北欧諸国が様々な評価指数において世界トップを占めていることはもはやニュースではありません。
今回は「社会発展指数」(Social Progress Index)の2020年最新版調査結果が発表されました。
フィンランドは3位にランクされ、日本はトップグループの15位でした。
そもそも「社会発展指数」というのはどういうものでしょうか。
「社会発展指数」は「Social Progress Imperative」というアメリカのワシントンにある非営利組織が調査、計算し、一つの国・社会の成功度を測る指数です。
一言でいえば、「人々がよく過ごしているかどうか」を表す指数です。
この指数の目的は各国の政治家が政策を策定する際に参考にしてもらい、より社会が発展し、人々が幸せに過ごせるようにということです。
社会発展指数は一つの国・社会のどいうところを見ているだろうか?
社会発展指数は主に一つの国・社会の「基本生活の維持」「基礎社会福祉」と「自由と機会」の三つの側面から見ています。
「基本生活の維持」について、「人間が生きていくために必要最低限のものやサービスが用意されているかどうかです。
食料が足りているか?
最低限の医療が受けられるか?
家があるか?
などの質問で評価されます。
「基礎社会福祉」について、生きるだけではなく、最低限の生活品質を保てるかどうか。
基本教育を受けられるか?
情報へ自由にアクセスできるか?(インターネットや図書館など)
健康に生きることができるか?
などで判断されます。
「自由と機会」については最も高いレベルの評価基準で、自由に、高い質の生活ができるかどうか。
人々の権利が守られているかどうか。
人々は自分の人生を自由に選び、生きることができるか。
人々は平等にされているかどうか。
高等教育が受けられるかどうか。
このように「社会発展指数」は人間が生き、人生を実現する道において、「生きる最低限」から「自由に生きる」までを3段階で評価し、一つの国・社会の状況を見ています。
3位のフィンランドと15位の日本で最も違うのは「自由と機会」
この163ヶ国、70億の人口をカバーした社会発展指数ランキングにおいて、フィンランドは3位の座に輝き、日本は15位にランクインしました。
ちなみに、1位はノールウェー、2位はデンマーク、4位はニュージーランド、5位はスウェーデンで、上位15位内の多くはヨーロッパ諸国です。
隣国の韓国は17位、中国は100位、北朝鮮は139位、台湾はデータ不足で未評価です。
では、フィンランドと日本は一体どういうところが違うのでしょうか。
「基本生活の維持」「基礎社会福祉」という人間生活の基礎及び中等レベルの評価において、フィンランドと日本はほとんど変わりません。
最も差が開いたのは高等レベル評価の「自由と機会」でした。
「自由と機会」の評価において、フィンランドは2位に対し、日本は20位でした。
その中の小評価項目「Inclusiveness」(包括性、包容性)では最も大きいな差が表れました。
フィンランドは163ヶ国中、1位に対し、日本は28位に留まっています。
「包括性、包容性」項目では、「社会中の誰でも社会の一員として貢献する機会が平等的に与えられているかどうか」です。
具体的な項目として、「特定なグループに所属することで政治的な利益が得られやすい」「性別不平等」「同性愛者に不寛容的」などが挙げられます。
まとめ:結果を考えられるチャンスに捉えるべき
「社会発展指数」を紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか。
この指数はあくまでも一つの非営利組織が独自で調査し、まとめた結果であり、結果に過ぎません。
フィンランドと日本の結果もそれぞれ違いますが、何がいい、何が悪いと言いたいわけではなく、私や読んでいる読者を含め、一人一人がそれぞれ社会の一員として自分自身のことを考え直すチャンスとして捉えて頂きたいです。
自分のことや自分の社会のことをよりよくしていくためにどうすればいいかを考える一つのきっかけになれればいいかなと思います。
参考資料:2020 Social Progress Index
参考資料:The Social Progress Imperative Blog
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