サウナと健康：心疾患のある方はサウナしてもいい？そのリスクとは？

サウナに入ると汗を流し、体と精神をととのい、非常に気持ちのいいアクテビティです。

しかもサウナと健康との関係性はすでに多くの論文で報告され、体に非常に大きいなプラス効果があります。

参考：サウナは心臓病、脳卒中、高血圧、認知症、脂質異常症を予防できる！【サウナと健康の研究報告総まとめ】

しかし、サウナは健康上のリスクが全くないでしょうか？

注意することがないでしょうか？

今回は医学論文や研究報告のデータを用いてご説明します。

サウナと心臓病、突然死との関係性

結論から申し上げると、サウナが心臓病や突然死を引き起こしたり、関連したりするケースは非常にまれです。

フィンランドでの研究調査によると、１年間に起きた突然死６１７５人の中で、サウナ入浴後２４時間内に起きたのはただ１．７％の１０２人だけでした。

しかも、そのうちの３分の１は飲酒と溺死に関係します。つまり、この３分の１はサウナによる病気の急性発作ではなく、お酒による事故死です。

そして、残りの３分の２のうちの多くは「急性心筋梗塞」の発作です。

しかも、急性心筋梗塞の発作の多くも飲酒と関連します。

つまり、サウナをするときにお酒さえ飲まなければ、心臓発作や突然死のリスクはほぼないことに等しいです。

もう一つ別の研究報告にも同じ結果が報告されています。

１万２千人の３０～５９才のフィンランド人男女を６年間追跡調査した結果、心臓病による突然死が起きたのが７７人でしたが、サウナに関係するのはわずか２人のみでした。

安定型冠動脈心疾患の方にとってもサウナは安全

安定型冠動脈心疾患というのは心筋梗塞など冠状動脈に関連する病気が起きたことあるが、今は安定していて通常通りの生活ができるという状態のことです。

一度は心臓関連の病気が起きたことがあるので、サウナに入っても大丈夫か心配しますよね。

こちらに関しても、研究報告では安定型冠動脈心疾患の患者さんはサウナに入っても問題が起きる可能性が非常に低いです。

サウナに入ることで息切れや胸痛などの症状が出る可能性はスポーツをするよりも低いです。

また、別の研究では、急性心筋梗塞が起きた１０２人は平均７週間療養したのちサウナを再開しました。

この１０２人を１０年間追跡調査しましたが、サウナ入浴中に胸痛が起きたのはただ全体の２％に過ぎません。

日常生活の中で胸痛を訴えたのが全体の６０％にも上るのに。

サウナ入浴は心臓の機能を強化する

サウナは心臓病や心筋梗塞を引き起こす可能性がとても低いだけではなく、そういった患者の心臓機能を強化することができるのです。

研究報告では、１９人の患者を対象に、２週間に１回サウナ入浴を実施し、３ヶ月後に心臓の血液アウトプットが７～８％増加しました。

冠状動脈バイパス手術を受けた１１４人の患者においても、血圧を下げる効果があったそうです。

まとめ：サウナ入浴が心臓や心血管にもたらすリスクが低い

上記の研究結果が示したように、サウナが心臓や心血管にもたらす危険性やリスクはとても低いです。

「お酒を飲まなければ」という前提ですが。

安定した状態の心疾患を持つ方は医師の指示に従い、自分の体調に注意しながら無理のない前提でサウナを楽しんでくださいね。

参考：Benefits and risks of sauna bathing

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