パンケーキの日なのにフィンランド人はパンケーキを食べないだと?!

公開日:2020年2月24日  関連分類:

みなさん、パンケーキ・デイパンケーキの日)をご存知ですか?

 

日本では中々馴染みのない日ですが、これは「キリスト」が絡んでいる宗教の行事で、みなさんがよく耳にするイースターまたは復活祭と言われる行事と深い関係があります。

 

※フィンランドのイースターはどのような祝日だろう?何をやるだろう?どんな伝統行事や食べ物があるだろう?

参考記事:魔女になって真っ黒のマンミを食べる フィンランドのイースター(復活祭)

 

 

フィンランドの国民はそこまで宗教に熱心ではありませんが、ほとんどの方が「フィンランド福音ルター派教会」というキリスト教に所属しています。

 

ですので、宗教に熱心でなくともキリスト教が元になる行事が多い国。

 

 

当たり前のようにフィンランドのカレンダーには「パンケーキ・デイ」の日はこの日だよ!と書かれていてこの行事の食べ物を食べる日になります。

 

 

でもちょっと待った!!!

と、いうか!!!!

おい!フィンランド!!

 

 

パンケーキ・デイ」なのにフィンランドではパンケーキのも出ないじゃないか!!

 

 

・・・そうなんです、

フィンランドではパンケーキ・デイに全く違うものを食べる習慣があります。

 

 

 

 

そもそもパンケーキ・デイとは、いったい何の日?

先ほど、このパンケーキ・デイはイースターと深い関係があると言いましたね。

 

イースターの日はキリストが復活した日と知る方は多いと思いますが、何かと旧約聖書では「40」という数字はよく出てくる特別な数字でして

 

イースターの40日前(日曜を除く)の期間を四旬節と言います。

 

 

この四旬節の間は元々「断食の期間」とされており、地域や宗派、習慣にもよりますが娯楽を控え、肉は口にしないなど、楽しみとなるような食事は控えるような期間のことです。

 

その四旬節の初日は「灰の水曜日」と言われる日で、この名からもわかるように必ず水曜日が男色期間の初日となります。

 

そしてこの灰の水曜日の前日、すなわち火曜日がパンケーキ・デイとなるわけなのですが、、、

 

 

どうして「パンケーキ」なのかというとですね、、、

 

 

この期間中、肉はもちろん、乳製品や卵もとならいようにするのが元々決まりでした。

 

 

ですので、断食の期間前に台所の棚にある腐りやすい卵やバターなどの乳製品を(食べきろう)片付けようとする人が非常に多く、そして、この断食前には出来るだけ美味しいものを簡単に食べておこうという人間らしい考えから、、、

 

比較的作りやすいパンケーキが作られ、よく食べられるようになり、「パンケーキ・デイ」と言われる日になったということです。

 

 

イギリスやカナダ、オーストラリアではこのパンケーキ・デイ、結構国民がよく知る日でもあります。

 

 

 

 

フィンランドではパンケーキではなく何を食べるのか?

フィンランドにもパンケーキはありますが、この「パンケーキ・デイ」という日には食べません。

 

じゃ、この日何を食べる習慣があるのか?

 

それは、、、

 

 

フィンランドのスーパー・セムラの広告

2月、フィンランドのスーパーでは沢山セムラが売り出されます。

 

 

セムラ」です。

 

 

フィンランドでは火曜日のパンケーキ・デイのことを「ラスキアイネン(Laskiainen)」または「ラスキアイスティースタイ(Laskiaistiistai)」と言います。

 

ティースタイ(tiistai)とは火曜日のこと。

 

 

そしてパンケーキではなくフィンランドで食べられるセムラのことを「ラスキアイスプッラ(Laskiaispulla)」と言います。

 

プッラ(pulla)とは、菓子パン/甘いパンの意味です。

 

 

「パンケーキ・デイ」として世で言われているのは、この日にパンケーキを食べる国の方が多いからなのです。

 

 

しかし、フィンランドではセムラを食べられることが当たり前。

 

なので、意味合いは変わりませんが、この日を「パンケーキ・デイ」という言葉をフィンランド語に直訳していないだけ、、ということなんですね。

 

 

パンケーキ・デイには豆も食べるフィンランド

フィンランド料理として、よく言われるのがサーモンスープですが、

実は「豆スープ」もフィンランドではとってもメジャーな食べ物です。

 

※実にフィンランドにある豆スープ文化は面白いです。なぜ豆?なぜスープ?なぜフィンランドでそれが?

参考記事:フィンランドの豆スープ(Hernekeitto)文化、なぜ豆スープ?

 

 

本来ならば木曜日によく食べられるスープなのですが、

古くからフィンランドではこの「パンケーキ・デイ」にも豆スープを食べることもお決まりです。

 

 

では、なぜこの日の豆スープなのか?

 

 

断食前には出来るだけ身体に栄養を蓄えておく必要があります。

 

 

豆スープと言っても豆だけで作られているのではなく、男色期間は食べない豚肉も入れて作ることが普通ですので、

昔から豆スープは栄養価が高く、お腹にも溜まる満足いくスープと知られています。

 

 

ですので、昔の断食前にはもってこいの食事だったんですね。

 

その名残が現在でも残っているこの行事の食べ物というわけです。

 

 

 

 

日本でも節分には豆や恵方巻、お月見の日にはお団子など、行事にあった食べ物が存在しますがフィンランドでも同じこと。

 

この時期が近づくと、どこのスーパーでもカフェでもセムラが並びます。

 

ある意味、期間限定の食べ物とも言えるので、夏にセムラが食べたくなっても売っていません。

 

本来ならば断食前に満足いくよう食べるものですが、現在では「今しか売ってない!他の時期は食べれない!」という食べものに変わってきてるのかもしれません。笑

 

 

情報・引用:Ruokatieto -Laskiainen

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