フィンランドがEU28ヶ国中に第9位の地球温暖化対策力

公開日:2018年12月8日  更新日: 2019年11月30日 関連分類:

ヘルシンキ市内にある発電所。

 

地球温暖化問題はもう遠い未来の話ではなくなってきています。

いかに地球温暖化ガスである二酸化炭素の排出量を減らすかを世界各国で大幅な政策見直しで早く対応しないと恐らく地球には未来がないでしょう。

 

フィンランドやヨーロッパでもその評価、対策が急ピッチで行われています。

 

自然大国、森林大国のフィンランドにも下記3点を中心にそれなりに難しい課題に直面しています。

 

  • 森林資源の利用
  • 暖房
  • 運輸

 

北欧小国のフィンランドはどのような環境問題に直面しているでしょうか。

エネルギー政策はどのように見直さないといけないでしょうか。

 

 

地球温暖化問題対策力でEU28ヶ国中に9位とマークされたフィンランド

今年2018年の6月にClimate Action Networkから発表されたEU28ヶ国中に地球温暖化の対策や行動でフィンランドは第9位とランク付けされました。

 

 

報告の中でEU28ヶ国はどの国も目標に達していません

最も地球温暖化対策に有効な行動を取ったのがスウェーデンですが、それでも目標の77%までしか到達していませんでした。

 

対してフィンランドは到達度42%でした。

かなり厳しい結果ですね。

 

 

 

 

トップ5に並んだのはスウェーデン、ポルトガル、フランス、オランダ、ルクセンブルクです。

達成度が最も悪い5ヶ国はマルタ、ブルガリア、エストニア、アイルランドとポーランドです。

 

 

評価は5部分に分かれてそれぞれの部分の達成度が表されています。

 

  • 温暖化ガスの排出量やグリーンエネルギーの比率
  • EU2020年温暖化対策目標の達成度
  • EUの基準よりも厳しく設定した自国の目標
  • EU2030年温暖化対策目標への支持や対応
  • EU2030や2050年の基準よりも厳しく設定する自国の目標

 

 

 

 

森林資源の利用と保存がジレンマとなるフィンランド

森大国のフィンランドにはとても難しいジレンマに直面しています。

 

 

フィンランドにとって自然エネルギーとして最も重要な森林資源ですが、土地開発や木材の利用によって二酸化炭素が放出されてしまうという問題点が指摘されています

 

 

フィンランドのエネルギー政策として、グリーンエネルギーの多くは「バイオエネルギー」に頼っています。

しかし、そのバイオエネルギーの多くは森林伐採によって残された枝や葉っぱを燃料として発電されて作られることを元にしています。

 

もし森林伐採が制限されるようになったら、バイオエネルギーの産出もままならず、結果的に化石燃料や原子力発電に逆戻るしかなくなってしまいます。

 

未来のフィンランドはできれば風力発電などにシフトしていかなければいけないですね。

 

 

 

 

なかなか化石燃料依存から脱出できないフィンランドの発電

2017年フィンランドの発電方式は下記のような形です。

 

  • 原子力:25%
  • 風力:6%
  • 水力:17%
  • 木材:12%
  • ガス:4%
  • 石炭:7%
  • 泥炭:3%
  • 輸入:24%
  • その他:5%

 

再生可能エネルギーは合計35%です。

二酸化炭素を放出しないエネルギーは原子力発電を入れて合計60%です。

 

しかし、輸入の24%の多くはロシアからです。その部分の温暖化ガスの放出が計上されていません。

 

 

フィンランドのエネルギー政策としていかに化石燃料への依存とロシアへの依存から脱出できるかが大きいな課題です。

 

 

※タンペレにある昔の水力発電所。

 

 

暖房と運送へのエネルギー消費が格段に高いフィンランド

エネルギーの使用に関し、46%が工業用、16%が運送用25%がヒーティング用です。

 

極寒の国であるフィンランドだからこそ、毎年ヒーティングへのエネルギー消費比率がとても高いです。

住居の建設にエネルギー使用効率基準を導入したり、エネルギーの使用効率を高めたり、熱が家から逃げにくいように工夫して作ったりして色々進めていますが、短期間に大幅な改善は難しいです。

 

特にフィンランドで生活するには命に係わる部分でもあるため、簡単にはカットできないエネルギーですね。

 

 

また、フィンランドの国土が広く、多くの町や村が点在しているため、毎日大量な物資運輸が行われているわけです。

その運送にも大量なガソリン、エネルギーが消費され、地球温暖化ガスが排出されます。

 

この部分も今後早いうちに電気自動車の減税、ガソリン自動車の増税などの政策変更によって電気自動車に切り替えていくしか方法がなさそうですね。

 

 

 

 

今後フィンランドが目指すべきエネルギー政策

Climate Action Networkからのアドバイスですが、下記の方向性を目指さないといけないようです。

 

  • 森林伐採に厳しい制限をかけ、2030年の地球温暖化ガス排出削減の目標を設定。化石燃料を使用する発電所や木材を燃やす発電所の新規建設を中止。
  • 100%再生可能エネルギーへの切り替えを目指す
  • 2019年の中央政府選挙において地球温暖化政策が中心に置かれるべき
  • 最低限EU2030年地球温暖化対策の目標を達成すべき

 

 

なかなか道のりが遠いですね。

フィンランドでも早めに地球によりやさしい国になれるといいですね。

 

 

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