フィンランドは航空税を導入へ?しかも民間発起!?

公開日:2019年11月3日  関連分類: 

 

環境問題を言うと、何となく「また?」「環境問題より経済問題が先じゃない?」「国がやることで自分がどうこうできることではない」などのイメージが人々の頭の中で浮き上がぶのではないかと思います。

 

 

北欧やフィンランドは世界の中でも環境意識が高い国々と言えます。

 

例えば、永続可能(地球がこれからも壊れないように)にするためにヘルシンキ大学食堂が2020年から「二酸化炭素の排出量がとても多い食材である牛肉を提供しない」と決定されたり、家庭の電気プランに「再生エネルギー電気プラン」が提供されたりしています。

 

多くの会社、学校、レストランも「永続可能」を新しいチャレンジとして、より社会に貢献できることとして新たな取り組みを行っています。

 

 

参考:牛肉を食べなければ二酸化炭素の排出量を減らせる?ヘルシンキ大学食堂は2020年から牛肉を提供しない

参考:フィンランドの電気契約に再生エネルギーが選べる!

 

 

そして、最近フィンランドのニュースでは、「航空機による二酸化炭素の排出を減らすために航空税を導入すべき」という議題において「一般国民の署名」数が5万人を超え、国会で正式的に議論される議題になったことが話題になっています。

 

 

 

 

航空機による二酸化炭素の排出量はそんなに多いのか?

実に意外と多いです。

 

フィンランドの国民一人当たりの航空機搭乗による二酸化炭素排出量は年間約1トンに上ります。

 

1トンの二酸化炭素はどのくらいあるかというと、一般自家用車が6000キロ走って排出される二酸化炭素と同じ量です。

もし1日60キロ走るなら、車が3ヶ月走って排出される二酸化炭素の量に匹敵します。

 

 

International Council on Clean Transportationが発表したデータによると、国民一人当たりの航空機搭乗による年間二酸化炭素排出量において、フィンランドは世界2位です。

 

ちなみに、トップ5位は、1位シンガポール、3位アイスランド、4位オーストラリア、5位イギリスです。

これの意味は、これらの国の国民は「よく飛行機を乗っている」、そして「飛行機を乗る時に飛行距離が長い」ということです。

 

 

意外にもフィンランドの一人当たり航空機搭乗による二酸化炭素排出量が高いですね。

 

 

ちなみに、国別の航空機合計二酸化炭素排出量を見ると、トップ5位はアメリカ、中国、イギリス、日本、ドイツです。

 

 

 

 

航空券に追加税金を課する議題をフィンランド国民自身が署名して提出!

こういうところは本当にすごいと思います。

 

 

フィンランドはヨーロッパの東北に位置し、西と南はバルト海に囲まれ、右はロシアと隣接するため、ヨーロッパ内を含め、海外への移動のほとんどは飛行機に頼りざるを得ません。

 

それでも「自分の住む地球に自分の子供たちも住めるように」のために5万人以上の国民が自ら航空券に追加税金を課する議題に署名しています。

 

フィンランドでは一つの議題に署名人数が5万人を超えると、この議題は国会で持ち上げ、議論を行わないといけません。

 

自分の出費が増える議題に5万人(フィンランド人口の約1%)の署名が集まったことにその環境意識の高さに感心します。

 

 

 

 

航空税はあくまでも一つのきっかけで人々に意識させるのが目的の一つ

飛行機が生活の基本である「移動手段」の一つである限り、高い税金を課するのは難しいです。

しかし、少額でも税金を新たに徴収することで人々に意識させる効果が期待できるかもしれません。

 

 

フィンランドでは国内交通には消費税10%を課していますが、国際便交通には消費税を課していません。

そのため、国内のバス、国内電車のチケットに比べ、国際航空券に課されている税金が少ないです。

 

 

ヨーロッパではすでに航空関連税金が課されている国はイギリス、フランス、ドイツ、オーストリアやスウェーデンなどです。

 

スウェーデンでは航空税が航空券ごとに6~40ユーロ(約780~5200円、ユーロ=130円)ほどの税金が課されています。

 

オランダも2021年からオランダを立つ航空便旅客に一人7.5ユーロ(約1000円)の税金を新規徴収する予定です。

 

 

 

 

フィンエアーは税金より意味のあるソリューションを探したい

フィンエアーの副社長Anne Larilahtiはフィンランド国営放送YLEのインタビューで、航空税に対してコメントしました。

 

 

「私は航空税に賛成しませんが、二酸化炭素の排出削減という目標はフィンエアーにとっても同じです。航空税より意味のある方法を一緒に探していきたいです。数ユーロ程度の航空税は実質上何か意味のあることにはならないでしょう。」

 

 

もしフィンランドで航空税を徴収ことになったらフィンエアーは影響を免れないでしょう。

 

果たしてフィンランドで行われる様々な環境対策、二酸化炭素削減対策はどのくらいの意味を作り出すか、どのくらい世界のリーダーになれるかがとても気になります。

 

 

参考・引用:YLE APN this week: Is it time for Finland to bring in a flight tax?

参考・引用:YLE Residents of Finland emit more CO2 by flying than those of every other nation bar Singapore

参考・引用:YLE Aviation tax initiative heads to Parliament

参考・引用:YLE Finnair VP to flight tax advocates: “We need to work together”

 

 

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