フィンランドは女性にとって生きやすい国なのか?

公開日:2018年8月7日  更新日: 2019年11月30日 関連分類:

 

あくまでも男性である筆者が見てきて感じてきたことにすぎませんが、フィンランドはかなり女性にとって優しい国ではないかと思います。

 

しかし、それは本当なのでしょうか。

いくつかの側面から見ていきたいと思います。

 

 

既成概念(人生のレール)のない、自由なフィンランド社会

日本の社会にははっきりした人生のレール(過ごし方、人生のステップ)が存在すると筆者は感じます。

 

学校→就職→結婚→子育て→定年」というのが典型的なレールと言えるでしょう。

 

しかし、フィンランド社会にはこのような概念があまり存在していないのです。

 

「学校→就職→結婚→学校→子育て→再就職」という方もいれば、

学校→学校→結婚→起業→子育て→再就職→離婚・再婚」という方がいてもおかしくありません。

 

男性にとっても女性にとっても同じで、人生には決まった「型」がありません。

 

 

 

 

自由に生きるフィンランド人女性

日本の社会文化では、男性と女性をかなり明確的に分けられています。

 

外見のファッション、職業、行為など様々な面を見るとわかりやすいです。

「結婚退職」

「子育て」

「家庭主婦」

などは正に女性に型をはめたような表現と考え方ではないでしょうか。

 

フィンランドにはこれらのような考え方がほとんど存在していません。

 

事務職・総合職という職種の分け方もなければ、女性だけが子育てをすることもとても珍しいです。

 

職業に関し、20代で起業する女性もいれば、50歳でもう一度大学に入って新しい専門を勉強する女性もいます。(もちろん、男性にとっても普通です)

「一般的」な人生を歩まないことで、変な目で見られることを心配したり、不安に感じたりすることより、周りから祝福されて勇気を出してチャレンジしていくことが多いと感じます。

 

自由に進めたい方向に進むことができる国です。

 

「もう〇〇歳だから、〇〇したほうがいいじゃない?」よりも「もし〇〇したいなら、やってみたほうがいいじゃない?」です。

 

自由な人生と選択が尊重されるフィンランド社会では特に女性にとって生きやすい国ではないかと思います。

 

 

 

 

スローガンだけではなく、実質上男女平等なフィンランド社会

フィンランドにおいて性別の差が全くないとは言えないが、比較的にとても小さいです。

 

就業率のデータから見ると何が違う?

実際生活の中でもそう感じますが、ここでいくつかのデータを参考に見てみましょう。

 

一つ目は両国の男性と女性の就業率について比較してみます。

フィンランド15~64歳国民の就業率(2017年年間データ)

  • 男性:71%
  • 女性:69%

男性と女性の就業率の差がわずか2%です!

フィンランド統計局より

 

その一方、日本はどうでしょうか。

日本15~64歳国民の就業率(2017年データ)

  • 男性:83%
  • 女性:67%

男性と女性の差が16%です!

内閣府男女共同参画局より

 

他に管理職の女性割合などを見てもフィンランドの30%台に対し、日本は10%台に留まり、その差がわかりやすいと思います。

 

フィンランドの女性の就業率が高いということはある意味、女性が社会進出しやすく、結婚後も出産後も働き続くことができ、キャリアーに通じた自己実現に繋がりやすい国(社会)ということを示しています。

※子供が保育園に入れず、女性が社会復帰できないというようなことはフィンランドにありません。

 

 

また、政治や投票に関する権利について、女性に男性と100%同じ権利を与えたのはフィンランドが世界初(1906年)です。

グローバルジェンダーギャップレポート2017でも世界第3位にランクインしています(世界経済フォーラム発表)。

 

 

 

 

フィンランドの社会意識の角度から見てみるとどうなの?

昔の戦後時代のフィンランドは日本のように子育てや家事などの仕事には女性中心だったかもしれませんが、今は父親も母親も一緒に分担するのが一般的です。

 

洗濯、掃除、保育園の送り担当、迎え担当、食事を作るなども基本的に分担して一緒にやります。

 

常識なんです。

会社の上司にとっても常識なんです。

 

男性は休みが取りにくいとか、早く帰れないなどを理由にして家事や子育てのことを女性に押し付けることがほとんどありません。

 

更に、フィンランドの会社は残業がとても少ないです。

出勤は8時ごろと少し早いですが、毎日大体16時くらいに退社するので、父親と母親で一緒に分担すれば子育てのストレスを減らすことにも大きく繋がります。

 

 

 

 

女性を支えるフィンランドの社会福利制度

女性にとって最も強力なサポートの一つは社会福利制度です。

※女性というより、社会の弱者をサポートする社会福利制度と言ったほうが正しいと思います。

 

 

子育てを例に例えると……

子供を産むにも、保育園に預けるにも、育てるにも国が全般的にサポートしてくれます。

子供を産む前から産んでから子供がまだ小さいごろまでネウボラというケアセンターがサポートしてくれます。

同じ看護師がずっと担当し、無料で利用できる安心なシステムです。

 

親が働くなら保育園は年収によって手当てが支給されることもあり、もちろん待機児童の問題も存在していません。

お父さんもしくはお母さんが子供の世話をするなら給料の半額以上の手当てをもらうこともできます。※一定期間中。

 

小学校から博士までも全て教育費無料で、予備校や塾もないので、子供を産むたびに教育費の用意や貯金に頭を悩ませることもほとんどありません。

 

 

 

 

住宅手当を一例に例えると……

フィンランドには様々な手当てがあります。

その多くは社会の弱者を支援するものです。

 

その中で、最もわかりやすい手当ての一つは「住宅手当」です。

収入が低い人へは国から住宅手当が提供され、居住エリアと収入額によって最大家賃の8割まで補助する制度です。

 

そのため、事情によって生活が厳しい状況に陥ったとしても国から援助をもらう可能性が他の国より高いです。

また、女性の場合、妊娠したという社会的に弱者の状態(暫く働けないなど)になったとしても様々な面でサポートされます。

 

性別にかかわらず、社会の弱者もしくは弱者になりやすい人々への支援が充実しているのはフィンランド社会福利制度の特徴です。

※もちろん、フィンランド政府も財源確保や補助額の削減など様々な問題にも直面し、サポートが足りていない部分もありますが。

 

 

社会意識、法律の整備、社会福利制度の整備などの要素によってフィンランドは女性にとてもやさしい国へ

フィンランドが女性にとって生きやすい国になっている(もしくは筆者が感じた)背景には様々な要素が存在し、交互して働いているからです。

 

社会の人々が女性を尊重し、平等に扱い、国からも法整備や福利厚生制度整備によってサポートされているからこそ、実現されていると思います。

これからもどんどん進んでいくことを期待します。

 

 

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