日本では聞かないがフィンランドではたまに起きるストライキ事情。なぜこんなにも違うの?

公開日:2019年11月29日  更新日: 2019年11月30日 関連分類:

※写真はイメージです。

 

日本ではあまり聞かない「ストライキ」ですが、実にフィンランドではたまに起きます。

 

実に当店キートスショップも直接今回フィンランドで起きたストライキの影響を受けています。

 

 

今回フィンランドで起きたストライキ業界・組織は「郵便局」です。

 

一部の商品だけで影響は限定的ですが、日本へ運送する予定の商品一部がすでに2週間フィンランドの郵便局倉庫で寝ています。。。

 

 

そもそもなぜ今回フィンランド郵便局のストライキが起きたのか?フィンランドのストライキ事情はどうなのかを一緒に見ていきましょう!

 

 

 

 

今回フィンランド郵便局ストライキの発生理由:大幅な給与勤務条件の変更

日本にはない慣習ですが、フィンランドでは業界ごとに「労働協約」(Collective Agreement)というものが存在しています。

 

この労働協約は各業界で作られた規約で労働者の権利を守るために存在しています。

 

もちろん、全国のルールとして労働者の基本的な権利は法律で守られていますが、それ以上に細かく規定されているのが各業界で定められた労働協約です。

例えば、この業界では年間有給日数は最低何日間とか、最低賃金はいくらとかが業界によって細かく決められている業界もあれば、そうではない業界もあります。

 

 

今回フィンランド郵便局のストライキが発生する原因はまさにこの労働協約の変更です。

 

 

フィンランドの郵便局(Posti)は従業員2万人を有する国営の大手企業です。

 

今回ストライキの発端は郵便局の経営層は物流の分類配送部門の700人を郵便局本体会社から子会社の「郵便サービス社」(Posti Palvelut Oy)へ移す決定を行ったことです。

この決定によって、700人に適応する労働協約が変わり、守られた権利が変わり、給与も平均30%低下することです。

 

 

2019年8月に発表されたこのことはすぐにフィンランド郵便とロジスティクス組合(Finnish Post and Logistics Union (PAU))の反発を引き起こし、労資交渉を始めたが、合意に至らないまま11月11日からいよいよ郵便局組合がストライキを始めたのです。

 

 

 

 

ストライキがもたらすフィンランド社会影響

ヘルシンキ在住の筆者が目にした郵便局ストライキがもたらした影響は様々です。

 

 

一つ目はもちろん郵便物サービスが停止したことです。

 

たまたまですが、日本行きの商品を11月11日に発送してしまいました。

そのままストライキの影響を直接受け、ヘルシンキの倉庫で2週間以上眠っていました。

 

他に税金関係や政府からの通知書等の手紙も届きません。

 

ただし、命や生活に直結する病院関係の手紙が社会福利局関連の手紙はストライキ中でも届けられるとのことです。

 

 

また、面白いことで、「新聞」は届けられます。

もちろん、新聞は命や生活に直結しないものですが、郵便局のストライキに関係する報道を社会の一般人に届かないとストライキの意味も力も低減するため、新聞を届けることを止めなかったでしょうね。

 

 

他業界からは同情ストライキを発動し、雇用者と政府にプレッシャー

今回のストライキが郵便局という社会基盤サービスであることだけで社会にもたらす影響がすでに大きいです。

 

しかし、ストライキを始めても問題が解決されないことで、他の業界の組合からも同情ストライキを発起して応援するというのも日本でなかなか見ない現象です。

 

 

例えば、ストライキが11月11日から始めて2週間以上経っても解決しない郵便局の労資問題に対し、それぞれの業界の組合が同情ストライキを発動し、郵便組合のストライキと主張に応援する形を取りました。

 

 

その一つは「運輸労働者組合」(Transport Workers’ Union)です。

運輸労働者組合は11月25日に1日24時間の同情ストライキを発動し、ヘルシンキ都市圏の多くのバスが運休となり、フェリーも欠航するとなりました。

このことによって筆者の友達は地下鉄の駅から40分歩いて帰宅しなければならなくなってしまいました。

 

 

 

 

更に「航空労働者組合」(Aviation Workers Union)も同情ストライキを11月25日に発動しました。

フィンエアーはこれで数百便の欠航となり、多くの利用者に影響を及びました。

 

 

次に鉄道組合(Railway Union)も同情ストライキの計画を発表しました。

鉄道もストライキされると、ヘルシンキ近距離の通勤列車も長距離列車も止まるので影響はとても大きいです。

 

 

幸い、郵便局の労資協議が11月27日に無事双方が同意する結論に達し、各業界を含めてストライキがすべて収拾することになりました。

 

 

 

 

まとめ:文化と環境の違いでフィンランドと日本のストライキ事情を大きく左右される

日本では様々な文化背景や経済環境によって近年ではストライキがほとんど見なくなってきました。

 

例えば、「会社に問題があってもお客様まで迷惑をかけてはいけない」という文化心理が働いたり、「全体の経済環境が悪いのでストライキしてもお互いに得しない」という経済環境要素があったりします。

 

フィンランドでは労働者の権利がより強く重視される社会であることがわかりますね。

 

 

交通系のストライキは本当に怖いですよ。

車を持っていなければ、タクシーと足しかないです。

特に冬のフィンランドでは厳しいですね。

 

 

参考・引用:Postal strike delays deliveries as union claims pay set to be cut by 30 percent

参考・引用:Postal workers’ strike attracting sympathy action

参考・引用:Finnair cancels flights over planned aviation workers’ sympathy strike

 

 

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ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら