フィンランドの年金制度とは?日本よりも多くもらえる?負担額は高い?

公開日:2019年2月22日  関連分類:

 

少子高齢化がどんどん進んでいる日本では年金制度の維持や財源の捻出は常に政府にとって大きいな課題になっています。

 

 

実にフィンランドでも同じ問題に直面しています。

 

様々な社会福利があり、子育てには比較的に良い環境が用意されているフィンランドでは少子化が徐々に進んでいます

そのため、いかに支出を減らし、税収を増やし、財政のバランスを保つのかが現在フィンランド政府が取り組まないといけない大きいな課題でもあります。

 

 

財政のバランスを保つ中で、最も重要な部分の一つが「年金」です。

 

 

高齢者が生活を維持するために必要不可欠なのは年金収入です。

老後に年金収入を得るために日本と同じく、定年前に年金保険を払わないといけません。

 

となると、フィンランドでは働いている時にどのくらい年金保険を払っているか、実際に定年後にどのくらいもらえるかが気になりますね。

 

ここから詳しく見ていきましょう!

 

※日本やフィンランドの年金制度には様々な細かいルールや規定があり、この記事では全て紹介していません。あくまでも全体図を理解してもらえるように作成しておりますので、ご了承ください。

 

 

 

 

日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2本立て

まず日本の年金制度を少しさらっていきましょう!

 

日本の年金制度は一般的に「国民年金保険」と「厚生年金保険」の2本構造となります。

※厚生年金は一般企業に勤める場合。他に国家公務員共済組合や地方公務員共済組合も同じ役割を担っています。

 

 

国民年金保険は20歳以上60歳未満の全国民を対象とする年金保険制度です。

 

ざっくり言うと毎月定額を支払い、65歳以降に定額をもらうというシステムです。

現在の国民年金では毎月1万6千円くらい支払い、65歳以降に毎月5万5千円前後もらえる状態です。

 

 

厚生年金は企業に勤めている時に、給料から一定の割合のお金が天引きされ、厚生年金保険の保険料に当てられます。

 

現在の厚生年金保険料は給与の約18%の金額で、雇用主(会社側)と被保険者(社員)が半々で負担します

そのため、日本で一般会社に勤める方は給料の9%くらいが厚生年金保険料として天引きされますね。

 

 

ちなみに、自営業の場合、厚生年金に該当する年金制度に加入するのは任意制です。

国民年金のみ加入することも可能です。

 

 

 

 

フィンランドの年金制度では「国民年金」と「厚生年金」が一本化

フィンランドでは「国民年金」という制度が存在していません

日本では「国民年金」が「基礎年金」に該当し、誰でも老後に最低限の収入を確保できるために存在する制度です。

 

フィンランドでは、「誰でも老後に最低限の収入」を確保させるのは「フィンランドの社会福利制度」です。

つまり、基礎年金はフィンランド社会福利局(KELA)(国の税金)から支給されます。

 

 

フィンランドの厚生年金に該当する年金制度はあります。

 

保険料率について、一般企業勤めの場合は6.75%です。

しかし、日本と違うところは、厚生年金保険料の負担は会社側と社員側半々で負担するのではなく、会社側が3分の2、社員側が3分の1を負担します

 

 

単純に言うと、フィンランドで会社が人を雇う時に日本より会社への人件費が高いということになりますね。

 

 

 

 

 

 

フィンランドで定年を迎えたら年金はいくらもらえるの?

フィンランドでもらえる年金の金額は固定金額ではありません。

 

厚生年金に加入していない人やずっと無職の人はフィンランド社会福利局(KELA)から国基礎年金がもらえます。

 

その金額下記の通りです。

  • 一人暮らし:約629ユーロ(約82000円)
  • 二人暮らし:約558ユーロ(約72000円)

※ちなみに、フィンランドでもらう年金は課税収入になるため、上記の金額からまた一部課税されます。

 

 

しかし、フィンランドの厚生年金からもらう金額が高い場合、フィンランド社会福利局(KELA)から国基礎年金がもらえなくなります。

 

例えば、フィンランドの厚生年金からもらう金額が下記の金額を超えると、国からもらう国基礎年金がもらえなくなります。

 

  • 一人暮らし:約1300ユーロ(約17万円)
  • 二人暮らし:約1158ユーロ(約15万円)

※ユーロ=130円

 

 

ただし、年金受給者でもフィンランドでは住宅手当を受けることが可能です。

年金受給額によって住宅手当は0~約500ユーロ約65000円)がもらえます。

 

そのため、年金受給者の合計収入は最低限1200ユーロ(約15万6千円)が確保されるということです。

 

 

 

 

フィンランドと日本の年金制度を比べてみると

日本では「誰でも老後にもらえる年金」として位置付けた基礎年金である「国民年金」では、必ず毎月支払い、積み重ねないといけません。

 

しかし、フィンランドの基礎年金は「フィンランド社会福利局(KELA)」が対応し、税金が財源となるため、若い時に必ず収入がないといけないというプレッシャーがないですね。

 

 

厚生年金の部分では、フィンランドと日本は同じく給与額の一定割合で支払うため、給与の高い人は多く支払い、老後に多くもらうという仕組みで、特に差はあまりないですね。

 

 

ということから見ると、フィンランドでは老後の年金について、最低限の保証がされています。

しかも、住宅手当もあると、ある程度不自由のない老後生活ができそうですね。

 

対して日本の場合だと、どうしても若い時に確実に国民年金を払わないと、老後の収入の保証がないということになりますね。

 

 

ただし、フィンランド現在でも財源不足の問題に直面しているため、今後はいかに支出を節約し、税収の財源を確保するかが年金制度が維持されていく重要なカギを握っています。

 

※貯金や退職金など個人のケースなので、この記事では考慮しません。

 

 

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