フィンランドで定年を迎えたら収入はどうなるか?年金、住宅手当、介護手当を調べた!

公開日:2019年10月10日  更新日: 2019年11月30日 関連分類: 

 

日本では今消費税増税、年金以外の老後生活費に2千万の貯金が必要などの話題が人々に注目され、日本での老後生活に関し、とても不安に感じるでしょう。

 

 

比較対象として、高福祉社会国家のフィンランドではどうでしょうか。

 

フィンランドで定年し、老後を迎え、フィンランドで定年生活を過ごすときに収入はどうなるのでしょうか。

 

 

今では多くの人々が気になることなので、調べてみました!

 

 

 

 

フィンランドの年金には最低保証額があり、さらに住宅補助も出る!

フィンランドで定年し、老後を迎える際にもらえる収入は「年金」と「住宅補助」の2本柱になります。

 

 

フィンランドでは年金には「給与関連年金」と「国家年金」の2部分があります。

 

給与関連年金はいわば日本の厚生年金という年金で、定年前に毎月の給与から天引きされ、納付されていた年金です。

給与が高くて天引きされた額が多かった人にはより多い年金がもらえます。

給与が低くて天引きされた額が少なかった人は比較的に少ない年金をもらいます。

 

「国家年金」はいわば日本の国民年金に相当しますが、この部分は税金で補填され、国民が自分で支払う必要がありません

 

 

参考記事:フィンランドの年金制度とは?日本よりも多くもらえる?負担額は高い?

参考記事:2018年フィンランド平均年金受給額は22万円!

参考記事:フィンランドの年金運営と支出状況を大公開!年金資産額が増える傾向にあるフィンランドの厚生年金

 

 

更に、年金受給者は収入に応じて住宅補助住宅手当)がもらえます。

 

 

参考記事:手厚い住宅補助、その補助金はいくら? 5分でわかるフィンランド

 

 

 

 

フィンランドでの老後生活は最低毎月16万円もらえる

フィンランドの年金制度がすごいことは、「最低保証年金」があることです。

 

 

フィンランドの最低保障年金は747ユーロ約10万円、ユーロ=130円)(2015年データ)です。

 

 

この制度はフィンランドに移民した外国人にも適応されます。

フィンランドに移民した外国人はフィンランドに在住3年以上、年齢が65歳に達し、健康状態が仕事に適さないのであれば、この最低保障年金をもらうことができます。

 

 

ただし、最低保障年金は他の年金収入が毎月747ユーロに達していない時に747ユーロになるまで補填する制度で、他に収入があってもこの747ユーロがもらえるわけではありません。

 

 

下記はヘルシンキエリアに住む一人暮らしで家賃650ユーロ(約8万5千円)の定年した方の収入試算になります。

 

 

 

 

※下記はすべて円単位です。ユーロ=130円で換算しています。千円以下は四捨五入。

給与関連年金 国家年金 最低保障年金 税金 住宅手当 手取り合計
0 0 97,000 -650 66,000 162,000
0 83,000 14,000 -650 66,000 162,000
20,000 77,000 910 -650 66,000 162,000
26,000 73,000 0 -650 65,000 164,000
39,000 67,000 0 -780 63,000 168,000
78,000 47,000 0 -3,000 56,000 178,000
104,000 34,000 0 -8,000 51,000 182,000
195,000 0 0 -29,000 32,000 198,000

 

 

なので、フィンランドでの老後に最低収入額が約16万円になりますね。

 

 

更にですね。

老後生活を過ごしていくうちに徐々に体が不自由になっていきます。

生活に支障が出てきてしまったら、「介護手当」が追加でもらえます。

 

介護のレベルによって支給額が3段階になっています。

  • 月額62ユーロ(約8千円)
  • 月額156ユーロ(約2万円)
  • 月額329ユーロ(約4万3千円)

 

 

 

 

社会の弱者に優遇するフィンランドの社会福祉政策

これらの数字を見て、フィンランドの老後生活をどう感じられたのでしょうか。

 

どんな条件にもかかわらず、最低年金保障と住宅手当があり、毎月最低限16万円の収入が確保されるのはすごくいいですね。

老後への不安がだいぶ減るし、今の生活がより不安が少ない状態で過ごせるのが大きいです。

 

もちろん、その分高い税金を払っているわけですが。

 

 

もう一つの特徴は、「弱者優遇」ですね。

 

給与関連年金で多くもらっている人には国家年金がなくなり、住宅補助もなくなります。

給与関連年金をもらえない人には国家年金と住宅補助が全額支給されます。

 

これもフィンランド社会福祉政策全体のコンセプトである「真ん中寄せ」ですね。

お金持ちと貧困をいかに減らし、「そこそこ生活できる」レベルの人をいかに増やすという考え方です。

 

 

ご参考頂ければと思います。

 

 

 

 

引用:KELA Brochure Pensions and retirement (Pensions and retirement Pension security, housing allowance and care allowance)

引用:KELA Pensions

 

 

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