フィンランドのエネルギーと電力実態:発電の45%は再生エネルギー、79%は二酸化炭素を増やさない 5分でわかるフィンランド

公開日:2019年7月11日  関連分類:

 

我々が日常で使っている電力を発電するにどれくらい地球温暖化ガスを排出しているか、どのくらい再生エネルギーが占めているかはご存知でしょうか。

 

 

日本の場合、年々再生エネルギーの割合が増え続いていますが、割合はまだまだ小さいですね。

 

2018年のデータを見ると、水力発電、バイオマス、地熱、風力、太陽光などの再生エネルギーは合計しておよそ発電量全体の17%程度です。

 

他に化石燃料による火力発電は80%、原子力は4.7%です。

※東日本大震災以降、発電は原子力から火力に切り替えられたのが一つ大きいな原因だと思いますが。

 

 

では、フィンランドの発電はどうでしょうか?再生エネルギーの割合は?

 

 

 

 

フィンランドのエネルギーは発電だけではなく、ヒーティングも!

北欧極寒の国フィンランドならではの事情ですが、エネルギーの使用は発電だけではなく、大きいな部分が「発熱」いわばヒーティングに使用されています。

 

また、発電と発熱を同時に行う発電所もフィンランドに一般的に存在しています。

フィンランド全国のエネルギー産出(発電と発熱合わせて)の中で、発電は約75%でヒーティングは約25%です。

 

まずわかりやすい「発電」の部分を見てみましょう!

 

 

フィンランドの発電は45%再生エネルギー、79%二酸化炭素を増やさない

フィンランドの発電は原子力、水力とバイオマス中心で、割合は下記の通りです。

 

  • 原子力:33.7%
  • 水力:25.1%
  • バイオマス:16.2%
  • 石油、天然ガス、石炭などの化石燃料:20.3%
  • 風力:3.5%
  • 可燃ごみ:1.2%

※2015年のデータです。

 

原子力はフィンランドの最も重要な発電方法です。

国内に石油や石炭などの化石燃料を産出しないため、二酸化炭素を排出しない原子力発電はエネルギーを確保するための重要な手段です。

 

 

 

 

また、フィンランド国内に多くの水力発電所が存在しています。

その多くは川もしくは湖の間で流れる水流によって発電されます。

 

更にノールウェーやスウェーデンからも水力で発電された電力を輸入しています。

 

 

フィンランドは森林大国なので、木材を使用して発電する割合も高いです。

この部分はバイオマスに含まれています。

 

発電方法のトップ3は新たに二酸化炭素を増やさないので、地球にやさしいエネルギー政策ができている国ともいえるかもしれませんね。

 

 

そして、フィンランドは数十年内には100%二酸化炭素を増やさない発電方法に切り替えるそうです。

光熱費もその際に値上がりそうで、チャレンジはありますね。

 

 

 

 

フィンランドらしい特殊なエネルギー消費事情:森林工業とヒーティング

実にフィンランドはEU内で国民一人当たりエネルギー消費量が最も高いです。

国自体は冬に寒いですし、フィンランドならではの森林・木材・製紙工業はもともと電力消費量が高いからです。

 

 

フィンランド国内で使用されたエネルギーの46%は工業です。

その中で、国内電力の30%は森林・製紙工業で消費されています。

 

 

そして、ヒーティングによるエネルギーの消費は全体の25%に上ります。

特に一般家庭でのエネルギーの消費のうち、80%もの部分はヒーティングに消費されています!

 

家や建物の中を常時22度に維持するためにこれだけエネルギーを消費していることは知りませんでした!

