フィンランドの大学に入ったことがある筆者にとって数々のシーンで驚かさせられています。
フィンランドの教育はとてもフレキシブルで形式にこだわらないのが特徴の一つです。
また、学習の評価には成績というよりその効果にフォーカスしているように感じました。
もちろん、日本から見ると他国の教育方法を鵜呑みにしてコピーするのは必ずしも有効とは限らないですが、参考に見てみるのは意味があって面白いと思います。
フィンランドの教育はどのようにフレキシブルでどのように効果にフォーカスするかを見ていきましょう!
目的を達成できればなんでも相談できるフィンランドの教育
教育の目的、授業を受ける目的は何でしょう?
教師としてこの授業に通じて生徒にどのような能力を身に着けてもらいたいでしょう。
もし目的を達成することができ、生徒に予定した能力を身に着けてもらうことができれば、どのような方法や形式にもこだわらないのがフィンランド教育の特徴です。
一人だけのために設定する期末試験
一つの例は、試験日の予定です。
昔筆者はフィンランドの大学で4ヶ月に渡って行われるフィンランド語の授業を受けていました。
しかし、日本に行く予定によって4ヶ月間全ての授業を受けることができず、授業終了の1ヶ月前にフィンランドを出ないといけません。
他の国でしたら、期末試験を受けることができず、もちろんこの授業の単位を取得することはできないでしょう。
しかし、フィンランドでフィンランド語の先生と相談したら、授業を受けられない最後の1ヶ月分の内容は自習するとして、期末試験を筆者一人のために早めに受けさせてもらえるようにしてくれました。
それで、筆者も無事この授業の単位を取得でき、予定通りに日本に行くこともできました。
一人だけのために座学授業を全てオンライン授業に
もう一つは筆者の友人の事例です。
彼女はポーランド出身で現在大学最後の年で残った授業あと一つか二つくらいで卒業できます。
しかし、彼女はポーランドで3ヶ月のインターンシップをする予定があると同時に、最後の一つ必修の授業をフィンランドで受けないといけません。
その期間がかぶり、彼女は悩んだ結果、その受ける予定の授業の先生に相談してみました。
なんと!本来座学の予定の授業がオンラインコースとなりました!
その先生は授業を全て録画し、スライドや教材などを校内プラットフォームにアップロードすることで、フィンランドにいる学生らもポーランドにいる学生も同時に履修できるようにしてくれたのです!
ただ一人の学生の事情のためです!
なかなか他の国では想像できない事例ですが、授業の目的を達成でき、学生が予定された能力が身に着けることができれば、座学であろうか、オンラインビデオ授業であろうか、どちらでも問題ないというフレキシブルさです。
学生に能力を身に着けてもらうのが第一
「成績の公平性」と「より能力を身に着けてもらうこと」のどちらが重要だと思いますか?
もし成績の公平性が重要であれば、教育の手法の柔軟性はある程度犠牲されるでしょう。
フィンランドでは成績の公平性の重要性が低く、いかに生徒たちに能力を身に着けてもらえるかが大事ですので、「色んな手を使って」勉強することを辞めさせないようにしています。
上記の例で例えば、もし成績の公平性が一番重要であれば、一人の生徒が先に期末試験を受けるなんてありえないでしょう。
試験内容が同じであれば先に受けた人が試験問題を漏らしてカンニングが起こる可能性があるし、試験内容が異なれば先に受けた生徒と後に受けた生徒の間で公平的な評価ができなくなるし。
もう一つの例は、フィンランドの高等教育では試験を3回まで受けることができるのです。
例えば、マーケティングの授業の期末試験が12月であれば、再試験は凡そ1月か2月に行われ、2回目の再試験は3月か4月に行われます。
再試験は「誰でももう一回受けることができる」のです。
つまり、1回目の試験で成績が好ましくない生徒が再試験を受けるのはもちろんですが、1回目の試験ですでに合格した点数を取った学生でもより高い点数を狙って再試験を受けることができるのです。
時間をかけてより自分の学習度を高めたければ、成績を上げたければ、そのチャンスは2回もあるということです。
「決まった期限までに生徒全員が勉強し、成績が一回の試験で決まる」という公平性を重視する形式ではなく、「学んだものを深めたければ、成績を上げたければチャンスはいくらでもある」という学習到達度を重視する形式です。
※もちろん、大学入学試験など学習の結果を測る試験ではなく、「競争のための試験」であれば1回のみです。
難しいのは社会の評価方法と理解
「フィンランドの教育 その秘密とは? 何がすごいのか?」記事の中でもありましたが、成績の公平性と学習到達度をどう取るかは、単に学校や教育現場でとうにかできる問題ではないです。
社会全体が主にどのように人を評価しているか、そこにフィンランド社会と日本社会の間に大きな差があるのではないかと思います。
なかなか難しいことではありますが、フィンランド教育を理解して頂き、フィンランド社会をより知って頂ければ嬉しいです。
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ショップコンセプト
1.フィンランド 北欧というと?
フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。
2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい
「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。
「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。
3.運営に「誠実」と「感謝」
「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop
4.キートスショップの名前
「Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。
キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。
キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら)