日本から収入を得るフィンランド在住フリーランスの税金について(日本フィンランド租税条約)

公開日:2021年2月10日  関連分類:

 

インターネットなど通信技術の発達により、一つの国に住みながら、他の国との間に仕事ができて他の国の企業や個人から収入を得ることが普通になってきた今の時代。

 

フィンランドに住みながら、フリーランスなどの形式で日本の企業や個人と一緒に仕事をして日本から収入を得ることもごく普通になってきました。

 

 

しかし、その場合は日本で収入を得て、その収入をフィンランドに送金し、そのお金でフィンランドで生活することになります。

その場合、税金はどうすればいいでしょうか?

 

 

日本でもフィンランドでも同じ所得税を納税したら、二重納税になってしまうのではないかと心配する方もいるでしょう。

 

そういう方々のために、日本フィンランド租税条約をもとに、フィンランドでフリーランスとして活動し、日本で収入を得る場合、税金をどうするかを考えてみました

 

※筆者はフィンランドに住みながら、フリーランス活動を行っていないため、自信に実経験がないことを何卒ご了承ください。そして、筆者は弁護士でも税理士でもありません。

 

 

 

 

そもそも「租税条約」とは?

海外に住んで国を跨いだ仕事をしない限り、「租税条約」というものを聞かないでしょう。

 

 

「租税条約」を簡単に言えば、国と国の間に結ぶ条約で、A国で発生した所得がB国に移転された場合に起き得る二重課税(一回の所得なのに、A国でもB国でも所得税が取られること)や脱税(A国にはB国で税金納めると言ってA国に納めないにもかかわらず、B国にもA国で納めると言ってB国に納めない)を防止するためのものです。

 

 

そして、租税条約は日本国内の税法やフィンランド国内の税法よりもレベルが高く、国内税法よりも租税条約での決まりが優先されます

 

そのため、国を跨いで収入が発生した場合、両国間に結ばれた租税条約の内容を確認するのが重要です。

 

 

日本が結んだ租税条約一覧:

参考:財務省 我が国の租税条約等の一覧

 

 

ちなみに、日本フィンランド租税条約のフールネームは「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィンランド共和国との間の条約」です。

 

 

フィンランド在住でフリーランスで日本から収入を得る場合

そして、今回のメインテーマである「フィンランド在住でフリーランスで日本から収入を得る場合」の税金云々はどうなるでしょうか。

 

 

フィンランドに住みながら、フリーランス活動で日本から収入を得る場合、おそらく租税条約の第12条もしくは第14条に該当します。

 

第12条(抜粋):一方の締約国内で生じ、他方の締約国の居住者に支払われる使用料に対しては、当該他方の締約国において租税を課することができる。「使用料」とは、文学上、美術上若しくは学術上の著作物(映画フィルムを含む。)の著作権、特許権、商標権、意匠、模型、図面、秘密方式若しくは秘密工程の使用若しくは使用の権利の対価として、産業上、商業上若しくは学術上の設備の使用若しくは使用の権利の対価として、又は産業上、商業上若しくは学術上の経験に関する情報の対価として受け取るすべての種類の支払金をいう。

 

つまり、フィンランドで記事を書いたり、ロゴをデザインしたりして、日本へ納品するのは第12条の対象者になりえるのです。

 

 

第14条(抜粋):一方の締約国の居住者が自由職業その他これに類する独立の活動に関して取得する所得に対しては、その者が自己の活動を遂行するために通常使用することができる固定的施設を他方の締約国内に有しない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。その者がそのような固定的施設を有する場合には、当該所得のうち当該固定的施設に帰せられる部分に対してのみ、当該他方の締約国において租税を課することができる。「自由職業」には、特に、学術上、文学上、美術上及び教育上の独立の活動並びに医師、弁護士、技術士、建築士、歯科医師及び公認会計士の独立の活動を含む。

 

フリーランスの活動が第14条の対象者にもなりえます。

 

 

 

 

日本に「恒久的施設」を有するかどうかで納税対象国が大きく変わる

フィンランドに住んでいるにもかかわらず、日本に「恒久的施設」を有するかどうかで納税対象国が大きく変わります。

 

 

租税条約が定めた「恒久的施設」とは、管理所、支店、事務所のような場所です。

自分のビジネスやフリーランス活動を行うときに、日本に事務所があったり、日本の住所を使ったり(自宅や親族の家でも該当する可能性が高い)すると、日本に恒久的施設があるとみなされる可能性が高いです。

 

 

日本に恒久的施設がない場合、日本に税金(所得税)を納めません。日本で収入が得ていても、確定申告と納税はフィンランドで行い、フィンランドに税金を納めます。

 

 

日本に恒久的施設がある場合、日本とフィンランド両方確定申告をする必要があります

 

収入をすべてフィンランドに移した場合、日本では黒字になっていないので、確定申告をしても納税額がゼロか、小さい金額になるでしょう。

しかし、一部だけ収入をフィンランドに移し、一部の収入を日本の口座に残した場合、日本に残した部分に対して確定申告を行い、日本で税金を納税しなければいけません。

 

 

日本に恒久的施設の有無によって納税対象国が大きく変わるので、この部分は要確認で重要です。

 

日本で使っている場所があるが、恒久的施設に該当するかどうかわからない場合、税務署に問い合わせしましょう!

 

自己判断で日本に恒久的施設を有しないと見て、数年後に税務署から脱税の連絡が来る可能性はなくないですので、ご注意くださいね。

 

 

 

 

著作権の使用料としてお金をもらうか、著作権を売ってお金をもらうかによって変わる

フィンランドに住んでいる自分が書いた著作物が日本で刊行され、著作権の「使用料」として日本の企業からお金をもらう場合、日本の税務署は最大10%課税することができます。

そして、残った所得がフィンランドで所得税を納税することになります(たぶん)

 

 

第12条(抜粋):使用料に対しては、当該使用料が生じた締約国において、その締約国の法令に従つて租税を課することができる。その租税の額は、当該使用料の金額の十パーセントをこえないものとする。

 

 

日本の国内税法によると、使用料の源泉課税は20%です。

しかし、日本フィンランド租税条約では最大10%と定められています。

日本フィンランド租税条約が日本国内税法より優先されるので、使用料に関する日本国内の源泉徴収は最大10%になります。(筆者の理解では)

 

 

著作権をそのまま「売る」場合、使用料に当たらないので、日本での源泉徴収も発生しないはずです。

 

そのため、同じ著作権を提供して収入を得る場合でも、著作権の利用料でお金をもらうか、著作権を売ることでお金をもらうかで日本での源泉徴収が変わると思います。

 

 

国を跨いだ税金はいつもややこしいです。

日本の企業側がよく理解していないこともよくあり、説明するのもめんどくさいでしょう。

それでも脱税になってしまうと様々なトラブルが起きるので、できるだけ理解して正しく対応する必要があります。

 

 

簡単に情報をまとめたものですが、ご参考頂ければと思います。

間違いだと思ったらいつでもご連絡ください。

 

 

参考:使用料(ロイヤルティ)に係る源泉課税(Withholding Tax on Royalties)

参考:所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィンランド共和国との間の条約

 

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1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

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