 

 

 

 

フィンランドのヒーティングに関し、全国民の約半分は「地域熱供給システム」(District heating)に頼っています。

 

地域熱供給システムはひとまとまりの地域に発熱所(同時に発電を行うことも多い)を設置し、パイプに通じてお湯をその地域の住宅に送り、地域全体のボイラ室をなし、効率的にヒーティングをするとのことです。

 

フィンランドでは断熱技術、エネルギーをより効率的に利用することなどの政策を進められています。

近い未来にフィンランドのエネルギー事情がより地球にやさしくなることを期待したいですね。

 

 

参考:isep 2018年(暦年)の国内の自然エネルギー電力の割合(速報)

参考:Wikipedia Energy in Finland

参考:Finnish Energy Electricity generation

 

 

関連記事

フィンランド現在最も注目を集めているテーマは「永続可能」です。国や企業は「永続可能かどうか」を課題に掲げ、様々な取り込みをしています。ヘルシンキにおいて旅行観光業界も…...続きを読む
  我々が日常で使っている電力を発電するにどれくらい地球温暖化ガスを排出しているか、どのくらい再生エネルギーが占めているかはご存知でしょうか。     日本の…...続きを読む
電気自動車にかかるコストがどれくらいだか知っていますか?ヨーロッパで一番維持費が高い国、そしてそのコストはいくらなのか?ガゾリンやディーゼル車とはどれくらいの差がある…...続きを読む
※ヘルシンキ市内にある発電所。   地球温暖化問題はもう遠い未来の話ではなくなってきています。 いかに地球温暖化ガスである二酸化炭素の排出量を減らすかを世界各国で大幅…...続きを読む
  日本ではまだあまり意識されていないですが、二酸化炭素の排出量、地球温暖化、地球が住めなくなることなどの環境意識です。   その中で、特に食料品と二酸化炭素の…...続きを読む
  先日2019年9月23日にニューヨークで開催された国連気候アクションサミットで、フィンランド大統領Sauli Niinistöはフィンランドが世界で初めて二酸化炭素の新規排…...続きを読む

お薦め3D木製蝶ネクタイ

ちょっとしたオシャレをしたい時に是非参考にご覧ください。

ショップコンセプト

1.フィンランド 北欧というと?

フィンランドもしくは北欧というと「幸福度が高い」「社会福利が充実」「なんかみんな楽しく生活している」というイメージを持つのでしょうか。ただし、実際に見て感じてみると、合致する部分もそうではない部分も見えてきます。良いと思う部分をうまく取り入れ、そうではない部分も積極的に理解することが大切だと思います。そのため、キートスショップは「フィンランドもしくは北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことの実現を目指していきたいです。

2.雑貨と現地ツアーに通じて幸せを増やしたい

「フィンランドと日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」という目的を果たすため、キートスショップ現在は「フィンランド雑貨販売」と「ヘルシンキ現地ツアー」の2軸で事業を展開しております。フィンランドの雑貨が好きな方により良い製品、より早く、より良い価格でご提供し、フィンランド雑貨をお客様が手に取る際の喜びを想像しながら事業を運営しております。また、実際にフィンランド・ヘルシンキまで旅をされた方々にはフィンランド文化の核心価値を実際にご体験頂けるヘルシンキ現地ツアーをサービスとしてご提供しております。

「キートスショップで買ってよかった!」「キートスショップのツアーに参加してよかった!」というお客様の声を糧に、より良い商品を提供できるよう、より良いツアーを提供できるよう進めていきたいと思います。

3.運営に「誠実」と「感謝」

「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」目標に目指しながら、キートスショップは感謝の気持ちをベースに「誠実に対応する」ことを運営の第一事項にしております。いかなることに関しても最大限誠実な対応を致しますので、ご意見・ご質問は随時お問い合わせください。遅くても24時間以内にご返答致します。お問合せフォーム、メール:ken@kiitos.shop

4.キートスショップの名前

Kiitos」はフィンランド語で「ありがとう」を意味する言葉。『フィンランドには優れたデザインや製品を提供してくださることに、日本の方々には外国の文化を理解して頂くことに感謝し、ショップ経営に取り組んで行きたい』そのような思いから、ショップ名を「キートスショップ」にしました。

キートスショップは、「フィンランドや北欧と日本の交流を促進し、人々により幸せな生活をして頂く」ことが実現されるよう努めてまいります。

キートスショップスタッフ一同より(フールバージョンはこちら