フィンランド税金(国民負担率)5分でわかるフィンランド

公開日:2017年11月3日  更新日: 2022年10月26日 関連分類:

 

北欧の高社会福祉国家の一つであるフィンランドで政府から提供される様々な補助金や支援制度について、下記の記事にてご紹介させて頂いております。

 

 

 

フィンランドの学生、大学生にも子育て世代にも、低収入の人々にも手厚く経済的な援助をするためには莫大な財源が必要です。

 

公営事業からの利益収入もあるとはいえ、その主な財源はあくまでも「税金」です。

 

 

 

 

フィンランドの所得税と消費税

フィンランドの税金も日本と同じように様々な種類がありますが、一個人と最も関係の深い税金は「所得税」「住民税」「消費税」と「社会保険料」の4種類です。

 

 

仕組みはほぼ日本と同じで、所得税は収入による累進税率で、住民税は固定税率、消費税は商品の種類によって固定税率課税で、社会保険料(日本でいう厚生年金や国民健康保険など)は収入から一定の割合で徴収されます。

 

 

仕組みがほぼ一緒なのに、どうやって莫大な財源を確保するでしょう?

 

その一つ目は「消費税」です。

 

日本の消費税に当たるフィンランドの消費税は「付加価値税」と言い、英語ではValue Added TaxVAT)と呼ばれます。

 

 

フィンランドの消費税は商品の類別によって24%、14%、10%の税率で課税されます。

 

通常の消費税率は24%で、食品や食品サービス、レストランなどは低減税率の14%、更に低減税率の10%は本、薬、スポーツサービス、宿泊サービス、公共運輸サービスなどに適応されます。

 

そうです。歯ブラシ1本だって消費税24%なんです!

 

 

24%で考えると単純に日本の消費税率10%の2.4倍になりますね。

なので、消費税はフィンランドで非常に大きな税収となります。

 

※ちなみに、EUの中でも国によって消費税率が違います。全ての商品均一消費税率のデンマーク(25%)もいれば、消費税率が4種類もあるフランスもいます(2.1%、5.5%、10%、20%)。標準消費税率(低減税率は除外)の中で最も高いのはハンガリーの27%で、最も低いのはルクセンブルクの17%です。

 

 

もう一つ大きな財源は「住民税」です。

 

※フィンランドでは住民税と言わず、所得税の国税部分と地方税部分と呼ばれています。所得税の国税部分は日本の所得税に該当し、所得税の地方税部分は日本の住民税に該当します。更に、日本の住民税は半分都道府県に納め、半分市町村に納めるが、フィンランドには都道府県の政府がないため、住民税は全て市町村の地方政府に納めます。

 

 

住民税は日本と同じで所得から徴収され、地方政府に納める税金です。

 

しかし、税率は19%前後日本の10%の倍くらいです。(地方政府によって1~2%ほど税率が上下します)

 

 

フィンランドの財政を支える主要な税金種類

上述の通り、日本の税率と異なり、大きいな財源となるのは「消費税」と「住民税」です。

 

 

フィンランドの全体税収から見ると、どれらの税金種類が重要なのでしょうか。

 

下記それぞれの種類の税金と税収全体を占める割合を見てみましょう。

  • 所得税(中央政府に納める):約14%
  • 住民税(地方政府に納める):約21%
  • 消費税:約34%
  • 社会保険料:約28%

※フィンランド統計局2019年度データ

 

 

ざっくり、簡単にまとめると、この4種類の税金や保険料収入で、国の税収のほとんどすべて(97%)をカバーしています。

どれだけフィンランドの高い住民税と消費税が財政を支えているかがわかるでしょう。

 

ちなみに、2018年度フィンランドの国の支出は社会保障費用が全体財政支出の約46%を占め、次に政府運営費約15%、医療保健費約13%、教育費約10%です。

 

 

 

 

国民負担率の国際比較

一種類の税金を計算して国際比較するだけでもかなり複雑になりますので、ここで「国民負担率」を用いて比べてみましょう。

 

国民負担率は、国民の収入から様々な税金や社会保険料によって大体国にどのくらい取られているかを表す数字です。

 

現在とは若干異なりますが、日本財務省が公開した2014年のデータを見てみましょう。

 

 

※出典:日本財務省

 

 

フィンランドは34ヵ国中の6位で国民負担率65%くらいです。

 

日本国民負担率約42%ですね。

 

 

つまり、このデータを見る限り、フィンランドでは日本より税金や社会保険などの費用が収入に対し、1.5倍になるということです。

 

すごくおおざっぱに言い換えますと、日本でサラリーマンをやって、毎月収入が30万円で、様々な税金や保険料で毎月13万取られることに対し、フィンランドでは20万円取られることになりますね。

 

 

 

 

 

 

社会の弱者にしっかり援助するフィンランドの社会制度

確かフィンランドの生活では、様々な面で税金や保険料が取られると感じますが、低収入や社会の弱者にはしっかり援助(経済面も)をしていることも実感できます。

 

 

筆者としては、人生で何か間違った選択肢もしくはハイリスクのチャレンジをしてしまって社会の弱者になってしまっても生きていけるというコンセプトを持つフィンランドの社会保障制度は好きですね。

 

税金をたくさん払っているが、子供の教育費に心配することもなく、医療費にもあまり気にすることがありません。(基礎診療は無料ですが、一般的に通院、入院、薬剤などは有料です。歯の治療費は保険負担割合が低く、自己負担がすごく高いです)

 

 

もちろん、「経済状況が悪いので、こんなに税を取っていてもこれからは全然足りなくなるし、10年後社会保障は破綻するよ!」と悲観的に見ているフィンランド人もいますが、筆者としてはそれほど詳しくないのでなんとも言えませんが。

 

*フィンランドの税金、どれだけの金額が何に使われているのかを分かりやすく書いています。

参考:フィンランドの税金はどこへ何ユーロ(何円)ぐらい使われる?

 

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1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

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4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

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