
フィンランドは冬に近づくにつれて、色々な飾り付けがお家や店頭などよくで見られます。
日本もそうですよね。お正月だと門松だったり、七夕だと笹だったり、、。
この時期フィンランドではクリスマスツリーなどキラキラしたもの以外にもシンプルでお洒落なヒンメリ(Himmeli)と言う飾りをよく目にします。
色々な形があってクリスマス時期でなくても飾っておきたくなるようなヒンメリ。
実はこれ、伝統的なものなんですよ。

伝統的と言う割にフィンランド起源ではなかったヒンメリ
早速、ドヒャーっとズッコケてしまいそうではありますが、
そう、「伝統的」と言うだけあって実はフィンランド起源ではなかったんです。
ずっと長い間ヒンメリはフィンランド起源だと考えられて来ました。
しかし、実際には北から中央ヨーロッパの方にも昔からあったのです。
しかも!このヒンメリ、実はスウェーデンからフィンランドに伝えられて広まりました。やっぱりフィンランドはお隣の国スウェーデンからの影響が昔から多くあります。
このヒンメリ(Himmeli)と言う名前もスウェーデン語の「空」と言う単語の「Himmel」に由来しています。
天井から吊り下げる飾りはライ麦の藁でできたピラミッドのような構造をしています。
ヨーロッパの教会では天井からシャンデリアの照明を思わせるような、円になったキャンドルホルダーが吊るされているのですが、
フィンランドの人々は教会のこのキャンドルホルダーを見て真似、同じようなスタイルで藁の装飾を家の中に飾りはじめたのが最初のきっかけです。
ヒンメリ、フィンランド現代人にとっては唯一の伝統的なクリスマスの飾りではありますが、かつては豊作を願うもので装飾の大きさも重要なうちのひとつでした。
大きければ大きいほど収穫をもたらすと信じられていたので、クリスマス時期だけでなく、真夏まで天井に飾られていたようです。

フィンランド伝統のクリスマス装飾品だけどそこは現在のヒンメリは昔とちょっと違う
現在ではかつての「豊作を願うヒンメリ」ではなく「クリスマスの喜びをもたらすヒンメリ」とされています。
どうしてこのように変わってしまったのかというと、
昔、このヒンメリは若い女性や少女がクリスマスの仕事として作るのが当たり前だったので、「仕事」という感じから「行事」のようになりました。
ヒンメリが出来上がる時期が冬ということもあり、クリスマスの飾り付けになったということです。
その昔、ヒンメリは藁のみで作られてはいませんでした。
紙で作った花や卵の形を残した殻、ライ麦の実などなど、ヒンメリには色々なものがついていたんです。
1800年代、クリスマスツリーがフィンランドに上陸したのですが、残念なことに、これを機にヒンメリがフィンランドの人々から忘れられ始めたのです。
1930年代から40年代、ヒンメリを愛した女性たちが「これはちょっといかがなものか」と伝統であるヒンメリをまた復活させようと、一般ウケしやすい藁だけのヒンメリの作り方で世の中に広め始めました。
そしてまた現代にヒンメリの人気が戻って来たのですが、かつて作られていたような藁だけでなく色々なものがついたヒンメリは好まれず、やはり一般ウケを狙った藁だけのヒンメリが愛されるようになったのです。
クリスマスの飾り付けとは言いますが、シンプルなデザインがフィンランド人に好まれ、現代ではクリスマス時期以外にもインテリアデコレーションとして親しまれています。

フィンランドの伝統装飾品ヒンメリは現在でも人気

情報・写真引用:MINISHOW -Kuinka tehdä Himmeli?
「伝統的なもの」というと古い地味なイメージがどこかにありますが、そうでもありません!!
シンプルで何処にでも何にでも馴染みやすいのがいいところ!
こちらのお洒落なインテリア雑誌にも載せられることがよくあります。
しかも、藁で作られたものだけでなく、白や黒のモダンなヒンメリだってあるんですよ。
そして、インテリアの飾りだけではなく、ヒンメリのピアスやネックレスなどアクセサリーにもなっています。
まだまだ今でもとっても人気で本屋さんへいくと、作り方の本と創作キットも売られています。

もし寒い時期、フィンランドにご旅行なさった時はより多くのヒンメリを目にする事と思います。インテリアとして飾るヒンメリは日本に持って帰るのは難しいと思いますが、アクセサリーや創作キットだったらスーツケースに充分入る大きさですので、お土産にもおすすめですよ。
情報・引用:Vastaranta -himmeli historiaa
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