ベーシックインカムは人の社会信頼度と経済的な安全感を向上させる フィンランド研究

公開日:2019年4月26日  更新日:2020年2月14日  関連分類:

 

2019年4月4日にフィンランド社会福利局KELAからベーシックインカムに関する研究結果の第2弾が発表されました。

 

 

今回はベーシックインカムをもらった人の「社会に対する信頼度」と「自分の経済的な安全感」が対照組よりも高いという結果が見られました。

 

 

前回2019年2月8日に発表された内容は下記の記事をご参照ください。

参考記事:フィンランドがベーシックインカム試験の最新結果を発表!(1年目部分)

 

 

 

 

フィンランドが実施したベーシックインカム試験とは?

おさらいですが、フィンランドで実施された試験的なベーシックインカムは下記のような内容です。

 

  • 2017年1月開始、2年間実施。
  • 2千人を対象に実施。
  • 誰にでも7万3千円を毎月支給。他の社会福利収入は取り消し。

 

 

ベーシックインカム実施の狙いは下記の三つです。

 

  • 生活資金に奔走する人が仕事をすることや探すことにより多く時間を使えるようになり、結果的に失業率が減る。
  • 仕事に就くことによって社会福利制度からの収入が減ることを危惧することが減り、就業意欲が向上する。
  • 様々な社会福利制度を申し込むに煩雑な手続きが減る。

 

参考記事:毎月7万3千円もらえる?!フィンランドでベーシックインカムを試験導入!

 

 

 

 

ベーシックインカムをもらうと、金が足りなくても経済的な不安は減る!

たとえベーシックインカムでもらうお金は実際の生活に足りないと感じつつも、経済的なストレスや不安は対照組よりも低いと感じたのです。

それは月末にいつも金欠状態に陥るにしてもです。

 

ベーシックインカム組では経済状況を何とかやり切れている人と問題なく生活している人は合計61%に対し、対照組は51%にとどまります。

 

 

KELAの研究員Signe Jauhiainenもこの面白い現象についてコメントしました。

 

通常では生活費が足りないと必ず日々の生活に大きいなストレスを引き起こしますが、なぜかベーシックインカムをもらっているとそのストレスが低くなるのです。

 

もちろん、今の分析結果はまた最初段階に過ぎず、今後のさらなる分析によって結果が変わるかもしれませんが。

 

 

 

 

ベーシックインカムをもらうと社会・政府機関に対する信頼度が上がる!

ベーシックインカムをもらった人は各種社会・政府機関により高く信頼するようになることも明らかになりました。

例えば、政治家、政党、警察と裁判所などに対してです。

 

 

この信頼の程度について、0~10点の10段階評価で参加者に評価してもらいました。

結果的にベーシックインカム組は平均6.8に対し、対照組は6.3でした。

 

政党に対する信頼度について、ベーシックインカム組は平均4.5に対し、対照組は4.0。

裁判所と警察に対する信頼度においても、ベーシックインカム組7.2で対照組の6.9より高かったです。

 

 

また、自分の人生に対するコントロール力に関し、ベーシックインカム組はより自分にその力があると思うようになっています。

例えば、自分の人生に対する影響力、自分の財務状況、仕事を見つける可能性などにおいて、ベーシックインカム組は3.2と評価しているが、対照組は2.9でした。

 

 

 

 

たとえ年齢、性別、教育背景、健康と居住地などの要素が同じでも結果は変わらなかったです。

 

フィンランド社会福利局の研究員Minna Ylikännöによると、社会機関と人々への信頼度は個人の生活品質だけではなく、社会へ貢献する能力にも大きく関与しているそうです。

 

 

調査はベーシックインカム試験完了直後に電話によって行われました。

この調査では一人一人の状況詳細を確認することができます。

 

 

また、ベーシックインカムをもらっているから就業意欲の低下がみられませんでした。

ちなみに、ベーシックインカムをもらうときに必ず仕事を探さないといけないということはありませんでした。

 

 

今後ベーシックインカム試験の研究結果は2019年~2020年に徐々に発表されていく予定です。

楽しみですね!

 

 

参考:Basic income recipients experienced less financial insecurity

 

 

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