日本ではまだあまり意識されていないですが、二酸化炭素の排出量、地球温暖化、地球が住めなくなることなどの環境意識です。
その中で、特に食料品と二酸化炭素の排出量との関係に対し、意識が薄いのではないかと感じますね。
フィンランド大学のトップであるヘルシンキ大学、その学生食堂の運営会社は2019年10月16日にHelsinki Timesの報道にて2020年2月より学生へ提供するランチのメニューから「牛肉」を取り除くことにしたと発表されました。
フィンランドで学術地位が最も高いのがヘルシンキ大学です。
その学生食堂(Unicafeと呼ばれています)はヘルシンキ大学の学生会が所有する会社Ylva社が運営し、毎日1万食以上の学生ランチを提供しています。
Ylva社の運営責任者(COO)であるLeena Pihlajamäkiが伝えました
我々は次に社会責任を果たす行動を考える時にスタッフが考えたアイディアです。牛肉を使わなければ二酸化炭素の排出量を大幅に削減できるのです。
Ylva社が自社試算の結果を発表し、牛肉を使わなければ、使うすべての食品原材料に関連する二酸化炭素の排出量を11%も削減できるそうです。
今までヘルシンキの学生食堂Unicafeでは牛肉の使用量がすべての肉の15%ほど占めていました。
これから豚肉、鶏肉や植物性タンパク質に取り替える方針で進めるそうです。
フィンランド国会議員らから反対の声も
しかし、ヘルシンキ大学学生食堂のこの決定に対し、フィンランド国会の農業森林委員会の委員長Anne Kalmari議員は反対の声を上げています。
この決定は理解しがたいし、永続不可能です。
野菜をたくさん食べるのはいいですが、結果的に南の国から野菜を運んでくるのでその運送分だけ二酸化炭素の排出量が増えます。
しかも、忘れてはいけないことは、フィンランドの国産牛肉には大豆やココナツオイルを使っていないです。
学生は何を食べたいかも自分で選べないですか?
この話題も実際にフィンランド国会で議論されるようになりました。
国会議員Mikko Savolaも反対の声を上げています。
ヘルシンキ大学食堂が牛肉に関する二酸化炭素排出量の計算はオックスフォード大学が「南アメリカ」で行われた研究をベースにしています。
フィンランド産の牛肉を南アメリカのデータで計算していいのでしょうか?
もう一人のフィンランド国会議員Mikko Kärnäも反対の意見を述べました。
牛肉は牛乳の副産物です。
牛乳を生産する牛が年を取る前に牛肉として市場へ提供しています。
もし牛肉として影響せず、老化を待つだけでしたら牛肉にする以上遥かに多くの二酸化炭素を排出するでしょう。
本当に地球温暖化を解決したいなら、一番いい方法は「すべての食材を国産品にする」ことです。
それができないのはコストが高いという理由だけです。
これらの国会議員らの意見に対し、ヘルシンキ大学学生食堂運営会社の運営責任者Leena Pihlajamäkiが追加説明しました。
我々が牛肉の代わりに使う豚肉や鶏肉はすべて国産です。
しかも、牧草を食べる牛の牛肉は価格が高く、我々の価格構造では負担できません。
そして、今回の多くの議論を踏まえ、もう一度3つのポイントを説明します。
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我々はフィンランド産の肉しか使いません
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牛肉を使わないことは経費節約と関係ありません
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フィンランド産の牛肉でも二酸化炭素の排出量が高いです
牛肉を食べるのは地球にいいことか、悪いことか
とても難しいことですね。
これは産業の存続、商品のコスト構造、栄養バランス、二酸化炭素排出量など多方面に関係しますので、詳細な研究を行わない限り、なかなか正確な結論は出せないでしょうね。
フィンランドでは環境意識が高く、多くの会社や個人が環境問題を取り組んでいます。
一般会社が電気自動車を導入したり、レストランが再生エネルギー電力を使用したり、個人レベルでもベジタリアンになったり、肉の食用を減らしたりするなど様々な行動が起こされています。
世界の経済大国日本でも環境問題により一層取り組むように期待したいですね。
参考・引用:Helsinki Times Unicafe takes beef off its lunch menus at University of Helsinki
参考・引用:Helsinki Times Debate over Unicafe’s decision to take beef off menus rumbles on
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