フィンレイソンの経営理念(2):地球環境への責任と意識

公開日:2018年11月26日  更新日: 2019年11月30日 関連分類:

※写真引用:finlandtoday.fi

 

フィンレイソンの企業責任報告書を読めば読むほど、「あ~すごくいい会社だな」とつくづく思います。

 

前回の記事「フィンレイソンの経営理念(1):社員を大切にする」の中で、フィンレイソンがいかに自社の経営理念を大切にし、実践しているか、いかに社員を大事にしているかが伺えます。

 

 

気候変動問題に関し、この間世界中に衝撃を与えたのが国連から発表された報告書で、地球の平均気温上昇が1.5度を越えないために対策を取ることができるのは12年しか残っていないそうです。つまり、地球温暖化に対する対策とその実行が足りなければ、2030年を超えた時点で何をどうやっても地球の平均気温は必ず1.5度を超えます。

地球の平均気温が1.5度を超えると、様々な生態系に壊滅な打撃を与え、結果的に地球は人間でも住めなくなる環境になるかもしれないのです。

 

 

そのような状況の中で、フィンレイソンは自社の経営理念に基づき、地球環境にやさしい様々な施策を策定し、実行しています。

その中で主に「二酸化炭素の排出量」「生物多様性」「水資源」「電力資源」「廃棄物」と「運送運輸」の6項目で対策を実施されています。

 

 

 

 

二酸化炭素の排出量は2020年までに20%削減

フィンレイソンにとって、「企業責任」はいい人のようにお隣さん、友達、環境にやさしいことをやることです。

 

そのため、フィンレイソンは自社直営店にグリーンエネルギーのみ(もちろん、価格は高め)使用し、使用寿命が長く品質の高い製品を開発し、もっと環境にやさしい原材料を探しながら、いかに二酸化炭素の排出量を減らすかに注力しています。

 

 

フィンレイソンの企業活動の中で様々なプロセスから二酸化炭素が排出されます。

 

その中で、最も大きいのは原材料の生産で、二番目大きいのは生産プロセスです。

この二つで二酸化炭素の排出量のフィンレイソン企業活動全体の約8割を占めています。

 

2016年にフィンレイソンの企業活動によって排出された二酸化炭素の量は24500トンでした。

これは2015年に比べてやく30%増です。

 

 

しかし、それは企業全体の売上が増えているからです。

売上1ユーロ当たりの二酸化炭素排出量を見ると、2016年は2015年より7%減少しています。

 

これから2020年に二酸化炭素排出量20%削減の目標に向け、原材料、生産プロセス、運送などの面から様々な施策が行われます。

 

 

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環境にやさしく、生物多様性の維持への努力

人間による様々な生産活動の多くは環境や生物に危害をもたらしています。

それで生物の数量が減り、生物多様性が下がり、地球全体の生物系が壊れていくのです(泣)

 

 

フィンレイソンはいかに自社の企業活動が生物多様性に与える衝撃や影響を減らすかを考えています。

 

フィンレイソンの企業活動の中で最も生物多様性に影響をもたらしているのは「綿原材料の生産」です。

 

綿の栽培は多くの開発中国家の重要な経済活動ではあるが、大量な水資源を消費し、綿植物は遺伝子組み換えされ、多量な殺虫剤も使用されています。

 

このようなことをいかに減らすよう、フィンレイソンは新しい原材料を探し続けています。

例えば、テキスタイル製品のリサイクル木材ベースの繊維材料などの使用を進めています。

 

 

※写真引用:castren.fi

 

 

フィンレイソン製品が水資源へもたらす影響

一見織物やテキスタイル製品は水資源とあまり直接な関係がなさそうですが、実に様々な面において深く関係しています。

 

 

2016年にフィンレイソンはフィンランドのNatural Interest株式会社と提携し、フィンレイソンの企業活動が水資源に対する影響を調査していました。(→調査しただけでもすごいですよね。多くの会社は調査するところか、無関心ですので)

 

その結果、主な影響は「綿の生産に水資源の消費」「テキスタイル製品の染色や洗濯による汚染」でした。

更に、製品が販売されて消費者に使用される際に日常的な洗濯に使用される水も今後計算に入れないといけないそうです。

 

