フィンランド寝具とテキスタイル製品の老舗フィンレイソン

公開日:2017年10月27日  更新日:2019年11月30日  関連分類:

 

北欧デザインとして名高いフィンランドにはいくつかのデザインブランドが存在しています。

 

洋服中心のマリメッコ、陶磁器やガラス中心のアラビアイッタラ、家具のアルテックなどがその代表だと言えるでしょう。

 

寝具などの家庭用織物製品に関しては、フィンレイソンは業界を君臨している(いた)と言っても過言ではないかもしれません。

 

1820年から急成長を遂げたフィンレイソン

フィンレイソンはスコットランド出身のJames Finlaysonがフィンランドに来てタンペレの市中心に設立した会社です。(そのため、FinlaysonのFinはFinlandのFinとは直接関係しないですね)

 

設立当初は織物製品を作る会社ではなく、ウールや亜麻の繊維を分離する「機械」を製造する会社でした。

 

しかし、ビジネスは全くうまく行かず、手元にある繊維分離機械を用いて織物の製造・加工ビジネスに変えざるを得ませんでした

 

この出来事がきっかけでフィンランドの綿加工工業が始まりました。

 

 

1828年に綿加工と織物製造工場に変身したフィンレイソンはわずか3年間でその製品がフィンランド国内の至る町で販売されるようになりました。

 

更に、1836年にロシア人の医者Georg Adolf Rauchと実業家のCarl Samuel Nottbeckがフィンレイソン工場を買収し、それからフィンレイソンが北欧最大級の企業成長を始めました。

 

フィンレイソンは1840年代にフィンランド最大の綿製品加工工場になり、1850~1920年代の70年間に渡り、北欧最大の綿製品加工工場という栄冠まで手に入れました。

 

 

 

 

工場自体が町になったフィンレイソンの最盛期

実にフィンレイソンは北欧諸国の中で最も早く電球を導入した会社です。それが1882年で、その記念碑が現在でもフィンレイソン工場敷地にあります。

 

しかも、当時「電球」というものが最新テクノロジーであり、一般従業員が「電球」というものに対する認識や理解があまりなく、一部の従業員が電球を「悪魔の象徴」と思い、恐怖心によって工場にも行かなかったです。

 

 

 

 

20世紀の末期には既に従業員数3300名を超え、プラスチック加工や木材加工分野にも進出していました。

 

 

当時フィンレイソン工場の敷地に工場のみではなく、従業員の子供たちが通う保育園と学校、従業員が使用する病院、図書館や教会などまで建設され、生活機能の揃う小さいな都市まで発展しました。

 

ちなみに、時間を遡りますが、1855年にクリミア戦争の勃発により、当時のフィンランドの通貨は価値を失い、フィンレイソンは独自の紙幣を発行し、当時タンペレ市内多くの店にも受け入れられていました。

 

フィンレイソンは1930~1960年の間にいくつかの買収と合併により規模が1975年に最大に達し、11箇所の工場と従業員6500名でフィンランド最大の企業となりました。

 

 

ちなみに、1951年にフィンレイソンは工場をタンペレからフォルッサ(Forssa)というヘルシンキから約100キロの小さい町に引っ越し、事業を継続しました。

 

その後、Finlayson-Forssa社とOy Finlayson社の2社に分割し、前者は工業用テキスタイル製品、後者は家庭用テキスタイル製品の開発生産と産業分野を分けました。

 

 

 

 

フィンレイソンの衰退

1980年代以降、フィンレイソンの業績が急速に衰退し、Oy Finlayson社は数回買収され、Finlayson-Forssa社は2008年に破産をアナウンスされました。

 

破産の要因はフィンランド国防省が軍隊用のテキスタイル製品の注文を東アジアに移したということだったそうです。

 

 

最後、2014年にフィンレイソンは広告会社の創業者に買収され、新オーナーから新風が吹き込まれ、生まれ変わりつつあります。

 

2014年にフィンランドでの同性愛の合法化を記念し、Tom of Finlandのシリーズ製品が発売され、2015年に家庭用のテキスタイル製品のリサイクル事業を始めました。

この年からフィンレイソンは再び過去の活気を取り戻し、フィンランドのブランド構築力に年間第一位と選ばれました。

 

 

現在フィンレイソンの生産はトルク(シーツなど)やポルトガル(ブランケットなど)などの海外生産基地に移し、フィンランド国内は主にデザイン、販売や本社管理など機能のみ残されており、フィンランド国内も従業員100名前後の規模となっています。

 

 

 

 

フィンレイソンの北欧デザイン

フィンレイソンのデザインは北欧スカンディナヴィアの伝統に踏襲した上、自ら新たに発展しています。

 

鮮やかで大胆な色使い、シンプルなデザインというのは北欧スカンディナヴィアデザインの特徴です。

 

 

しかし、フィンレイソンは伝統的な北欧デザイン以外にも様々なテーマにて新しいトレンドをリードしています。

 

その一例が2014年にフィンランドで同性案婚姻法案の成立に関連して発売した「Tom of Finland」シリーズ製品です。あえて「北欧デザイン」のフレームから飛び出し、新たな方法で表現していることがわかりますね。

 

 

フィンレイソンが公表したデザインコンセプトにはこう書かれています。

 

「家を綺麗にする方法は何千何万も方法があります。しかし、ルールは一つだけです。それは自分の思う通りに飾り、思う通りにすることです。我々の製品はお客様の家を綺麗にするためのものだけではなく、我々の製品はお客様が家を綺麗にするきっかけにもなってほしいです。」

 

 

情報出典:Eng.info.finlayson.fi, Wikipedia

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ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら