これは日本にない制度だと思います。
フィンランドでは父親にも産後休暇があり、しかも手当金もあるのです!
フィンランドも日本もそうですが、「産休」「出産時」「新生児」「子供」などそれぞれの段階に応じ、休暇制度と手当金・補助金制度が用意されています。
例えば、「産休」に関しては出産前後の休暇期間で、この期間に対する収入の減少を補填する「出産手当」という制度がフィンランドにも日本にもあります。
参考記事:フィンランドと日本の出産手当を比較:全国民をカバーするフィンランドVS一部しかカバーしない日本
そして、「出産時」に対し、出産費用が掛かりますが、出産費用に対する補助する手当金も同じくフィンランドと日本にあります。
参考記事:フィンランドと日本の出産費用と手当を比較:国からの手当補助額は?
これらの補助金や休暇制度は母親に対して設けられています。
となると、父親は?という疑問が生じます。
日本にはないですが、フィンランドには父親の産後休暇と手当金制度が存在しているのです!
※日本の場合、父親の休暇と手当金制度は「育児休暇」と「育児休業給付金」に含まれています。
フィンランドで父親は9週間の産後休暇及び手当金がもらえる!
フィンランドで母親は「出産手当金」(Maternity Allowance/Äitiysraha)がもらえます。
この「出産手当金」は産休に入ってから約4ヶ月(日本は3か月、フィンランドは4ヶ月)の期間にわたって収入が減ることを補填するための制度です。
この「出産手当金」は母親がもらえるのですが、実に父親ももらえるのです。
母親がもらう「出産手当金」は英語で「Maternity Allowance」で、フィンランド語で「Äitiysraha」と言います。
父親がもらう「出産手当金」は英語で「Paternity allowance」で、フィンランド語で「Isyysraha」と言います。
父親が取れる「産休」は最大約9週間です。
※もちろん、子供をお産むのは母親ですが、父親にも子供の誕生に合わせて休暇と手当金がもらえます。
9週間のうち、最大3週間は母親の産休期間や育休期間とかぶっても大丈夫です。
(手当金をもらいながら子供の世話を見るのは基本的に一人の親です。父親と母親が同時に手当金をもらいながら子供の世話を見るのは3週間まで)
双子が生まれたなど二人以上の子供が生まれたら、二人目以上は一人につき、父親に追加3週間の産休期間と手当金が認められます。
父親がこの産休と出産手当金をもらえるのは子供が生まれた日から2歳になる日の2年間内です。
取得期間は母親の産休が終わってからでもいいですし、育児休暇が終わってからでもいいです。
※育児休暇は片側の親のみもらうことができ、母親の産休と父親の産休と別でカウントされます。
父親への出産手当金はフィンランド全国民が対象で、最低月9万5千円支給される
父親の「産休」である最大9週間の休業期間中に父親に対する「出産手当金」(Paternity allowance/Isyysraha)が支給されます。
この父親の出産手当金は母親の出産手当金と同じで、年収によって金額が変わります。
無職、学生など年収11943ユーロ(約155万円)以下の場合、出産手当金は一日27.86ユーロ(約3600円)です。
そのため、1ヶ月の最低収入が約725ユーロ(約9万5千円)となります。
仕事をしている会社員、フリーランス、自営業の方であれば、より高い出産手当金がもらえます。
例えば、月収22万円の方であれば、出産手当金で1ヶ月約16万円の収入を確保できます。
なお、出産日までにフィンランド国民健康保険KELAに180日間以上加入していないと受給できません。
ちなみに、養子を受け入れる場合は自分の子供が産まれた場合と同じに父親にも産休と出産手当金がもらえます。
そのため、同性愛者のカップルでも同じ権利を有します。
日本では父親は育休でさえほとんど取得されていないのですが、フィンランドでは育休だけではなく、産休と手当金まで用意されています。
さすが社会福祉大国のフィンランドと感じますね。
参考・引用:Kela Paternity allowance
参考・引用:Kela Amount and payment of parental allowances
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