男女平等という面から見ると、フィンランドは世界中でも進んでいる国です。
例えば、フィンランドでは就業率において女性と男性はほとんど変わりません。
2017年のデータでは、フィンランド男性の就業率は71%、女性は69%です。
対して、日本は男性83%、女性67%です。
男性が外で稼ぎ、女性が家で主婦をするというスタイルはフィンランドの現代社会では非常に少なくなってきました。
政治の分野においても、フィンランドの女性は大きく躍進しています。
フィンランド国会は現在女性議員が47%を占め、ほぼ半分です。
国会議席数の多い8政党のうち、5政党の党首は女性です。
更に、現在フィンランド内閣では、女性大臣の数は男性よりも多いです。
参考記事:フィンランドの政治分野が女性中心に!主要8政党のうち5名の党首が女性
そして、今回はイギリスの調査会社Deloitteが発表したデータをもとに、フィンランドと世界諸国一般企業の取締役に占める女性の割合が発表されました。
フィンランド一般企業の女性取締役の割合は32%
Deloitte社が行った調査では、フィンランドの一般企業47社を調査し、2018年の女性取締役割合は約32%でした。
この比率も年々成長し、2014年には22%、2016年に25%でしたが、2018年には大きく伸びました。
世界で女性取締役の割合が30%を超えた国は6つだけです。
ノールウェー(41%)、フランス(37%)、ベルギー(30%)、フィンランド(32%)、スウェーデン(33%)、ニュージーランド(32%)です。
この中で、法律で「女性取締役を一定の割合以上にしなければいけない」と定められたのがノールウェー、フランスとベルギーです。
ノールウェーとフランスは女性取締役40%以上、ベルギーは3分の1以上しなければいけないと法律に決められています。
この3ヶ国に対し、フィンランド、スウェーデンとニュージーランドは法律条件がない状態で女性取締役の割合を伸ばしてきたのがすごいと思いますね。
ちなみに、東アジア諸国も見てみましょう。
中国は女性取締役の割合が11%で、韓国は2.4%で、台湾は9%で、日本は5%です。
日本政府が2013年に打ち出して目標である「2020年に女性取締役30%」という目標に対し、遠く及ばないですね。
なかなか日本で女性が会社の重役になるには社会意識、環境条件など様々な側面がまだまだ足りないという感じです。
フィンランドでも本当の男女平等になるまではまたまた道のりが長い
フィンランドの男女平等は世界でも進んでいる国とはいえ、本当の男女平等まではまたまた道のりが長いと言わざるを得ません。
例えば、「子供を産むのは女性」という生物的に変えられないことはフィンランドにおいてもキャリアに影響は出ます。
これはあくまでも一因ですが、他にある様々な原因を含め、結果的に女性の平均給与は男性よりも低くなります。
2016年のデータによると、18~29歳のフィンランド女性は平均月収1560ユーロ(約20万円)に対し、男性の平均月収は1988ユーロ(約26万円)です。
30~39歳のフィンランド女性は平均月収2428ユーロ(32万円)に対し、男性の平均月収は3350ユーロ(44万円)です。
※ユーロ=130円。
他に女性において頻繁に起きるセクハラ、女性年長者において高い貧困率などもフィンランドの社会問題、男女平等問題として課題がまだたくさんあります。
フィンランドでは男女平等というテーマにおいて、世界の他の多くの国よりも進んでいます。
しかし、その同時にたくさんの課題もまだ残っています。
2019年の国会選挙で女性の割合が47%にも達したので、政治の面、法律改正の面から、これからより男女平等に進んでいけるのではないかと筆者は思います。
これから更なる男女平等の社会を期待したいですね。
参考・引用:Deloitte Global’s latest Women in the Boardroom report highlights slow progress for gender diversity
参考・引用:男女共同参画局 上場企業における女性役員の状況
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