ベジタリアン菜食主義の食事・肉を食べるのをやめると身体に起こる5つの変化とは

公開日:2020年5月23日  関連分類:

 

ここ数十年で世界的に増え出し、耳にすることも多くなってきた

ベジタリアン菜食主義という言葉。

 

日本よりも数段に早くフィンランドではこのベジタリアンの方のためのメニューや食品も数多く扱われています。

 

例えば、

 

多くのレストランではどのメニューがベジタリアン向けのメニューなのかはっきりと記載されていたり、

 

肉を使っていないソーセージや肉の食感に似せた大豆を原料に作られているタンパク源の食品、

 

学食ではベジタリアンだけでなく最近ではヴィーガン用のメニューまで出てくるほど。

 

 

*フィンランドの昔と今の給食メニューが比べられる記事です。

参考:フィンランドの学校給食の歴史と年代別メニュー

 

 

まだまだ限られた人だけがベジタリアンだと思っていたら、

 

フィンランドでは結構多くの方がそうであったりとびっくりされるかもしれません。

 

 

では普段、肉も野菜も関係なく食事をとっている人が、

 

ベジタリアンの食事に変更してみると、どのような変化があるのか?

 

 

ヘルシンキ大学の食物栄養学科で仕事をしているエッシ・パイヴァリンナ博士(EssiPäivärinna)が答えられていましたので、

 

代表的なメリットデメリットの事柄5つを挙げてみましょう。

 

 

 

 

メリット:食物繊維の摂取量が増える

「肉を食べない菜食主義」と聞いてみなさんが一番に気になる栄養素は

 

タンパク質をどう補うかについてでしょう。

 

 

タンパク質は身体の筋肉を作る働きをする大切な栄養素です。

 

 

肉の代わりになるタンパク源として挙げられるのが、

 

例えば、

  • 大豆
  • エンドウ豆
  • ナッツ類
  • 全粒穀物

などなど

 

これらが代表的でしょう。

 

もちろん、これらからタンパク質は補えます。

 

が、、、、

 

最大の変化は、食物繊維の摂取量が増加していることです。

 

肉には食物繊維がまったく含まれていませんが、植物由来の全てのタンパク質源には食物繊維が少なからずあります。

 

高い食物繊維食は腸の健康のために有益な変化を引き起こします。

 

私たちが得る食物繊維が多いほど、腸は通常よりも良くなります。

 

 

しかし、敏感な胃腸の場合、高い食物繊維色をいきなりとってしまうことは大きな負担となり、

 

例えば、トイレの回数が増えたり、胃腸が疲れてしまったりすることも人によってはあります。

 

もし、毎日メイン食が肉を食べてきた人がこのような食事に変更するならば、

 

いきなり全てを変えてしまうのではなく、徐々に慣らしていくのが良いとされています。

 

 

時間の経過とともに身体は食物繊維に慣れるようになるのです。

 

 

 

 

メリット:癌や他の病気のリスクが軽減される

食物繊維の摂取量が増えると、胃が機能するだけでなく腸の代謝も変化します。

 

 

一般的な肉食生活の場合、

 

赤肉や加工肉などによって悪玉菌が増え、

 

腸で形成される窒素化合物(ガス・おなら)が増加しますが、

 

これらの数が少なくなります。

 

 

そうなることによって、まずは明らかに結腸癌のリスクが減少します。

 

 

一方、ベジタリアンの食事は、同時に塩分の摂取量を減らすことになるので、

 

高血圧の人にとっては良い影響を与える可能性があります。

 

 

想像してみるだけでもわかると思いますが、

 

ソーセージやベーコンなどの加工肉製品は塩辛いことが分かります。

 

これらを摂取すると、血圧が上昇することは誰にでもわかることでしょう。

 

 

しかし、植物性タンパク質でも加工されているものは味付けがされていて塩辛いこともありますので注意が必要です。

 

この場合は料理に加える塩の量に注意し、できれば原料から自分で調理するのが最も良い方法です。

 

更にはスパイスなどを上手く使うことによって味の飽きを回避することができるでしょう。

 

 

そして現在、2型糖尿病とブドウ糖代謝に対する菜食主義の影響も研究されていますが、

まだ確実な研究結果はでていません。

 

しかし、これらにも人体に有益な結果が得られるのではと研究が勧められています。

 

 

メリット:食べる脂肪の質が向上する

肉に含まれる脂質を食事から除外すると、食べる脂肪の質が向上するとは?

 

肉の脂肪も害があるとは言えませんが、

 

その代わりに摂取されるナッツ類や種子には、良質の柔らかい脂質がたくさん含まれています。

 

しかし、これが落とし穴になる場合もあり、菜食主義者はこれら脂質を気にせずダイエットのために減量してしまうこともあるので気をつけなければなりません。

 

更には、ダイエットと称して、バターやクリームを食べたから野菜をとるという手段も脂質の改善にはならないので間違った「埋め合わせ」は効果ゼロなのです。

 

これら、質のいい脂質の食事は

 

例えば、心血管疾患の発症に良い影響を与えます。

 

 

デメリット:鉄分の摂取量が減少する

肉は優れた鉄分を含む供給源です。

 

食事に動物性由来の鉄分が不足していると、特に子供や身体の小さな女性の健康に悪い影響を及ぼす可能性があります。

 

これは、植物性由来の鉄分は、動物性のそれに比べて吸収率が低いからです。

 

 

しかし、一般的に成人の鉄分の摂取は菜食でも十分だとされています。

 

 

十分な量の鉄分を確保するため、出来るだけ色々なものを食べることが前提です。

 

 

デメリット:ビタミンB12の摂取量が減少する

一見、菜食主義のほうが摂取するビタミンは豊富なのではないかと思う方も多いのですが、

 

ビタミンでもB12に至っては減少します。

 

 

代わりに、牛乳や卵から得られるものなので、

 

普通のベジタリアンの方は気にして摂取するようにしたい食材。

 

 

しかし、動物由来のものを全く口にしないヴィーガンの食生活では、

 

ビタミンB12のサプリメントを補助食品として摂取するのが良いとされています。

 

 

実は多くの人が肉を食べすぎている?!

フィンランドにはベジタリアン・菜食主義者の方が多いのは確かですが、

 

そうでない肉も口にする人の中では、あまりにも多くの肉を食べているのだそうです。

 

 

肉製品、特に赤身などの肉は週に最大500gが適量とされていますが、

 

フィンランドの男性では平均して週に最大750gを摂取しており、

 

逆に、女性は推奨制限を下回ってるとの調査結果が出ています。

 

 

 

 

肉も含む一般的な食事をするのか、

 

それとも菜食主義の食事にするのかは、個人それぞれですが

 

健康には気をつけたいですね。

 

 

もし、ちょっと菜食のパターンも試してみようかな?と思われたのなら

 

週に2〜3日からベジタリアンフードを試すことが良いでしょう。

 

いきなりの変化は意外にも身体に大きな負担がかかるかもしれないということを頭の隅に置いておきましょう。

 

 

情報・参考:Ilta-Sanomat -Nämä 5 asiaa kehossasi tapahtuvat, kun lopetat lihansyönnin

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