境で育ったコケモモには人の身体に良い成分がたくさん含まれています。
冒頭でフィンランドでは冬の収穫期以外にも食べれるように冷凍保存しておくと書きました。
その価値は美味しさだけではなく、ちゃんと健康効果もあるからなのです。
1)高血圧に効果的
フィンランドの研究では、コケモモ/リンゴンベリーのジュースを定期的かつ長期的に摂取することで高血圧を下げ、血管機能を改善できることがわかっています。
研究によると、濃度の薄いジュースであっても高血圧の数値を大幅に下げたと報告されており、体内の軽度の炎症を軽減できるという事実によって高圧効果が説明されています。
血圧上昇にはレニン-アンジオテンシンというものが関与するのですが、これと局所的に一酸化窒素を拡張するメカニズムによって血圧が低下する可能性がコケモモにはあり、これは血圧の調整における重要な要素なのです。
2)抗酸化物質がたくさん
コケモモ/リンゴンベリーにはミネラルの中でも特にマンガンを含んでいます。
更に、抗酸化物質として機能する、つまり細胞の酸化を防ぐフラボノールがたくさん含まれています。
フラボノールとは、ポリフェノールの一種であるフラボノイドの一群です。
疫学研究によって、ポリフェノールが豊富な食品は心血管疾患のリスクを軽減することがわかっていますが、このポリフェノールは腸内細菌にプラスの効果があることもわかっているフェノール化合物。
動物実験により、コケモモは腸内細菌群にプラスの影響を与えることがわかっており、慢性疾患のリスクを減らす効果があります。
ちなみに、研究ではベリーには抗癌効果があることがわかっています。これはコケモモだけでなくブルーベリーやブラックカラントなどにも多く含まれいるもの。
3)内臓脂肪を防ぐ
コケモモには肥満や脂肪の多い食事によって引き起こされる有害な内臓脂肪を防ぐ特性があります。
フィンランドのタンペレ大学で行われた研究によると、コケモモ/リンゴンベリーは軽度の炎症や糖と脂肪の代謝の有害な変化を防ぐことで、肥満の欠点を逆転させることができると報告されています。
肥満は体内に炎症を引き起こします。肥満が発症すると、脂肪組織が拡張し、炎症誘発性化合物が体内に分泌されます。
これは2型糖尿病と心血管疾患の素因となるもの。
マウス実験では、コケモモの成分は血中コレステロール、グルコース、インスリンの上昇、ならびに軽度の炎症の発症を予防しました。
更に、コケモモを摂取したマウスは、脂肪分の多い飼料を摂取したマウスより25%体重が減少し、有害な内臓脂肪のレベルが低下したと報告されています。
みなさんご存知のように人間では、肥満に伴う内臓脂肪は特に有害ということはご存知のはず。
4)尿失禁に効果的
コケモモには、大腸菌の尿路粘膜への付着を阻害することが示されている化合物が含まれています。
実際、それらの摂取は再発性尿路感染症の予防に役立つ可能性があります。
医学雑誌によると、効果的な抗感染用量は、朝と夕方に200cc(1カップ)の新鮮なリンゴンベリージュース、または1日に30ccの原液で作られたジュースを2回が効果的とのこと。
コケモモ、1日にどれくらい食べれば身体に良いのか?
ジュースにしないと意味がないのか??
いえいえ、そうではありません。
健康の観点からすると、食事の一部としてベリーを色々な方法で食べるのは良いことだとフィンランドでは言われています。
ベリーの推奨摂取量は1日あたり100g。
また、コケモモを食べすぎたからといって人体に悪い影響を与えることはありません。
一部の自然界からの食べ物は摂取しすぎると肝臓などに有害な影響を与える可能性があると言われているものがいくつか存在します。
例えば、グレープフルーツジュースは体内の一部の薬物のレベルに影響を与える可能性があると言われているのはフィンランドではよく知られていること。
しかし、コケモモはたくさん摂取しすぎてもマウス実験でそのような影響は観測されませんでしたでの、たくさん食べても悪影響はないのです。
フレッシュなもの、ドライにしたもの、冷凍にしたもの、これら全てのコケモモ/リンゴンベリーから同等の利点を得られます。
フィンランドには色々なベリーがありますが、森でよく目にする赤い実といえば殆どがこのコケモモ/リンゴンベリーです。
赤くて見た目も可愛らしいベリー、散歩しながら摘んで食べたりもできるほど森一面に実ところも珍しくはありません。
日本ではそこまでよく目にすることはありませんが、スーパーや森で出くわすことがあればぜひ味わってみてください。
ちょっぴり酸っぱくてリンゴを濃縮したような味ですよ。
情報・参考:Iltalehti -Menossa huikea puolukkasato! Nämä 4 terveysvaikutusta marjasta saat
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