フィンランド社会:移民は他の人の倍以上社会福祉補助金をもらっている

公開日:2020年12月8日  関連分類:

 

フィンランド移住を希望する方は少なくないと思います。

しかし、移住に当たり、在留資格の取得が第一の難関であり、在留資格を無事取得できても、次に就職という第二の難関が待ち受けています。

(二つの難関が同時に来ることも普通にあります)

 

 

先日フィンランド社会福祉局Kelaが2018年に行われた社会福祉補助金の支給において、移民がもらう金額とフィンランド生まれ育ちの人々との間で比較研究の結果が発表されました。

 

その結果、民背景のフィンランド国民は他の人よりも倍以上の補助金をもらっていたことがわかりました。

 

 

果たして、どういうことでしょうか。

なぜ移民の人はそうではないフィンランド国民との間にこんなに差ができてしまったのでしょうか?

 

早速詳しく見て行きましょう!

 

 

 

 

自国生まれ育ちのフィンランド国民より、移民のほうがはるかに社会福祉を必要としている

フィンランド社会福祉局Kelaが2018年のデータをまとめ、発表した内容によると、移民背景のフィンランド国民は年間平均4676ユーロ(約58万円)の補助金(様々な名義があり、その合計額)をもらい、フィンランド生まれ育ちの国民は年間平均2243ユーロ(約28万円)の補助金をもらいました。

※レート:ユーロ=125円

 

※移民背景のフィンランド国民の定義は、海外で生まれ、母国語がフィンランド語ではないフィンランド国民を指します。

 

 

その中身を見ると、学生手当、家庭に関する手当、年金支給や病欠手当などの項目において、移民背景のフィンランド国民とそうではない国民の間に特に差はありませんでした。

 

どちらのグループも平均1200~1300ユーロ(約15~16万円)の補助金をもらっていました。

 

 

そして、二つのグループの間に最も差が出たのが「失業手当」「住宅補助」と「収入サポート」でした。

 

 

これらの項目の詳細について下記記事をご参考ください。

参考:フィンランドの失業補助金 日本よりもいい!?

参考:手厚い住宅補助、その補助金はいくら? 5分でわかるフィンランド

参考:フィンランドの生活保護制度は日本とどう違うの?もらえる金額は?

 

 

この3つの補助金項目において、フィンランド生まれ育ちの国民は平均年間900ユーロ(約11万円)をもらっているに対し、移民背景のフィンランド国民は年間平均3300ユーロ(約41万円)をもらっているのです。

 

 

住宅補助の部分だけを見ると、フィンランド生まれ育ちの国民が住宅手当をもらっているのが全体の17%に対し、移民背景の国民は全体の34%に上ります。

単純に倍ですね。

 

 

失業手当をもらっている移民背景国民は全体の26%を占めるに対し、フィンランド生まれ育ちの国民は全体の7%しか占めていません。

こちらでは3倍以上の差が広がっています。

 

 

 

 

言語と外見が不利な条件となる移民

どの国においてもそうですが、言語と外見はいつも移民が社会的な弱者になってしまう主な原因です。

 

フィンランドでも例外ではありません。

 

 

公用語がフィンランド語とスウェーデン語のフィンランドでは、人口の9割はフィンランド語を母国語として話します。

そんな環境にいれば、フィンランド語をマスターできないと就職は自然に至難の業になります。

 

しかも、フランス語、ドイツ語、イタリア語など英語に近いラテン語系の言語と違い、フィンランド語は独自の語系であり、習得には他の言語よりもはるかに時間がかかります。

これも一つ大きいなハードルです。

 

 

英語ができれば仕事の可能性は増えますが、それほど幅が広がるわけでもないです。

 

フィンランドには国際的な金融センターがなければ、ヨーロッパや地域の支社が設置される場所でもありません。

ヨーロッパ本社であればロンドン、パリ、ベルリン、フランクフルートなどの大都会が優先的に選ばれ、北欧で考えてもスウェーデンのストックホルムが優位でしょう。

 

 

そのため、業務範囲が地域を跨ぐ支社はフィンランドにとても少ないです。

なので、ビジネス、マーケティング、ファイナンスの優秀な専門家で英語が堪能でもフィンランドで不自由なく仕事が見つかるとは限りません

 

 

フィンランドで英語だけで仕事が見つかる分野は限られ、ITなどの分野しか可能性がありません。

 

 

もちろん、外見においても不利です。

 

フィンランド人のお客様を相手に仕事をするとなると、「フィンランド人っぽい」人が好まれます。

差別かどうかというより、お客様が安心しやすいように「フィンランド人っぽい」が重要な要素になるわけです。

 

こういう意味において、セールス、カスタマーサービスなど接客に関する業種となると、移民は最初から大きいな不利条件を背負っています。

 

 

もっと単純な話、履歴書に書かれている自分の名前の苗字がフィンランドの苗字であれば通る可能性が高く、フィンランドではない苗字であれば通る可能性が低いというデータもあったそうです。

 

 

 

 

一言移民と言っても様々な背景がある

もちろん、一言移民と言っても様々な背景を有しています。

 

多くの移民は中東系やアフリカ系の難民ですが、一部はフィンランドに留学し、卒業したら就職して住み続ける外国人です。他に直接仕事を見つけて移住した人や結婚して移住した人などもいます。

 

 

留学して就職する外国人や、直接就職した外国人には仕事があり、収入が確保されているため、多額な社会福祉補助金をもらっている人は比較的に少ないでしょう。

 

しかし、難民や結婚移住の方々は国が提供する無料フィンランド語コースに通ったり、無料専門学校に通ったり、初期段階から失業補助金を含めて国から多くの援助をもらっています。

 

フィンランドに来たばかりで言葉も通じないので、当然仕事も見つかりません。

そんな時期に国の補助金に頼るしかないのも理解できることです。

 

 

難しいのは、言語と外見の違いを有する移民はいかにフィンランド平均もしくはそれ以上の賃金水準の仕事を見つけることですね。

 

 

 

 

本国民は言語、外見と文化以上に優位性がある

フィンランド生まれ育ちの国民はもちろんフィンランド語(もしくはスウェーデン語)を母国語として話し、外見が近い人が多く、自国文化も熟知しています。

それだけで移民よりも就職において非常に高い優位性を有しています。

 

 

それ以上に親や先祖から残された家や土地、財産が人によってあったり、長い間に生きてきた国や社会だからこそあるコネなども大きいな優位性です。

 

親から家が残されたらもちろん住宅手当をもらう必要がないですし、コネがあれば仕事にも就きやすくなります。

 

これら数値化されていない本国民の優位性は軽視されがちです。

 

 

海外に移り住むには多くの壁を乗り越える覚悟が必要

フィンランドに限らず、言語や文化、人種の違う海外の国に移り住むには多くの壁が存在しています。

 

もちろん、とりあえずやってみる!とりあえず行ってみるという行動力もとても大事です。

 

しかし、いずれ直面する難関はある程度知っておくといいでしょう。

 

 

参考:Kela: Immigrants require twice as much income, housing support as native population

 

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