フィンランドお薦めの観光プラン:サマーコテージの旅(1.目的)

公開日:2017年7月25日  更新日: 2022年10月17日 関連分類: 

北欧・フィンランドと言えば「極寒」「ムーミン」「サンタクロース」などがイメージに浮かぶでしょう。

 

しかし、実に知られていないだけでフィンランドで最も人気のある休日の過ごし方は「コテージで過ごす」ことです。

 

 

「コテージ」は「別荘」のような所で、自宅から遠く離れた場所で休日を過ごす場所です。

特に夏になると多くのフィンランド人は数週間の休みを取り、森にあるサマーコテージに行ってゆっくり過ごします。

 

※フィンランド中南部の湖水地帯にある極一般的なサマーコテージ。

 

 

日本で過ごす人々にとっては「え?ただ田舎で数日間過ごすだけじゃん!?」と思われるでしょう。

しかし、これはまさに「マジック」のかかったようなことで、コテージにさえ行けば「幸せ」「満足」「充実感」を得ることができるんです。

 

不思議と思うでしょう?

「北海道とか日本でも似たような場所があるでしょう?」と思うかもしれません。

 

実は多くの条件では、フィンランドで得られる「コテージで感じる幸せ」は日本で得られにくいのではないかと感じたこともあります。

 

そこにはいくつかの理由があると思います。

 

 

 

自然だけで気持ちが良すぎる環境

一つ目は「温度」です。

北欧・フィンランドの夏は暑くても30度、朝晩は15度前後の気温で、熱くなく寒くもなく、ちょうど陰にいたら涼しく感じ、日差しに当たったら暖かく感じる気候です。

室外で過ごすには最も気持ちの良い温度でしょう。

 

二つ目は「」です

フィンランド中南部の湖水地帯は少し海から離れてあり、夏に風が穏やかになりやすく、多くの時間には気持ちよいほどの弱い風が吹いている感じです。

 

※無風状態で湖も鏡のように見えます。

 

 

三つ目は「」です。

更にフィンランドに湖が多く、多くのコテージが湖の近くに建てられてあり、湖の水辺まで行くことが簡単にでき、一面広がる大自然に包まれる環境にいることができます。

湖がもたらしたのは「水」や「水上アクティビティ」だけではありません。

 

湖がもたらしたのは「開放感」です。

遠くまで広がる開放感は一つの醍醐味でしょう。

 

※朝四時の湖に霧がかかり、神秘な絶景になります。

 

四つ目は「日が長い」です。

フィンランドの夏は日照時間が長いです。

日没が22時以降なので、晩御飯を食べてからの釣り、ハイキング、サウナ、ベリー摘みなどができます。何もせずに夕日に照らされながら湖の傍にあるベンチでゆっくりコーヒーを飲むのも北欧らしい幸せの感じ方でしょう。

 

このように多くの環境条件によって、「自然だけ」で気持ちが良すぎる環境にいることさえできれば「幸せ」「満足」「楽しさ」を自然に感じることが難しくないでしょう。

 

※夜9時でも室外で読書や釣りができます。

 

 

人が少ない環境

北欧諸国には「土地が広くて人口が少ない」特徴を持っています。

 

フィンランドを例に挙げてみると国土面積は日本の9割ほどですが、人口はわずか日本の4%程度しかありません。

つまり、わずか550万人が日本の本州、北海道、四国で過ごす感じです。

 

人が少ないというのはどいうことかというと、「交通に費やす時間が少ない(交通ストレスが少ない)」「大自然にアクセス時間が短い」ということです。

 

例えば、人口の密集している東京都23区から出て青梅や高尾山など大自然に囲まれる場所にたどり着くにはざっくり電車で1時間~1時間半。ドアツードアで予想すると片道だけで2時間です。

大自然に囲まれる代価は「片道2時間」です。

 

フィンランドの首都ヘルシンキの市中心から緑いっぱいに囲まれる場所まで電車もしくはバス30分で十分です。

わずか30分の交通範囲内に海も緑もたくさんあります。

 

人口が少なくて国土が広いからこそ「交通ストレスがたまりにくい」「簡単に大自然にアクセスできる」条件が成り立ちます。

 

 

 

余計な情報を遮断できる環境

もう一つは外国人ならではの条件ですが、フィンランド語を話すフィンランドでは、コテージに行くと自然と不要な情報を遮断することができます。

 

テレビを見ることがなければ新聞を読むこともありません。

漫画、雑誌も簡単に手には入れませんし、どっちみちフィンランド語は読めません。

森の中なのでネットが繋がらないことも少なくありません。

 

便利なネット接続によって情報が氾濫する時代だからこそ、一時期不要な情報を完全に遮断し、五感と脳を完全にリラックスさせることによって得られる幸福感があると思います。

 

 

ムーミンの物語から読み取る、フィンランド人が思う大自然

たのしいムーミン一家』の中でこんな話があります。ムーミンママが島で回っているときの話です。

「ムーミンママは、険しい岩の崖に隠れた小さい砂浜に降りていきました。そこには、青い浜かんざしの群れが生えていましたし、風が吹き込んでくるたびに、浜麦がが細い茎を震わせてサラサラ鳴っていました。」

 

「ムーミンママは、この隠れ家のようになった場所に寝と転がりました。そうやっていると、目に見えるのは、青い青い空と、頭の上で揺れている、浜かんざしの花だけでした。」

 

「ママは、こう考えたのです。ところが、間もなくママは、ぐっすりと眠り込んでしまいました。」

 

非常に単純なことですが、ムーミンの物語からも見れるフィンランド人の思う大自然にある幸せというのはこういうことでしょうね。

 

※参考書籍:『たのしいムーミン一家』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

コテージに行こう!

観光も遠くから来られた日本の方々にとって非常に大事だと思いますが、フィンランドのコアバリューである「大自然での生活」を一度体験してみてほしいです。

 

次の記事にどのように準備するかをご説明します!

 

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