日本でフィンランド語に触れることはあまりないですが、
フィンランドが好きならば、いつかフィンランドの方と交流を持つ機会があるかもしれません。
前回は、日本人とフィンランド人の「はい/いいえ」の使い方の違いをお伝えしましたが
(学校では教えてくれないフィンランド語の使い方・「はい/いいえ」どっち?)
今回は、「行く/来る」の使い方についてです。
これがまた日本とフィンランドでは違った使い方をする場合がよくあります。
そして、更にはもう1つフィンランド語には「行って来る」という単語の、
今回は合計3つの活用をお伝えします。
フィンランド人と日本人の感覚、どこが違う?
時々、フィンランド語は英語の感覚と似ている時があります。
英語に慣れている方は気づきやすいことですが、英語が苦手な方はあまり気づかない事も多いはず。
さて、どこがフィンランド人にとっては「?」と感じるのか、まずは例文クイズです。
その1.
フィンランド人Aさん「今日は何時ぐらいに私の家に来るの?」
日本人Bさん「じゃ、17時ぐらいにあなたの家へ行くわ。」
その2.
フィンランド人Aさん「仕事の後、ヘルシンキ駅で待ち合わせはどう?」
日本人Bさん「いいよ!じゃ、仕事終わったら駅に行くよ!」
その3.
フィンランド人Aさん「昨日のパーティ、どうして来れなかったの?」
日本人Bさん「風邪を引いてしまって行けなかったんだ。」
これらの会話、日本人からすると普通な会話ですが、フィンランド人からするとちょっと不自然です。
フィンランド人にとって「行く」は他人行儀に聞こえる事もある
先ほどの例文クイズ、分かりましたでしょうか?
日本人Bさん、いつも「行く」という単語を使っていましたね。
「行く」という単語を使うとどのように伝わるのかちょっとみてみましょうか。
フィンランド人Aさん「仕事の後、ヘルシンキ駅で待ち合わせはどう?」
日本人Bさん「いいよ!じゃ、仕事終わったら駅に(私は私で)行くよ!」
フィンランド人Aさん「え、、、今日、一緒にご飯食べに行かない?行く?どっち?」
「行く」という単語を使ってしまうと単独行動として「行く」というニュアンスで相手に伝わってしまうのでフィンランド人にとっては他人行儀に聞こえてしまうことがあるんです。
フィンランドでは聞き手がいるところへ自分も向かうことを表す時は「来る」を使います。そうすることで相手への聞こえ方が全く違うように、、
フィンランド人Aさん「仕事の後、ヘルシンキ駅で待ち合わせはどう?」
日本人Bさん「いいよ!じゃ、仕事終わったら駅に(私もあなたと同じ所へ)来るよ!」
どうですか?聞こえがいいでしょう?
もちろん、「行く」という単語を使っても全くの間違いではありませんがやっぱり相手に気を使うなら「来る」という単語を使ったほうがモヤっとしないもの。
うまくコミュニケーションを取って楽しい時間を過ごしたいものですよね。
日本人はトイレに行きっぱなしで帰ってこないの?!
お友達何人かとカフェでお茶している時、「ちょっとお手洗い行くわ」なんて宣言をしてから行くのは関西人に多く、関東の方ではシレッと行くのが普通だとか聞いたことがあります。笑
ちなみに私は関西人。胸張って宣言してから行きますよ!!笑
さて、フィンランドでもこれこれこれ!
「トイレに行く」という短い文章がおかしく聞こえます。
何がおかしいのか、どこがおかしいのか、、、フィンランドでは胸張っていう事ではありません。
フィンランド語には「行く」「来る」のほかに、もうひとつ単語があります。
それが「行ってそして戻って来る」もしくは「訪れる」という意味のキャユダ(Käydä)という単語。
「トイレに行く」ではなく「トイレに行って戻る来る!」と宣言しなくてはなりません。笑
そうでないと、
「トイレに行く(そして戻ってこないよ)」という意味になります。
これは、、、!!!!!
いやいやぜひ、戻ってきたいです!
もうね、これがフィンランド語を習い始めた当初の私には使いにくかった単語でした。
どの辞書を見ても日本語では「訪れる」ぐらいの訳しかなくって、
「なんでトイレ行くのにわざわざ訪れるなんて言わにゃならんのだ大袈裟な!」と変に思っていました。
この単語はトイレだけでなく、スーパーでもカフェでもジムでも「行く」を使わずに「行って戻って来る」の単語キャユダを使います。
行きっぱなし、もしくはかなり長い期間、帰って来る予定がなければ「行く」を使っても大丈夫ですよ。例えば旅行の場合は「行く」を使いましょう。
単語の意味だけを理解していても、実際活用するとなるとまた違った理解が必要です。こういう事は、なかなかレッスン教室や学校では教えてくれないもの。
ちょっと知ってるとフィンランドの方とのコミュニケーションも楽しくなりますね。
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