『スナフキンの熱狂的ファン』ティーティ=ウー:ムーミンキャラクター紹介

公開日:2019年6月22日  関連分類:

※写真は書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の仲間たち』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行

 

見た目も思想もかっこいいスナフキンのファンはたくさんいることはみなさんもご存知ですよね。

物語の主人公であるムーミンをおさえて人気投票1位に輝いたこともあるくらいの人気っぷりです。

 

が、実はムーミンの物語の中にも熱狂的なファンがいることを知っていますか?

 

 

ムーミンのたくさんの物語の中でもほんのわずかしか登場しないのですが、そのエピソードから密かな人気があるキャラクターである、「ティーティーウー」についてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

ティーティーウーってどんなキャラクター?

ティーティーウーは、森の中に住む、ちいさなはい虫のひとりです。

 

 

「虫」とつくものの、いわゆる虫ではなく、小さくてたくさんいる生き物たちのことを総称したもののようです。

 

はい虫は集団で生活していて、いつも自信なさげに、おどおどとしています。

 

 

はい虫の中にも種族があり、クニットクリュープのふたつに分かれています。

 

クニットは小さなヒト型の種族で、

クリュープは毛が生えた小動物のようなイメージです。

 

 

ティーティーウーは、はい虫のクリュープです。

 

いたちのような胴の長い動物に近いイメージで描かれています。

 

 

Moomin.comより引用。

 

 

ティーティーウーの登場

とあるはい虫は、森で暮らしていました。

そこは、ムーミン谷の外にある森です。

 

 

その森はスナフキンが冬の旅からムーミン谷に戻る道程にあるため、はい虫は毎年、ムーミン谷へと向かうスナフキンのことを見かけていました。

 

 

このはい虫が、スナフキンに憧れたティーティーウーです。

 

……いえ、正確にはこの時はまだたくさんいるはい虫の中のひとりでしかなく、彼にはまだティーティーウーという名前はありませんでした。

 

 

自分のことを集団の中の一部でしかないように感じていたはい虫は、ある年に思い切ってスナフキンに声をかけてみたのですが……この時は残念なことに、とてもタイミングが悪かったのです。

 

この”タイミング”については、このエピソードが語られる媒体によって違ってくるのですが、例えば小説版では以下のようなシチュエーションでした。

 

 

ムーミン谷へと帰る道すがら、スナフキンは新しい春の調べをつくっていました。

ムーミンに会ったら聴かせたい、と考えながら焚き火にあたり、食事をし、たばこを吸うスナフキン。

この時のスナフキンは曲作りに真剣で、そのためのひとりの時間を楽しんでいたのです。

 

こんなタイミングで知らないはい虫が無邪気に声をかけてきたものだから、さすがのスナフキンも機嫌を損ねてしまいました。

 

 

「あなたのことを知っているよ。スナフキンでしょう。いつも世界中を旅して春になるとムーミン谷に行くでしょう」

「火にあたってもいいですか?スナフキンのたき火にあたった初めてのはい虫で幸せです」

「リュックにハーモニカ入っているでしょう。もしよければきれいな音楽を聴きたいな」

 

 

こんな風に話しかけられたってにこやかに返事なんかできなかったのです。

 

 

 

 

ちいさなはい虫が、ティーティーウーになる時

スナフキンの、短く冷たいあしらいの中に「きみの名前は?」と尋ねるものもありました。

 

しかしこの時のティーティーウー、もといはい虫にはまだ名前がなかったため、スナフキンに名前を付けてほしい!とお願いしました。

 

 

でも、あいにくこの時のスナフキンはすこぶる機嫌が悪いのです。

名前をつけてくれるはずもなく……。

 

 

やはり冷たくあしらわれてしまったはい虫はやがて諦め、寂しそうな背中を向けながら森へと消えていきました。

 

 

この後、ご機嫌ななめだったスナフキンもさすがにハッとします。

自分を慕い声をかけてくれた相手に、タイミングが悪かったとはいえひどい態度をとってしまったことを思い、スナフキンは心をもやもやとさせました。

 

 

ここで小説版のスナフキンは「こんな気分になったことは一度もないぞ」と口にします。

黙って、静かに心の中で整理をすることも難しかったのでしょうね。

 

 

はい虫に名前をつけてあげることにしたスナフキンは、ここで「ティーティーウー」という名前を提案します。

始めは明るく、終わりは少し悲しそうなイメージなのだと話しました。

 

 

始めは明るく、終わりは少し悲しそう。

 

それはきっと、スナフキンから見たそのはい虫のイメージそのままだったのでしょう。

 

 

明るく無邪気に話しかけてきたティーティーウー。

その後で、最後は落ち込んでしまい、寂しそうな背中を見せたティーティーウー。

 

 

あまりにも単純な名付けではありますが、当のはい虫は大喜び!

 

それはそれは嬉しそうに「ティーティーウー!」と叫び、自らの名前を噛みしめるのでした。

 

 

 

 

まとめ:名前をもらうということ

これまで、あくまでたくさんいる小さなはい虫たちのひとりでしかなかったティーティーウー。

 

彼はこの時、初めて世界に自分がひとりだけで、唯一無二の存在であることを認識したようでした。

 

 

集団の中の一部としか感じられなかった自分に、価値を見出すことができたティーティーウーの人生は、きっとこれから大きく変わっていくことでしょう。

 

 

これについてはティーティーウー自身も「今は自分に名前があり、これから起こる全てのことがこの名前を持つ自分に意味があります。」と語ります。

 

だから、これからはとても忙しくなるのだ、と。

 

ティーティーウーの生き方がガラリと変わったことが、ティーティーウー自身の口からも語られているのです。

 

 

はい虫の特徴である、「集団で生活して、いつも自信なさげに、おどおどとしている」というのは、私たち人間にもぴったり当てはまることなのかもしれないな、と感じます。

 

それでも自分に価値を見出し、自信をつけることができたらその時には、ティーティーウーのように生き方そのものが変わるような思いを得ることができるのかもしれませんね。

 

 

関連記事

ムーミン谷の冬で活躍したトゥーティッキ。一見男の子に見えますが、横縞の服を着てズボンに入っている金色の髪を持つ女の子です。トゥーティッキのモデルになった人物も実は存在…...続きを読む
ひそかに人気を博しているミムラねえさんはリトルミイのお姉さんなんです!たくさんいる兄弟姉妹の一番上のお姉さんでいたずらが大好きなミイとは反対に、ロマンチストで穏やかな…...続きを読む
※Nina Keski-Korpela / Yle   不思議なハプニングに見舞われることはあっても、凶悪な事件なんてひとつも起こらないムーミン谷は、いつも平和。 それでも、時々は何かがなく…...続きを読む
ムーミン谷には、不思議ないきものたちがたくさん暮らしています。 その中から今回ご紹介するのはニブリング。     ムーミンの物語に詳しい方以外はこの名前を聞いたこ…...続きを読む
ムーミンの物語の主人公であるムーミンのフルネームはムーミントロールなんです。そんなムーミンの性格、ムーミン谷での暮らしや冒険による成長などを紹介しています。また原作者…...続きを読む
ムーミンの物語の中の重要キャラクターの一人ともいえる彼女。いつからムーミンの彼女になったのか、フローレンではなくあまり馴染みのない方もいるであろう「スノークのお嬢さん…...続きを読む

お薦めムーミングッズ

かわいいムーミンが色々な形で登場します!是非参考にご覧ください。


記事が見つかりません


記事が見つかりません


記事が見つかりません




記事が見つかりません



ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら