そういえば、来週の週末に今年のサマータイムが終わります。。。暗闇の冬が再び来てしまいました。。。
最近のビックニュースは、ヨーロッパやフィンランドですでに長年実施されてきたサマータイム制度が終わります!?
どうやらそのようです。
そもそもなぜサマータイムが実施されるようになったでしょうか?
なぜ今更サマータイムを廃止するのでしょうか?
サマータイムの廃止でどのような影響があるのでしょうか?
たかが1時間が前後するだけですが、なぜ変えようとしているでしょうか。
それぞれの部分をご紹介していきたいと思います。
そもそもなぜサマータイムが導入されたのでしょうか
サマータイムという制度は、夏季に時計の時間を1時間遅らせることで日の出と日の入りの時間を1時間遅らせることです。
夏季に日光時間が長いため、日の出を1時間遅らせても早朝にはすでに日が出ているし、日の入りの時間を1時間遅らせることで、室外の活動時間が伸びます。
当初サマータイムの導入はエネルギーの節約が主な目的だったそうです。
特に一次や二次世界大戦やオイルショックなどの時には燃料物資もエネルギー供給も不足していたので、日光を活用してエネルギーの利用を抑える必要性があったからです。
他に、夏季の日照時間を活用することで、経済の活性化や休暇の充実などのメリットもあると言われています。
じゃ、なぜ今更サマータイムを廃止するのでしょうか?
そもそも、本来サマータイムを導入する最大な理由である「エネルギー節約」が現在になって意味がとても薄まってしまったのが廃止に繋がった重要な一因です。
戦争の時代には少しでもエネルギーを節約しなければいけないですが、今の時代では1時間の日照時間の変化は社会全体のエネルギー節約にほとんど寄与しなくなってきました。
また、毎年2回も時間を変えないといけない経済的なコストも高いとされてきました。
例えば、EUと他の国を跨ぐ企業であれば、毎年2回時差の変化に注意喚起が必要ですし、時差の変化を忘れて起きてしまうミスや問題もコストを増やします。
特に企業のグローバル化によってこのような問題がどんどん大きくなってきています。
※電子システムやインターネットシステムはすでにサマータイムの時間調整が組み込まれており、自動的に変更されます。
更に、毎年2回の時間調整によって起きる健康問題も指摘されてきました。
研究によると、サマータイムによる時間調整直後の数日間内に心臓病の発生率が明らかに上がります。
このようにメリットとデメリットをヨーロッパの市民が感じながら、メリットよりデメリットのほうが大きいのではないかと、廃止の声がどんどん高まってきました。
実際に欧州委員会が2018年に行った公共意見徴収では史上最大の反響を呼び、延べ460万人がこの議題に対し反応していました。そのうち84%の市民はサマータイムの廃止を支持しています。
EUでサマータイムの廃止に関する具体的な内容とは?
EUの政策実行機関である欧州委員会が2018年9月12日に発表したプレスリリースで提案されたのは2019年にEU内でサマータイムの廃止です。
強制的にサマータイムによる時間の調整は2019年3月31日(冬季時間から夏季時間へ移行する日)が最後となります。
その後、EU加盟国はそれぞれ自分の政策方針により、そのまま永遠にサマータイムにするか、2019年10月27日に冬時間に変わってから永遠に冬時間にするかになります。
EU加盟国の時間をサマータイムにするか、冬時間にするかを2019年の4月までに決め、欧州委員会に報告することになります。
ちなみに、上記の内容は欧州委員会の提案にすぎず、これから欧州議会の承認が必要で、有効は欧州議会の承認後になります。
※フィンランド北部の冬景色。
フィンランドの時間は夏季時間になる?冬季時間になる?
最終的にフィンランド政府とフィンランド国会が決めますが、フィンランド交通通信省は9月末から10月上旬までに夏季時間のほうがいいのか、冬季時間のほうがいいのかのアンケートを国民に実施していました。
アンケートの実施は短い期間でしたが、延べ66万7千人から意見をもらいました。
その結果、夏季時間と冬季時間はほぼ半々の支持を得ました。
しかし、冬季時間を好む人が少し多く、全体の52%を占め、夏季時間を支持する人が48%となります。
ちなみに、これはあくまでもアンケートであり、国民投票ではありません。
※ヘルシンキの海岸風景。
夏季時間にするか、冬季時間にするかの影響は?
日本と一番関係するのは時差ですね。
夏季時間だと、日本とフィンランドの時差が6時間ですが、冬季時間だと時差が7時間になります。
コミュニケーションがとりやすくなる意味では夏季時間がいいかもしれません。
また、フィンランド現地住民としては、筆者は冬季時間を支持したいですね。
もちろん、フィンランド中部や北部は夏になると、白夜もしくはほぼ白夜なので、サマータームがあってもなくてもほとんど影響がないでしょう。
フィンランド南部でも夏季の日照時間が長いので、日の入りが夜10時半から夜9時半になってもデメリットがそれほど大きく感じないですね。(日の出が早朝3時から2時になるので生活に全く影響がない)
しかし、日照時間が短くて日差しが欲しい冬にサマータイムを適用すると、ヘルシンキの場合、日の出が10時半、日の入りが16時になります(冬季時間だと日の出が9時半、日の入りが15時)。
朝がとてもつらくなる気がします。
そういう意味で、フィンランド現地住民にとっては冬季時間のほうがいいかもしれません。
果たしてフィンランドとEUのサマータイムはどうなるかを注目していきたいですね。
情報引用
- State of the Union 2018: Commission proposes to put an end to seasonal clock changes
- Equal support for summer and winter time
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