フィンランドの教育は学生のストレスが少ないことで有名です。
塾も予備校もなく、宿題も少なく、試験やテストも少ないなどはよく聞きます。
では、大学に入るときにどのように評価され、その評価プロセスには全くストレスがないのでしょうか。
今日はフィンランド人友人の一人に彼の高校生活と大学入試について聞いてみました。
フィンランド人友人の背景
友人のKさんは現在アールト大学ビジネス学士の4年生です。
彼の出身はフィンランド北部のロヴァニエミです。
高校まではフィンランド北部の森の中で生活していましたが、大学に進学することに連れ、ヘルシンキに来ました。
彼とは言語交換ということをやっており、お互いの言葉を教え合うことで私は彼からフィンランド語を練習させてもらっています。
フィンランドの高校生活ってどんな感じ?
下記はKさんからの答えです。
高校の授業は朝8時から始まり、午後の3~4時くらいに終わります。
一日の宿題量は大体1~2時間くらいかかります。もちろん、その日の科目と授業にもよりますが。
高校3年間で結構多くの科目を勉強しましたね。数学、物理、化学、心理学、社会学、健康保健、哲学、歴史、生物、体育、スウェーデン語、フィンランド語、ドイツ語を勉強しました。
ドイツ語は必修ではないですが、他の多くの科目は必修でした。ただどれが必修ではないというのはあまり覚えてないです。
学期というものがなくて、学年というものしかありません。
科目は通年で教えられ、その中で夏休みと冬休みがあるという感じですね。
そして、それぞれの科目に1~2か月ごとに1回の試験があります。
フィンランドの高校の授業は全員同時に進行するわけではなく、個人の状況によって進めて行きます。
通常は3年ですが、早い人は2年で卒業できるし、ゆっくり進めて行きたい人は4年かかってもおかしくありません。
うまく授業を取っていけば3年目には結構自由時間ができます。
授業を全部取り終えたら卒業できますが、大学に入学したい場合は全国統一大学入学試験を受けます。
私は高校一年と二年の時に授業終わったら大体そのまま家に帰ります。
三年の時に時間があるので、サーモン養殖場でバイトしていました。
通常、授業が若干少ない3年目に全国統一試験の準備をし、大学入試の準備もします。
成績は絶対評価ではなく相対評価
筆者が聞いていて面白いと思ったのはその評価制度です。
筆者の知っている評価方法は試験を受けて正解と不正解で点数が出ます。その点数によってこの科目が合格か不合格かが決まります。
しかし、フィンランドの高校は違います。
同じ試験をクラス全員が受け、そして、全員の出来具合で評価されます。
- トップ5%:成績L
- 次の15%:成績E
- 次の20%:成績M
- 次の24%(平均がここにあります):成績C
- 次の20%:成績B
- 次の11%:成績A
- 最下位5%:成績I
といった感じで相対評価をしています。
筆者が感じた利点は、クラスの成績は異なる先生によって変わることが少なく、学校間のリソース差異による成績の差も見えにくくなります。
その反面、全員高成績ということはほぼ不可能になりますね。そして、全員が一緒に頑張ってもさぼっても真ん中の成績の人が増えるだけで、全員の学力が高いということを反映できないでしょうね。
※写真中はKさんです。この間一緒に釣りに行った時の写真です。正面顔写真NGとのことで撮影していません。
大学入学
基本的のそれぞれの大学はどのように学生を選ぶかを自分で決めることになります。
Kさんが受けたアールト大学の経済学部には3種類の入学方法があります。
一つ目は全国統一試験の成績を持って入学することです。これは入学定員の20%占めます。
もう一つは全国統一試験とアールト大学経済学部の入学試験を両方合わせて評価されて入学することです。これは入学定員の60%を占めます。
最後は全国統一試験を全く考慮せずにアールト大学経済学部の入学試験だけを評価されて入学するおことです。これは入学定員の20%を占めます。
つまり、基本的に「全国統一試験」「独自の入学試験」「面接」が大学に入れるかどうかの重要な評価方法になっています。しかし、どれか一つのみの場合もあれば複数の方法合わせて評価することもあります。
一回の試験ですべて決まるという方法よりよほど柔軟性があるというふうに感じますね。
最後に
あくまでもフィンランド人の一人に対するインタービューだったので、あまり深堀できなかったのは惜しい感じがしますが、これからもどんどんフィンランド教育をより広くより深く知っていきたいと思います。
実はフィンランドにも浪人がいます。別の友人になりますが、高校卒業してすぐ大学に入れない人もいます。大学に入りたいならもう一年勉強してもう一回試験に挑むしかありません。
なので、全くストレスがないということもないでしょう。
短い内容ですが、これで少しフィンランド教育のことを理解して頂ければ嬉しいです。
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ショップコンセプト
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