フィンランドでよく見る3種類の鳥「カオジロガン」「マガモ」「クロウタドリ」

公開日:2018年7月6日  更新日: 2019年12月04日 関連分類:

北欧にあるフィンランドには様々な鳥がいます。

 

北極圏で夏を過ごす渡り鳥はフィンランドで冬を過ごし、冬に南ヨーロッパで過ごす渡り鳥は夏にフィンランドを訪ねます。

そのため、北極圏と南ヨーロッパの間にあるフィンランドには季節によって異なる鳥が訪ねてきます。

 

フィンランド、特にヘルシンキなどの港都市には多くのカモメがいます。

前回の記事でも「フィンランドでよく出会う4種類のかもめ」をご紹介させて頂きました。

 

今回はカモメに限らず、よく出会う3種類の鳥「カオジロガン」「マガモ」「クロウタドリ」を紹介していきます。

 

 

カオジロガン(Barnacle Goose)

カオジロガンは毎年の夏になるとヘルシンキやフィンランドの公園でよく出会う鳥です。

 

常に群れで行動し、初夏にカオジロガンはいつも草を食べている姿が目立ちます。

夏の末もしくは秋の始まりになると、カオジロガンの群れには可愛い雛が現れ、一生懸命餌を食べて成長する様子をうかがえます。

 

カオジロガンは中型のガチョウで、体長約55~70センチ、体重約1~2キロ程度です。

白い顔と黒い頭頂部、黒い首が特徴的です。

羽は白、黒、グレーの色が帯の形で交互しています。

群れで飛ぶときに「V」字で飛ぶのもわかりやすいです。

 

 

カオシロガンの夏季繁殖地のほとんどは北極圏内の島々ですが、1975年から分かった一つ約8千羽のグループは夏季にバルト海周辺で繁殖し、オランダで冬を過ごしています。

 

カオジロガンの生態はとても特別で少し残酷です。

カオジロガンは大概巣を崖に作りますが、餌を成鳥が持ち帰る習性はなく、雛が自力で崖を降りて成鳥と一緒に餌を採りにいかないといけません。

そのため、雛がまだうまく飛べないときに崖を降りす際に命を落としたり、ケガして北極キツネや北極熊の餌になることもしばしばあります。

 

カオジロガンの英名は「Barnacle Goose」です。

その英名を直訳すると「フジツボガチョウ」です。

実にこの名前が付けられたことには伝説があります。

 

大昔の人々は「渡り鳥」という鳥が季節によって渡る概念を知らないため、カオジロガンが突然姿を現すため、カオジロガンは卵を産まず、ふ化もせず、「成鳥のままフジツボから生まれた!」と勘違いしたようです。

そのような伝説から現在の英名が付けられました。

 

マガモ(Mallard)

フィンランドの湖などの水辺でよく見かけるアヒルのような鳥は「マガモ」です。

 

オスのマガモを認識するのはとても簡単です。

オスのマガモは緑色の頭をし、灰色のお腹と茶色の背中をしています。

メスのマガモは全員茶色で、深い茶色の点々が付いていて、目の前後に横の縞が入っています。

 

 

マガモは中型の鳥で体長60センチ前後で、体重1キロほどです。

主に湿原や水域で生息し、水生植物や小さい動物をとり、社交性のある鳥で、よく群れで行動します。

 

マガモの適応性が強く、北極圏から亜熱帯まで生息し、淡水も海水も問題なく生きます。

特に人間に恐怖を感じず、住宅地の池や公園でも普通にいます。

 

現在家畜化しているアヒルは全て野生のマガモからです。

その家畜化も4千年前遡ります。

 

マガモがもたらした問題は異種交配の能力が強く、60種類以上の他のアヒル類と交配して繁殖能力を有する子供を産むことができるため、他の品種のアヒルが減っていく可能性をもたらしています。

 

また、食用としては臭みがなく、肉質がとても高いとされています。

一部の国では狩猟が許されていることもあります。

 

 

クロウタドリ(Common blackbird)

クロウタドリは体長25センチほど、体重100グラムくらいの小型鳥です。

様々な亜種があり、外見も若干異なりますが、基本的に全身真っ黒でくちばしだけ黄色もしくはオレンジ色をしています。

 

 

クロウタドリは主にヨーロッパに分布し、アジア、北アフリカでもその姿を見つけることができ、外来種としてオーストラリアとニュージーランドでも多く生息しています。

よく見られる鳥ですので、英名もそのまま「Common Blackbird」(一般的な黒鳥)と名付けられています。

 

場所によりますが、年中同じ場所にいるクロウタドリがいれば、渡り鳥のようなクロウタドリもいます。特に人間の町の近くに住むクロウタドリは食料を確保しやすい関係か、寒くても南下しない傾向がみられます。

 

クロウタドリ最大の特徴はその歌声です。

もしフィンランドの森に入ったら是非その歌声に耳を傾いてみてください。

 

 

ちなみに、クロウタドリはスウェーデンの国の鳥で、毎年スウェーデンに来て繁殖するクロウタドリは200~400万羽に達します。

フィンランドでも中南部を中心に約100万羽が夏に繁殖しに来ています。

 

しかも、外見が真っ黒の他の動物が不運と連想されるようなことなく、クロウタドリはそのようなイメージがあまりありません。

 

 

夏にフィンランドに来たら必ずと言えるほどよく見る鳥ですので、是非探してみてください。

 

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