フィンランドの所得税の仕組みとは?日本とどう違うの?

公開日:2019年2月20日  更新日: 2020年02月11日 関連分類:

 

フィンランドは北欧高福祉国家の一つであり、税金や社会保険料の負担が高いというイメージがあります。

前回の記事ではフィンランドの消費税についてご紹介させて頂き、消費税率24%という高い税率でフィンランドの手厚い社会保障制度を支えています。

 

参考記事:フィンランド消費税VATの仕組みとは?

 

 

日本と同じ、消費税以外に国の財政を支えているもう一つ重要な税収は「所得税」です。

 

フィンランドの所得税はどのくらい高いのかあまり知られていないですよね。

 

この記事に通じてフィンランドの所得税の仕組みを探っていきたいと思います。

 

 

 

 

フィンランドの所得税の仕組みは基本的に日本と同じ

フィンランドの所得税の仕組みは基本的に日本と同じです。

 

 

フィンランドでは「固定税率で地方政府に納める所得税」と「累進税率で中央政府に納める所得税」の2部分に分かれています。

 

「固定税率で地方政府に納める所得税」という部分は日本の「住民税」に該当します。

※住民税のうち、半分は都道府県に納め、半分は区市町村に納めます。

 

「累進税率で中央政府に納める所得税」という部分は日本で一般的に言っている「所得税」に該当します。

 

 

フィンランド所得税の仕組みと税率

フィンランドに住む人は住む自治体である地方政府に固定税率で所得税を支払います。

 

この税率は自治体によって異なり、一般的に16~23%になります。

 

 

2017年ヘルシンキ市の税率は18.5%です。

なので、ヘルシンキ在住の人は所得のうちの18.5%をヘルシンキ市に納めます。

※もちろん、控除額があり、所得に応じて控除額が変わります。

 

 

 

 

そして、フィンランド中央政府に納める所得税は累進税率となります。

2020年の累進税率表は下記の通りです。

 

年間所得 最低税金 税率
235万円~354万円 1040円 6%
354万円~582万円 7万円 17.25%
582万円~1021万円 47万円 21.25%
1021万円~ 140万円 31.25%

※ユーロ=130円。

 

 

日本の所得税の累進税率はフィンランドよりも多い7段階に分け、税率も5~45%と幅が広いです。

フィンランドに比べて日本は高所得者に対してより高い所得税を課しているのがわかりますね。

※もちろん、様々な控除があり、一概には比較できませんが。

 

 

税率がわかっても様々な控除などがありますので、実際の税金額がよくわからないですよね。

ここで例を挙げてみましょう!

 

非常に単純なケースで、フィンランドで1年間在住し、18歳以上で独身、子供なしでフィンランドでしか収入を得ていない人の年収と所得税を見てみましょう。

 

年収 所得税
169万円 免税
338万円 35万円
676万円 152万円
1339万円 433万円

※ユーロ=130円。
※年収から年金保険6.75%と失業保険1.5%の天引き分も含まれています。

 

 

このような感じでフィンランド人は所得税を払っています。

一見高い感じもしますが、手厚い社会保障によって子供の教育費への出費などがないことを考えると、手取りもそこそこ悪くないという感じがします

 

 

 

 

資産、投資による収入分の所得税は別途課税

上記は「給与所得」の税率と計算方法です。

 

 

もしフィンランドに不動産を所持している場合もしくは投資している場合、家賃収入や投資収入の所得税は別途計算されます

 

税率は下記の通りです。

  • 資産・投資収入が390万円以下:税率30%
  • 資産・投資収入が390万円以上:税率34%

※ユーロ=130円。

 

 

 

 

フィンランドでは教会税、健康保険料と公共放送税も所得に合わせて徴収される

日本の税金制度と違うのは、フィンランドでは所得に応じて「教会税」「健康保険料」と「公共放送税」も同時に徴収されます。

 

 

フィンランドは宗教国家であり、教会に所属していると、所得の1~2%程度の教会税が徴収されます。

フィンランドのエヴァンゲリオンルテー派教会に所属している場合、平均年間約200ユーロ(26000円)の教会税を納めています。

 

 

日本では健康保険料が税金と別で毎月支払うような形(もしくは給料から天引き)ですが、フィンランドでは税金と共に徴収されます。

健康保険料は所得の1~2%程度です。

※健康保険料は高くなさそうですが、別途支払う年金保険が高いです。

 

 

日本のNHKに該当する国営放送やラジオ事業への運営資金について、フィンランドでは税金で賄っています。

そのため、日本でよく聞く「NHK見てないのに何で料金を払わないといけないの?」という質問は存在していません。

なぜなら税金として強制的に徴収されるからです(笑)

国営放送税は所得の1%以下です。

 

 

 

 

まとめ:フィンランドの住民税は日本の倍くらい高い

フィンランド所得税の仕組み全体を見てみると、実に日本と大きな差はありません。

 

フィンランドの地方政府に固定税率で支払う所得税は日本の住民税に相当し、フィンランドの中央政府に累進税率で支払う所得税は日本で一般的に言う所得税に該当します。

 

 

様々な控除や細かい税制があるため、日本とフィンランドの所得税制度を一概に比較できませんが、比較的にわかりやすいのはフィンランドの「住民税」が高いということですね。

 

フィンランドの住民税は16~23%に対し、日本は10%です。

 

この部分多く徴収された税金がフィンランドの手厚い社会福利制度に当てられているでしょう。

 

 

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「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

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