フィンランド式サウナによく入ると心血管疾患の発生率が37%も下がる?

公開日:2018年7月24日  更新日: 2019年12月04日 関連分類:

 

日本の温泉やお風呂のように、フィンランドのサウナはフィンランド人の生活の中に深く根付く文化や慣習で、多くのフィンランド人は毎月、毎週、もしくは毎日のようにサウナに入っています。

もしタル、アルコールとサウナが役に立たないなら、その命はもう助からない」ということわざがフィンランドに存在するほどです。(ちなみに、タルというのは木の樹液から得られるものです)

 

 

しかし、サウナに定期的に入ることで本当に健康に関係するのでしょうか

サウナにたくさん入ることで健康を維持することや向上させることが可能でしょうか?

 

その関係性を示す論文が発表されていますので、その内容を見てみましょう。

 

 

出典:医学系ジャーナルJAMA Intern Med. 2015;175(4):542-548

 

 

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フィンランド式サウナにたくさん入ると心臓に良い!

研究結果を結論から言いますと、「フィンランド式サウナに頻繁に且つ定期的に入浴する人が心血管疾患に患う可能性があまり入浴しない人より低いそう」です。

 

 

サウナに入る頻度は一つ重要な要素ですが、サウナに入る時間の長さも一つの影響要素です。

 

 

毎回サウナに入る時間が「11分間以下」「11~19分間」「19分間以上」の3グループで分けてみると、長く入るグループの人が心血管疾患に患う可能性が低いそうです。

(論文の中では詳細が説明されていないが、おそらくサウナに一回行くことで、サウナ室に入ったり出たりし、サウナ室の室内にいる時間の合計時間ではないかと思われます。)

 

 

結論だけ見て鵜呑みにしてはいけませんので、もう少し詳しく見ていきましょう!

 

 

 

 

「心疾患」というのはどういう病気を指しているか?

今回の研究は2015年に発表された、フィンランド、ジョージア、イタリアの3ヶ国の大学共同研究によるもので、「急性心因性死亡」「致死性冠動脈疾患」「致死性心疾患」を中心に「心疾患の発生」を定義しています。

 

 

ざっくりいうと、「急性心筋梗塞、心停止、狭心症」などの病気が含まれています。

 

 

どのくらいの頻度でサウナに入ればいいのか?

研究対象者は東フィンランドに住む42~60才のフィンランド男性2315名で、フォロー期間は約20年間

 

2315人のうち:

  • 週に1回サウナに入る人:601人
  • 週に2~3回サウナに入る人:1513人
  • 週に4~7回サウナに入る人:201人

週に1回、週に2~3回と週に4~7回の3グループに分けて調査されていました。

 

下記の結果を見ればわかりやすいですが、週4回以上サウナに入ったほうが一番いいです。

 

 

たくさんサウナに入るとどのくらい心疾患を患う可能性が減るの?

約20年のフォローを経て、「急性心因性死亡」「致死性冠動脈疾患」「致死性心疾患」3種類をまとめてみて「心疾患」の発生率は下記の通りです。

 

  • 週に1回サウナに入る人:49.1%
  • 週に2~3回サウナに入る人:37.8%
  • 週に4~7回サウナに入る人:30.8%

 

 

毎週2~3回もしくは4~7回フィンランドのサウナに入る人は週に1回の人より心疾患の発生率が低いそうです。

 

比較すると、週に2~3回サウナに入る人は週に1回入る人よりも心疾患の発生率が23%低いです。

週に4~7回サウナに入る人は週に1回入る人よりも心疾患の発生率が37%低いです。

 

 

直接「サウナに入る」ことと「心疾患の発生」の因果関係が研究されたわけではないですが、「関係性」がある程度示された研究結果となりました。

 

 

 

 

更に、それぞれの心疾患を詳しく見ると、下記の通りにどの心疾患も発生率がたくさんサウナに入ることにつれ、減っています。

 

それぞれのグループの中で「急性心因性死亡」の発生率は下記の通りです。

  • 週に1回サウナに入る人:10.1%
  • 週に2~3回サウナに入る人:7.8%
  • 週に4~7回サウナに入る人:5.0%

 

 

それぞれのグループの中で「致死性冠動脈疾患」の発生率は下記の通りです。

  • 週に1回サウナに入る人:14.9%
  • 週に2~3回サウナに入る人:11.5%
  • 週に4~7回サウナに入る人:8.5%

 

 

それぞれのグループの中で「致死性心疾患」の発生率は下記の通りです。

  • 週に1回サウナに入る人:22.3%
  • 週に2~3回サウナに入る人:16.4%
  • 週に4~7回サウナに入る人:12.0%

 

 

 

 

喫煙や糖尿病などの影響因子を取り除いても結果は同じ

今回の研究では、サウナ入浴の頻度と心疾患の発生率との関係性に影響を与える他の因子を取り除くように、調査、分析されています。

 

喫煙歴、血圧、アルコール摂取歴など心疾患の発生と高い関係性があるとすでに多くの研究で発表された生活習慣が今回の研究対象者においても調査されました。

 

生活習慣が与える影響を考慮した上で算出した数値からも同じく、フィンランド式サウナに頻繁に入る人の心疾患の発生率が低いという結果が出ていました。

 

 

サウナに入る時間の長さも関係する!?

研究対象者のサウナ入浴時間を11分以下、11~19分間、19分間以上と3グループに分けて分析されました。

その結果、11~19分間サウナに入るグループが11分間以下のグループより心疾患のリスクが7%減り、19分間以上のグループが11分間以下のグループより心疾患のリスクが52%減ります

 

 

 

 

なぜフィンランド式サウナは心血管疾患の予防につながるのか?

あくまでも本研究の作者による考え方(仮説)にすぎず、詳しく検証されていない話ですが、ご参考まで。

 

 

一つの理由は、フィンランド式サウナに入浴すると、心拍数が上がり、心臓の筋肉を鍛えたり、心臓の血行をよくしたりすることができるからだそうです。

フィンランド式サウナに入ると心拍数が1分間100~150回まで上がり、スポーツをするときと同じくらいの心拍数なので、心臓や心血管を鍛える効果があるのではないかと言われています。

 

 

もう一つは血管の内皮細胞にいいそうです。

昔の他の研究によると熱療法を行うと、血管の内皮細胞に有益な効果をもたらすことができ、間接的に心血管疾患を予防する可能性があるそうです。

ちなみに、血管の内皮細胞のダメージは多くの血管系疾患の原因とされています。

 

 

 

 

一つの研究には決まった条件があり、決して鵜呑みをしないように

本記事ではフィンランド式サウナと心血管疾患の発生との関係性を示す研究内容を簡単にまとめました。

 

また、わかりにくい学術用語もわかりやすい言葉に置き換えているので、表現上は必ずしも100%正確ではないことをご理解ください。

 

 

更に、あくまでも一つの研究であり、決まった条件で行われているため、研究結果を鵜呑みせずに参考程度にして頂ければ幸いです。

興味ある方は是非詳細を発表論文の原文からご確認ください。

 

 

ざっくりした言葉ですが、たくさんフィンランド式サウナに入ると健康にいいかもしれません

 

 

ちなみに、キートスショップは現在フィンランドの森と伝統的なスモークサウナをまとめて体験できる日帰りツアー開催中です!

 

 

出典:医学系ジャーナルJAMA Intern Med. 2015;175(4):542-548

 

 

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