 

フィンレイソンは今後水資源をより大切にし、より深い調査を行い、対策を練っていく予定です。

 

 

 

 

電力使用はグリーンエネルギーへ切り替えていく

フィンレイソンの企業活動の中で電力の消費による環境への影響が大きくないですが、フィンレイソンは北欧での操業に関連する電力の使用を全てグリーンエネルギーに切り替えることでより環境にやさしい企業活動をしています。

 

2016年の10月にフィンレイソンは自社が直接運営している本社や直営店の使用電力を全てグリーンエネルギーを使用する「EKOenergy」に切り替えました。

「EKOenergy」はグリーンエネルギーに関する認証であり、化石燃料を使用していないことを示しています。

 

フィンレイソンが購入した電力は主にフィンランドとデンマークで風力発電によって生産されています。

 

 

年間少なくとも120トンの二酸化炭素排出量を削減しています。

 

※ちなみに、フィンランドでは一般個人でも自分の電力プランに関して色々選ぶことができます。単純に単価で選ぶこともできますし、グリーンエネルギーのプランを選ぶこともできます。もちろん、グリーンエネルギーの単価は高めです。

 

 

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廃棄物の最小化は「高い製品耐久性」と「リサイクル」の両面から

産業廃棄物の最小化及び製品の使用後の廃棄量をいかに減らせるかをフィンレイソンは考えています。

 

一つは製品の耐久性です。

 

テキスタイル製品や織物を中心に生産、販売しているフィンレイソンにとってとても長く使える製品を作るのは廃棄物を減らす一つ有効な方法です。

製品によって5年以上の保証が付くのが特徴的です。

 

 

もう一つは試行段階ですが、使い古した製品のリサイクルや生産プロセスの中で生まれた産業廃棄物のリサイクルと再利用です。

フィンレイソンとして使い古した製品をリサイクルしていかに新しい製品に生まれ変わらせるかを試み、生産を担っている下請け業者との契約にも産業廃棄物の再利用を求めています。

 

 

※写真引用:www.kauppakeskuswilla.f

 

 

店舗ショッピング袋の材料切り替えと包装材の削減

2016年からフィンレイソンの直営店では最大サイズのプラスチック袋を残し、他のショッピング袋を全て紙袋に切り替えました

使用しているプラスチック袋でも業界最大限である45%のリサイクル材が使用されています。

 

 

更に、オンラインショッピングで発送する際の包装材に関しても大きく変わりました。

今までは段ボールや緩衝材を使用し、全て使い捨てでした。

 

今は「RePack」というサービスを利用し、運送時の包装材や緩衝材はお客様に届いた後に回収され、再利用されます

それで発送ごとの段ボールや緩衝材の廃棄をほぼ100%削減できます。

 

 

個別の製品包装に関し、プラスティック材料と段ボール材料の使用は現在継続していますが、製品の重量を計測しているので、包装材の量を全て把握しているそうです。

 

今後は継続的に環境にやさしい代替材料を探し、包装材料の削減に努めていくそうです。

 

 

 

 

運送運輸ロジスティクスは最適化へ

運送運輸の最適化は様々な利点があって欠点がないです。

運送運輸の最適化によって電力の使用や運送回数を削減し、無駄なエネルギーの使用や二酸化炭素の排出をなくし、企業にとってもコストダウンになります。

 

 

フィンレイソンの製品は主にトルコとヨーロッパ内で生産されています。

全ての製品がフィンランドフォルッサ(Forssa)の物流倉庫に集約されるのはほとんど陸路や海路を利用し、二酸化炭素の排出量を抑えます。

 

 

また、フィンランド国内の商品運送は環境にやさしいISO14001をクリアしたKaukokiito株式会社のサービスを利用しています。

 

受けた対象様々な注文も原則まとめて発送するため、個別運送の件数を減らし、二酸化炭素の排出量を減らします。

 

 

また、ロジスティクスセンターでは消費電力の少ないLED電球の導入や新しいロジスティクスシステムの導入によって効率化を図っています。

 

 

これらを読むとフィンレイソンは環境意識がとても高い会社と感じますね。

筆者もますますフィンレイソンに尊敬し、フィンレイソンの製品が好きになります。

 

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