社会福祉制度が整えているフィンランドでは失業者には失業手当が支給され、この手当を用いて生活している人が少なくありません。
国の財政を考えると、フィンランド政府にとっていかに「失業者」を「就業者」に変えさせていくのが経済活性化の一つ大きいな課題です。
なぜなら失業者は税金貢献がほぼないのに国から失業手当をもらっているに対し、就業者は手当をもらわずに税金を納めているからです。
国の財政と経済にとって失業者と就業者の差がどれだけ大きいかがわかるでしょう。
フィンランドの雇用促進補助金は中央政府からと地方政府からの2本柱
フィンランドでは、失業手当は国(社会福祉局KELA)から支給されます。
所得税(約20~30%)は中央政府に納められ、住民税(約20%)は地方政府に納められます。
そのため、税収を増やし、財政を維持していくため、失業者の就業促進対策は中央政府にとっても地方政府にとっても重要な課題です。
中央政府の経済雇用省(Ministry of Employment and the Economy、一般的にTEオフィス、TE Toimistoという)が失業者の雇用促進策として行われているのは失業者雇用に対する「給与補助」です。
下記のような条件にて失業者の新規雇用に対する給与補助が行われています。
失業者失業期間 | 給与補助割合 | 給与補助期間 |
1年未満 | 30% | 6ヶ月 |
1年以上 | 40% | 1年間 |
2年以上 | 50% | 1年間 |
※失業期間1年以上は「14ヶ月期間中に12ヶ月は失業した」という定義で、2年以上は「28ヶ月期間中に24ヶ月は失業した」というふうに定義されています。
そして、補助額の最大限度は1400ユーロまで(約18万円、ユーロ=130円)です。
なお、この補助金をもらうには下記の条件があります。
- 給与は完全歩合制ではない。
- 新規雇用は既存従業員の解雇につながらない。
- 給与の未払いがない。
- 補助金の支給期間が終わったらすぐに解雇する予定であってはいけない。
つまり、ちゃんと給料を支払い、長期雇用を確保できることが前提ですね。
ちなみに、この給与補助は雇用主(会社)が申請するのですが、失業中で仕事を探している人はTEオフィスに「給与補助カード」(Pay Subsidy Card)を申し込むことができ、このカードを持っていることで、自分を雇う雇用主には給与補助が入ることを知らせることができます。
雇用主にとって自分への給与負担が減ることをアピールすることができ、自分がより仕事を見つけやすくなります。
参考:TE Toimisto Get a pay subsidy card and find a job
ヘルシンキ市の失業者雇用補助金は毎月500ユーロ
そして、フィンランドの各自治体も自分で雇用促進策を打ち出しています。
例えば、ヘルシンキ市では毎月500ユーロまで、最大10か月間まで補助金を失業者の新規雇用に提供しています。
もちろん、この補助金をもらうにはいくつかの基準を満たさないといけません
- 雇用主(会社)はヘルシンキ市在住もしくは在籍しなければいけない。
- この新規雇用にはフールタイムの上司がいないといけない。
- 新規雇用は毎週最低30時間以上のフール雇用が必要。
- 毎月の最低給与は1300ユーロ以上でないといけない。
- 補助金終了は雇用終了に関係してはいけない。
失業中の被雇用者も下記の基準のどれか一つを満たす必要があります。
- 18~29歳の失業者で6ヶ月以上失業中。
- 30~64歳の失業者で24ヶ月以上失業中(28ヶ月期間中)。
- 国から失業手当を300日間以上もらっている。
- 失業者は自治体の就業促進サービスに登録している(例:Helsinki TYP)
しかも、このヘルシンキ市の雇用補助金は上記TEオフィスの補助金と併用でき、同時に両方をもらうことができます!
参考:Helsinki benefit instructions for applicants
ちなみに、ヘルシンキ市となりのエスポー市も似たような施策があります。
エスポー市では月300ユーロを補助するそうです。
参考:Espoo City For the employer
キートスショップはヘルシンキ市に在籍しているため、是非早いうちにこれらの雇用促進補助金を活用して規模を拡大していきたいですね!
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1.フィンランド 北欧というと?
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「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。
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