フィンレイソンの社会、女性、環境にやさしい経営理念とは?

公開日:2018年11月22日  更新日: 2019年12月04日 関連分類: 

 

北欧・フィンランドの寝具、テキスタイル、織物製品の著名ブランドであるフィンレイソンFinlayson)は今から遡って198年前の1820年創業の老舗です。

 

もうすぐ創業200年を迎えるフィンレイソンには実にとても尊敬させられる経営理念を持っています。

 

偶々ですが、筆者がフィンレイソンのことを読んでいる時に見たのです。

 

生産、経営の透明化、地球環境の保護、フェアトレード材料の使用、品質保証へのこだわりなどキートスショップとしても学ぶべきことが多々あります。

 

是非ご紹介させて頂きたいと思います。

 

 

経営理念を分かり合える企業としか提携しない

フィンレイソンは自分の経営理念を持って毎日の行動に貫いています。

自社の理念と異なり、社会に価値をもたらせない会社とはいくら取引金額が大きくても一緒に仕事しないそうです。

 

 

その最も有名な一例は、もともとフィンレイソンの大手顧客であるフィンランド小売チェーンの「Kärkkäinen」(カルッカイネン)です。

 

カルッカイネンはフィンランドの北部を中心に大型生活用品雑貨モールを5店舗も持つ小売りのチェーン店です。

2015年当時フィンレイソンから毎年10万ユーロ(約1300万円)の取引もある大口顧客です。

 

 

 

 

しかし、2015年に大手小売りチェーンのカルッカイネン社のオーナーが同時に所有するメディアのMagneettimedia紙が人種差別に関する記事を発表していました。

この事件はフィンランド当局にも45000ユーロ(約600万円)の罰金が科されました。

 

この事件によって、フィンレイソンは人種差別主義を提唱するような会社と提携できないと判断し、カルッカイネン社とは全ての取引を中止すると発表し、人種差別は断固反対する自社の経営理念を貫きました。

 

その時、フィンレイソンの社長であるクルッティラ(Kurttila)はこう言いました。

「自社の財務上ではとても難しい判断でしたが、フィンレイソンは会社の社会責任に対し、具体的な行動に基づいたメッセージを出す必要があります」

 

参考資料:Moomin Sheets Manufacturer Finlayson Stops Cooperating With a Department Store Because of Racism

 

 

掛け布団&枕カバーセット:新・海のオーケストラ号・ムーミンパパの思い出 2017 / FINLAYSON / フィンランド 北欧

 

 

2020年までに二酸化炭素排出量とプラスチック包装の20%削減

地球温暖化の問題はもう無視できないところまで来ています。

 

地球環境と我々の自然を守るため、フィンレイソンは2020年までに製品生産のために排出される二酸化炭素を20%削減するそうです。

また、製品を包装するプラスチック材料も20%減らしていきます

 

 

フィンレイソンの統計によると、製品製造プロセスの中で最も二酸化炭素の排出量が多いのが「綿の生産」です。この部分が全体の約半分の二酸化炭素排出量を占めています。

そのため、コットン原材料の需要を減らすため、フィンレイソンは現在テキスタイル製品のリサイクルに乗り出しています。

コットン材料の回収により、二酸化炭素の排出量を抑える試みがされています。

 

 

また、製品を発送する際に使う段ボールの使用も削減しようとしています。

「リパック」サービスを使用し、外部の梱包材料を全て届ける際に回収し、無駄のないように使い続けるのです。

 

 

 

 

平等な労働環境且つチャンスが与えられる仕事内容

フィンレイソンは2015年に従業員130名を持っており、継続的に成長しています。

 

 

驚いたことに、130名の従業員のうち90%が女性で、男性がわずか10%です!

しかも従業員の半分が若手の35歳以下です。

 

勤務環境が女性にとてもやさしいということも想像できますね。

 

今後は一個人一個人の仕事内容の平等性やキャリア発展の機会に重点を置いてさらなる改善を進めていくそうです。

 

 

ブランケット:ムーミン谷マップ 2017 / FINLAYSON / フィンランド 北欧

 

 

下請け製造業者の法令順守の確認

フィンレイソンは本社をヘルシンキに置き、デザイン、製品開発、本社管理などの機能を持っていますが、製造はほとんど海外の下請け業者にお願いしています。

 

2015年生産の58%はトルコ、18%はベルギー、13%はラトビア、3%はパキスタン、2%は中国、2%はフィンランド、1%はポルトガル、3%はその他となっています。

 

 

フィンレイソンとしては下請け製造業者もちゃんと法令を遵守し、従業員に不法労働をさせないように監査を広げています。

2015年に監査を行った下請け製造業者が15%に留まっていたが、2020年には80%に達するように目標が建てられています。

 

 

継続的に製品の品質を維持、改善していく

フィンレイソンの製品はとても高い品質を有することで名高いです。

 

 

品質テスト、Oeko-Tex化学残留物試験、アレルギー認証試験などをクリアし、高い品質が保証されています。

2015年の不良品率はわずか0.06%に留まり、今後も同様の低い不良品率を維持していくそうです。

 

また、永続的に使用可能な原材料の使用を拡大するように進めています。

2015年のフェアトレード原材料の使用は4%のみでしたが、2020年にはフェアトレード、オガーニック、リサイクル原材料を含め、全部の原材料の30%まで拡大するそうです。

 

このように製品の高い品質を保証しながら永続的に調達可能な材料に切り替えるように努力していくのはとてもいいことですよね。(もちろん、ある程度コストが高まりますが)

 

 

掛け布団&枕カバーセット:ムーミンママとローズガーデン 2017 / Finlayson / フィンランド 北欧

 

 

売上の継続成長と雇用の増加

会社として売り上げの継続成長は最も基本的な目標です。

売上や利益が増加していくからこそ雇用を増やし、税金をより多く納めることができ、社会に貢献できるのです。

 

 

フィンレイソン2015年の売り上げは2290万ユーロで(約30億円)、今後は永続的に成長できるよう、環境の変化に対応しながら施策を実行していくそうです。

 

ちなみに、2015年の主な支出について、売上金額に対し、約50%が原材料の支出で、約15%が人件費です。

 

 

このようにフィンレイソンは社会に有益な会社として中長期戦略をまとめています。

筆者としてもフィンレイソンの製品も支持したいですね。

 

 

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2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

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Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

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