ムーミンの物語には、犬も登場します。
その名も「めそめそ」。
彼は名前から想像できる通り気が弱い犬なのですが、その一方で夢見がちなところもあったりします。
今回は、『気弱な夢見がち』であるめそめそについてご紹介します。
「めそめそ」というキャラクター
めそめそは、言語ではYnk。インクと読みます。
「哀れ、ちっぽけな」という意味を持つ「Ynklig」という単語が語源になっています。
めそめそは、日本語版に意訳された際につけられた名前です。
めそめそは、毛糸の帽子を深くかぶり、ケープをまとった小さな犬です。
いつも縮こまっていて、その様子から自信のなさが伺えます。
めそめそは、小説、絵本、コミックスで登場します。
基本的な性格はどれも似ていて、やはり気が弱く、夢見がちなところがあります。
めそめそについて少しわかってきたところで、次は彼のエピソードについてお話しましょう。
小説版めそめそのおはなし
小説「ムーミン谷の冬」で、めそめそは食べるものに困ってムーミン谷にやってきました。
「ムーミン谷の冬」は、いつもなら冬眠してしまうムーミンが、珍しく目を覚ましてしまったとある年のムーミン谷の冬を描いたお話です。
このお話では、冬が大好きなヘムル族のヘムレンさん(冬のヘムレンさん)がはしゃぎすぎた挙句、ムーミン谷のみんなを巻き込んでいくのですが……
めそめそは、この冬のヘムレンさん愛用のラッパの音に驚いてベンチの下に隠れてしまうほど臆病なのです。
※写真は参考書籍より撮影して引用:『ムーミン谷の冬』講談社、トーベ・ヤンソン/作・絵、山室静/訳、1990年発行
そんな臆病で気が弱いめそめそですが、彼には夢がありました。
めそめそは、おおかみのことを自分の兄弟だと信じていて、彼らの仲間になりたいと願っていたのです。
こんなに気の弱いめそめそが、どうしておおかみを自分の兄弟だと信じることができたのかはわかりませんが、でも、それが彼の夢でした。
もしかしたら、臆病すぎる自分の殻を破って、おおかみのように強くなりたいという願いから、憧れを抱いたのかもしれません。
「自分は本当はおおかみなのだから、もっとやれるはずだ!」という風に。
夢見がちであると言ってしまえばそれまでですが、それでも、自分のことを信じ続ける気持ちは持っていたのかもしれませんね。
そんなめそめそですが、いざおおかみの前に立ってみたものの、その願いはおおかみたちに届きませんでした。
おおかみからすれば弱っちい犬でしかないめそめそは、格好の獲物でしかなかったのです。
あわや食い殺されそうになってしまうめそめそですが、それを救ったのは、冬のヘムレンさんでした。
その後、めそめそはヘムレンさんについていくことに決めるのです。
コミックス版めそめそのおはなし
小説版のめそめそのおはなしは、なんだかドラマチックですが……
コミックス版では、かわいくて、笑ってしまうようなコミカルなエピソードがあります。
コミックス版「ふしぎなごっこあそび」では、めそめそはミーサという女の子と一緒にムーミン一家の元へやってきます。
ちなみにコミックス版では、めそめそは言語と同じ、インクという名前で登場します。
(混乱しないよう、今回はめそめその名前でお話しますね)
コミックス版のめそめそも、小説版と同じように気が弱くて臆病な性格をしています。
そして、彼にもやっぱり夢がありました。
めそめその夢は、彼の最大の秘密でもあります。
それは、猫が大好き!ということ。
猫と仲良くなりたい!という夢を持っていためそめそでしたが、そんな夢は彼の秘密でもあったので、ただひたすらにこっそりひっそりと、胸の中で思うばかりでした。
でも、ムーミン一家に少しずつ打ち解けていっためそめそは、ある日ムーミンママにその秘密の夢について打ち明けます。
めそめそのためにと、立ち上がるムーミンママ。
彼と仲良くしてくれる猫を探しますが、なかなかうまくいきません。
そこで、犬に猫っぽいペイントを施して、めそめそに会わせることにしたのです!
見事に騙され、大喜びのめそめそ。
猫……っぽく見える犬と仲良くなり、それはそれは嬉しそうに遊び始めました。が。
やっぱりというか、なんというか、最後には、犬が猫ではないことがめそめそにばれてしまいます。
彼の飼い主であるミーサは、ひどい!と怒りますが、意外なことに、めそめそは満足していた様子でした。
あんなに猫と仲良くなりたいと願っていためそめそでしたが、新しい友達ができたことは純粋に嬉しかったようです。
小説版のめそめそに比べて、コミックス版では哀れでありながらも可愛らしく、愛すべきキャラクターとして描かれています。
小説版ほどの悲劇は訪れないし、夢はやはり叶わないものの、彼の最後はハッピーエンドだと言ってもいいでしょう。
まとめ:ネガティブな本質を持つキャラクターたち
めそめそを始めとして、ムーミンの物語に登場するキャラクターは、ネガティブな本質を持っていることがとても多いです。
臆病だったり、マイナス思考だったり、自信がなかったり。
名前の語源になっている言葉も、めそめそのように、決していい意味ではないこともあります。
そんなキャラクター達を見ていると、作者であるトーベ・ヤンソンは、ネガティブな感情を大事にしてキャラクターづくりをしているような印象を受けます。
私たち人間にもみんなどこか欠点があるように、ムーミンの物語に登場するキャラクターたちもまた、決して完璧ではありません。
だからこそ、彼らの物語を読んだり観たりすることで癒されたり、どこか落ち着く心地がするのかもしれませんね。
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